第42回 長崎県実食編(前編) 五島で食べる五島地グルメ

一芸クンの食べB修行記〜ちゃんぽん番長の野望〜

 

小浜温泉のオバマ大統領(ちゃんぽん番長さん提供)
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小浜温泉のオバマ大統領(ちゃんぽん番長さん提供)

 野瀬特別編集委員との実食取材は3日目の午前中で終了。広い長崎県、限られた時間ですべてをまわることはできませんが、各地で素敵な人々とB級グルメに出合うことができました。充実感をおぼえつつ帰り支度をしていると、野瀬特編の携帯が鳴り響きます。電話に出たその様子がどうもおかしい。次第に表情がくもってきています。

 何事かたずねると「うむ、番長が…」と言葉を濁しました。

 番長ですと!?長崎に番長が実在しているとは。昔は、マンガによく番長が出てきました。「番長惑星」(石ノ森章太郎、当時は石森章太郎)、あれは面白かった。「とんち番長」(竹熊健太郎・相原コージ、作中では相原弘治)なんてのもありました。最近は番長見ないな、と思っていたら、テレビ東京で放送中のアニメ「極上!!めちゃモテ委員長」に恋に悩む心優しい番長が。絶滅はしていないようです。

島原鉄道の車両
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島原鉄道の車両

  聞けば、野瀬特編に電話してきた番長は「ちゃんぽん番長」の通り名を持ち、雲仙あたりで名を上げているとのこと。きっと「雲仙を素通りするとは何事か」とすごんできたに違いありません。いやいや、皆まで言わずとも結構。この私が名代として、番長に話をつけてこようじゃありませんか。

 すると野瀬特編が「気をつけたほうがいい。彼のバックはオバマだからな」とアドバイスをくれました。恐るべしちゃんぽん番長。心してかかりましょう。

野瀬 一芸クン、そこまで話を作らなくても……。

島原鉄道「愛野駅」は愛の駅
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島原鉄道「愛野駅」は愛の駅

 佐世保からJR九州の快速電車「シーサイドライナー」で諫早駅へ。諫早でローカル線の島原鉄道に乗り換えて島原半島に入ります。急行で15分ほどの「愛野駅」にて下車。2005年に7町合併で雲仙市となる以前は愛野町と呼ばれていたところで、「愛のまち」というコンセプトのまちおこしも行われています。ファンシーな外壁の愛野駅前にはロマンチックな「ほほえみの像」もあります。愛野駅と、同じ島原鉄道の「幸(さいわい)」「吾妻(あづま)」とを結ぶ記念切符も購入しました。そこには「幸せを愛しのわが妻へ」と書かれています。自分に妻はおりませんが。静岡編最終回で野瀬特編に「君の人生の春は遠そうだな」などとひどいことを言われましたが、この切符のご利益で幸せになれそうな気がしてきました。

バスで小浜温泉へ。温泉街の手前で小浜ちゃんぽんののぼりを発見
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バスで小浜温泉へ。温泉街の手前で小浜ちゃんぽんののぼりを発見

 愛野駅前からバスに乗り、30分ほどで小浜温泉へ。「小浜ちゃんぽん」で地域を盛り上げようとしているこの地こそ、ちゃんぽん番長の本拠地らしいのです。

 温泉街の少し手前にある「お食事処 心」に、小浜ちゃんぽんののぼりを見つけました。ここで番長のことを聞いてみることにします。

 しかしまずは腹ごしらえ。「ちゃんぽん(卵入り)」を注文しました。出てきたちゃんぽんのスープは、他の地域のものと比べると白濁がうすく、すすってみると味もいくぶんあっさりしています。しかしダシはよく取れていて、レストランでいただく上等なスープのようです。太い麺は食べごたえも十分。長崎県観光振興推進本部のブログ「Go!Go!ともっち」では、ともっちさんが「小浜ちゃんぽんの麺は長い」と紹介しています。真似をして箸で持ち上げてみると、どんなに持ち上げてもそのスソがスープから出てこないほどでした。

小浜ちゃんぽん
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小浜ちゃんぽん

  スープの完成度が高いので卵を混ぜるのを一瞬ためらいましたが、これも小浜ちゃんぽんのスタイルということで、生卵をくずしてみました。するとどうでしょう、これまでとは全く違った、まろやかなスープに変身したのです。一杯で2度おいしい、お得な小浜ちゃんぽんでありました。

 店のご主人は森田哲生さん。40年以上続くこの店の2代目です。「ちゃんぽんの味は父から受け継いだ」と話す森田さんですが、洋食店で修行を積んだ経験を生かし、ちゃんぽんだけでなく数多くのメニューを提供しています。各店の独創性が試される長崎名物トルコライスには、ハーブを混ぜたピラフや和風スパゲッティを添えるなど、こだわりを見せています。

 森田さんはまちおこし団体「小浜ちゃんぽん愛好会」の副会長です。昨年秋に厚木市で行われたB−1グランプリでは、灼熱の太陽が照りつける中、もくもくとちゃんぽんを作り続けました。それでも1日1000杯がやっとで、3時間ほどで売り切れに。「もっと仲間を増やしていかないければいけない」と痛感したそうです。

「心」の森田哲生さんと、小浜ちゃんぽんの長い麺
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「心」の森田哲生さんと、小浜ちゃんぽんの長い麺

 しかしB−1グランプリに参加したことで、小浜ちゃんぽんをもっと盛り上げようという機運も高まっています。森田さんの父である先代も、以前は「店を休んでまで参加する意味があるのか」と半信半疑だったのが、今では考えが変わりつつあるのだとか。「小浜温泉の最盛期は、夜遅くまで裏通りでも浴衣姿の人が歩いていた」と森田さん。そのにぎわいが戻る日を目指し、店とまちおこしを両立させる忙しい日が続きそうです。

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