第225回 京都府ご当地グルメ(その4) 「てっぱい」をいっぱい食べたい

特別編集委員 野瀬泰申


京都府

 パンが好きで、ラーメンはこってりどろどろ、コーヒーまで濃い…。イメージとはだいぶ異なる「京都の食」をこれまで3回にわたって考えてきました。
 京都府編もいよいよ最終回。さらにまた「思いもよらなかった京都の味」が登場します。
 今週のおかわりは、先週末に秋田県横手市で開催されたイベント「YOKOTE I believe」のリポート先ごろ発表された第10回B−1グランプリin十和田の出展団体情報をデスクがご紹介します。
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(「食べB」へ初めて訪れた方は「食べB入門編」をご覧下さい記事の県別一覧はこちら

来島海峡大橋
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来島海峡大橋

 別媒体の取材で瀬戸内に行ってきた。松山―今治から島伝いに広島県側に北上する旅だった。私は気象庁黙認晴れ男1級という資格を持っているので、梅雨時だというのに空は晴れ渡り、持参した傘の出番はなかった。

 魚が美味い。物価が安い。歯の改造工事中でなければ、食べたいものがたくさんあった。

 かんきつ類を買いたかったのだが、ちょうど端境期でほとんど売っていなかった。それでも道の駅やフェリー乗り場の無人販売所には、近くの農家が丹精したレモンなどが少量ながら、信じられないような値段で並んでいて、持てるだけ持って帰ったのだった。

ダレダレ…
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ダレダレ…

 途中、最近話題のうさぎの島にも寄った。ネットで世界中に発信されたせいで、外国人の姿が目立った。うさぎのダレ具合が良かった。

 さて今週で京都府編も最終回。残りのメールを全放出する。といってもあまり数はないが。

MNo.22

ゴムそば!?
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ゴムそば!?

 デジカメが生まれる前、相当以前に福知山へ行った時のこと。だから写真がありません。
 駅ビルの1階の北側?の駅そばで「鬼そば」なる品に遭遇。食べると普通のそばだったのですが、大江山も近所ですし、何かいわれがあるのでしょうか?
 続いて、市役所近辺で「ゴムそば」なる品にも遭遇。焼きそばですが、焼く前からソースっぽい色。ゴムみたいな色かなあ? いずれも局地的なのか広がりがあるのかよくわからないものでした(大阪の原さん)

最初から茶色い石巻焼きそばの麺
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最初から茶色い石巻焼きそばの麺

「ゴムそば」は福知山市のご当地グルメ。店の数が限られているが、一応そう呼んでいいのではないか。いわゆる焼きそばである。

 中華麺を深蒸しするため、かんすい焼けを起こして最初から麺が茶色い。石巻、瀬戸の焼きそばと同じである。大阪勤務時代に福知山に行った折、地元の人に勧められて焼きそばを食べたことがある。しかし当時は食べ物取材をしていなかったため、特に何も考えないで食べた。いま思えば確かに歯応えがあった。あれがゴムそばだったのかも。

 かの地には「薄焼き」というお好み焼きがある。大阪風の混ぜ焼きではなく、重ね焼き。実は重ね焼きの方が古いものではないかと考えている。その理由については21日付の「文学食べ物図鑑」で。

MNo.23

王将の餃子
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王将の餃子

「餃子の王将」は京都が発祥なんですね。知らない人が多いと思います。若い時分に大阪に住んでいた私の父親は「大阪の店」と思っていました。あるD大OBに言われて、初めて元は京都と知りました。
 その方、今は京都を遠く離れた地元に帰っておられますが、何かの理由で京都に行くと「出町の王将」を訪れ、雰囲気が変わっていないかチェックするそうです。
 その方によれば「ルンプロの雰囲気が残っている」。なんじゃそりゃ。いきなりあなたの学生運動時代の用語を使われても、と思うが、キリがないので言わない。
 競馬の話を夢中でする常連と店員とか、そういうのが大チェーン店になった今でもあるということでした(YKヒルビリーさん)

よく入ります(デスク)
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よく入ります(デスク)

「ルンプロ」の説明をしたいのだが、新聞では使えない用語なので、ごめんね。

 確かに「大阪王将」との違いがわからんという人は多い。入ったことがないので自信はないが、東京で多店舗展開しているのは大阪王将の方かな。

 メールのように京都で学生時代を過ごした人々には懐かしい店であろう。しかし最近はいろいろな事件もあって、触れにくい物件になった。

MNo.24

いけず石(ちりとてちんさん提供)
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いけず石(ちりとてちんさん提供)

 京都といえば、「いけず」でしょうか。
 家の角に漬け物石より大きめの石が置かれてましてね。車が曲がろうとして、家に寄り過ぎるとホイールをガリガリ。看板などで注意を喚起するのではなく、石を置いて遠回しに「ぶつからんといてね」とお願いしているものなんだそうです。
 別名「いけず石」。
 良い距離感で、代々そこに住み続ける京都人の知恵やないかと思います。「いけず」は、食べられませんが、「味わう」ことはできますね。
 こんな石は、京都だけなんかいなぁと思たら、うちの近所にもありました。京都出身のお人やろか?(ちりとてちんさん)

 京都にそんな石があったとは知らなかった。これは車除けである。

 沖縄や鹿児島の三差路などに置かれているの「石敢當(いしがんとう)」は魔除け。結果的に車除けにもなっているのではないか。

MNo.25

川端道喜の粽(カラスダニ@松山さん提供)
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川端道喜の粽(カラスダニ@松山さん提供)

 京都のイメージは修学旅行で行ったのが一番古い思い出です。夕ご飯はハンバーグでした。全く京都らしくないメニューで、テーブル・マナーの講習会も兼ねてたのかなぁと思う次第。
 大人になってからは、色々と知恵がついてきて様々なものをいただいてきました。昨年はうちの相棒が京都に行ったお土産に「川端道喜」の粽(ちまき)を買ってきてくれました。 京都のお菓子はホントに色々とあるなぁと感心するばかり。
 あとは、伏見でお酒ですかねぇ。
 バスツアーで丹波とかも行きました。いやぁー、バスツアーだと飲めて気楽なのがいいです。他の方々のメールを読む度にまだまだ知らない世界があるんだと再認識。誰か連れて行って欲しいものです(カラスダニ@松山さん)

篠山バスツアーのご飯(カラスダニ@松山さん提供)
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篠山バスツアーのご飯(カラスダニ@松山さん提供)

「川端道喜」は室町時代から続くと言われる老舗中の老舗。

 京で「先の戦」というと応仁の乱のこと、などと言われるが、このような老舗を前にしたら「そうかもしれん」と思えてくる。

 ただ私はこの店の粽を食べたことがない。畏れ多いからではなくて、歯の関係である。餅系は怖い。

 最後のメールはこれ。総ざらい的な内容である。出るべき物が出た。

MNo.26

てっぱい(ミルフォードさん提供)
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てっぱい(ミルフォードさん提供)

 京都、思いつくままに。
・てっぱい 京都で初めて耳にした名前。「分葱(わけぎ)の酢味噌和え?」「いや、分葱に限らへん」「関東だと“ぬた”かなあ」「香川だと、また違う。“鉄砲和え”」。そんな会話を思い出します。
・エレベーター 焼いた油揚げに大根おろしをのせてポン酢をかけたもの。「上げ」+「下ろし」ということでエレベーターということらしい。三条の居酒屋で食べたことがあるのですが、写真が残っていません。ぜひ実食を。
・衣笠丼 おそらく、京都にしかない「衣笠丼」は、油揚げを卵でとじた丼もの。ご飯に油揚げ、卵がのった様子を、名勝・衣笠山の風景に見立てたとか。

衣笠丼(ミルフォードさん提供)
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衣笠丼(ミルフォードさん提供)

 見た目は似ているが、違うバラエティもあります。「きつね丼」は油揚げがのった丼。ほの甘に煮詰めた味が、やさしい。「木の葉丼」はかまぼこを卵でとじて、シイタケやネギを合わせた丼。
 ・あか バクダンとも呼ばれる飲み物。赤ワインと焼酎をまぜ、炭酸やサイダーで割ったもの。京都のお好み焼き屋さんの定番ドリンクだそうだ。甘いけれど、飲みやすい。お好み焼きには合いますね。
・うどんワールド すでに登場している「たぬき」以外にも、魅力的なうどんにたくさん出合えました。天かすがのったうどんを「はいから」と呼ぶのは大阪も同じですよね。
 シイタケの煮付けやかまぼこ、湯葉、板麩、三つ葉などをのせら「しっぽく」。卓袱料理の影響を受けて江戸時代に京坂地区で考案されたとか。私が行った店では海苔やワカメがのっていました。
 「きつねカレー」は深夜でも食べたくなります。濃厚なおだしに元気百倍(ミルフォードさん)

あか(ミルフォードさん提供)
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あか(ミルフォードさん提供)

 大阪勤務時代に聞いたことがある「てっぱい」。ずっと意味がわからなかったのだが、本日判明した。めでたい。

 香川での呼び方「鉄砲和え」がなまって「てっぱい」になったのか。要するに「ぬた」である。

「油揚げに大根おろしをのせたもの」とかけて「エレベーター」と解く。そのココロは。

「上げて下ろします」。「助六」よりわかりやすいかも。

「あか」は「京都あか」とも。ずっと以前、京女さん、落語家の桂米二さんの案内で、京都を飲み歩いたことがある。そのときにも話題になった「あか」。後日、瓶詰めか缶で飲んでみたが、甘かった。

はいから(ミルフォードさん提供)
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はいから(ミルフォードさん提供)

「うどんワールド」はメールにある通り。補足するなら京の「きつね」は刻んだだけの油揚げがのったもの。大阪の「きつね」を食べたい場合は「甘ぎつね」と注文すべし。

 写真を見る限り、ミルフォードさんは全メニュー完食のようである。こっちも凄い。

 ということで京都府編を終了する。断片的ながら京丹後や丹波の食べ物が登場して、京都市以外の食の風景を垣間見ることができた。実食の旅でさらに深化させられるよう頑張るけんね。

きつねカレー(ミルフォードさん提供)
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きつねカレー(ミルフォードさん提供)

 次回から宮崎県。メールが集まるかちょっと不安である。皆さんのお力添えをお願いする次第である。

(特別編集委員 野瀬泰申)



★今週のおかわりは「秋田・横手のおいしさ満載、10周年記念パーティー」と「B−1グランプリin十和田、出展団体決まる」です。ぜひお読みください。

京都府編(その1) 京都人、生八ツ橋は食べまへん

京都府編(その2) 京都人は濃厚民族である

京都府編(その3) 喫茶店、3度の食事にサンド出す

大阪・京都府まとめて実食編 「飯炊き仙人」こんにちは


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2015年6月19日

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