番外編 まちづくりは「人の輪」から〜B−1グランプリin姫路(デスク)


 今週はB−1グランプリ特別審査委員長の大役を果たし終え、疲れきった野瀬は休筆。代わりにデスクが「第6回B級ご当地グルメの祭典!B−1グランプリin姫路」の模様をリポートします。一芸クンが撮影した会場風景、そして感動の閉会式の映像もたっぷりとお届けします。

 さらに番外編2として、一芸クンがB−1グランプリに合わせて行われたネットライブイベント「はりま☆まちづくりストリーム」の中で放映された「食べBアワー」の模様を、さらには番外編3としてアミー隊員がB−1グランプリ開催期間中に行われた「食のみやこ鳥取 うまいものコレクション2011」をリポートします。合わせてご覧ください。

 山口県編は11月25日からスタートします。皆さんからのメールをお待ちしています。

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ひるぜん焼そば
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ひるぜん焼そば

 ひとりでは不可能なことでも、同じ志を持った仲間が集まって手を携えれば、夢は叶うかもしれない――。

 八戸せんべい汁研究所(汁゛研=じるけん、青森県八戸市)の木村聡事務局長が、最初にB−1グランプリの構想を野瀬に話したときの言葉です。汁゛研が単独で活動していても、その効果は八戸のある南部地方から津軽地方を含む青森全県、がんばっても東北6県くらいにまでしか及ばないだろう。しかし、日本各地の同じ志を持つ団体と一緒に活動できれば、その効果は日本全国に及ぶかもしれない。

63団体が集結
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63団体が集結

 あれから約7年。その夢は兵庫県姫路市に51万人の来場者を集め、報道陣が閉会式に押し寄せた結果、「仲間たち」が会場に入りきれなくなるほどの注目を集めるという「夢のような現実」になりました。

 それは、同じ志を持った仲間が集まって手を携えたからこそ実現した夢――。今回2日間の大会を取材して改めて実感させられました。

 3月11日に起きた東日本大震災で、B−1グランプリを主催するB級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(愛Bリーグ)加盟団体のうち、石巻茶色い焼きそばアカデミー(宮城県石巻市)と浪江焼麺太国(福島県双葉郡浪江町)がとりわけ大きな被害を受けました。石巻は津波に見舞われ、浪江は福島第一原発事故の影響で、今も住民の町外への避難が続いています。

浪江ブースの八島太王(左)を訪れた汁゛研の木村さん
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浪江ブースの八島太王(左)を訪れた汁゛研の木村さん

 会場で、そして夜の酒席で、出展団体の多くの仲間たちが「石巻、浪江とともに出展できた喜び」を語り続けていたことがとても印象的でした。石巻の6位、浪江の4位入賞が決定した表彰式では石巻、浪江コールが会場じゅうに響き渡ったことは自然の成り行きだったと思います。

「波江町の仲間とともにここに来られたことだけでうれしい」。2日間の大会期間中、浪江焼麺太国のリーダーである八島貞之太王(だいおう)は泣きっぱなしでした。そして多くの仲間たちが浪江ブースの太王を訪れ、熱いエールを送っていました。

「絶対にふるさとを取り戻します」
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「絶対にふるさとを取り戻します」

 4位という結果は、決して「同情票」ではなく、八王子未来塾卒業生や早稲田の学生さんらの支援を受けて、押し寄せる来場者に手際よくできたての浪江焼そばを提供した努力のたまものだったと思います。料理を待つための行列にすらたどり着けない「行列制限」が各会場で続出する中、浪江の「行列対応」には目を見張るものがありました。明らかに早かった。

 夏に行われた東京のイベントでは「浪江に帰れるのだろうか、帰っていいのだろうか」と自問自答をしていた八島太王ですが、受賞後のインタビューでは「絶対にふるさとを取り戻します」と力強く語ってくれました。

開会式の石巻・木村均さん
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開会式の石巻・木村均さん

 石巻は、全国から多くの仲間が駆けつけ、地元・兵庫県の佐用ホルモンうどんくわせ隊も調理をサポート、やはり手際よく、多数の来場者に対応しました。味はもちろん、できるだけ待たせないようにという「おもてなしの心」が6位の結果に結びついたのだと思います。

一芸 おもてなしといえば今回、最も印象に残ったのは汁゛研の「みがわりシスターズ」です。

「みがわりシスターズ」は長時間並んで待つ人たちのために、少しの間その人の代わりに列に並んでいてくれる女性スタッフです。せんべい汁の看板から顔を出しての記念撮影やトイレに行きたくなったときに、行列の「身代わり」をしてくれるのです。

「ただいまみがわり中」のサインを持って並ぶみがわりシスターズ
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「ただいまみがわり中」のサインを持って並ぶみがわりシスターズ

 そのネーミングが、80年代前半の深夜番組「オールナイトフジ」から生まれた女性ユニット「おかわりシスターズ(山崎美貴、松尾羽純、深谷智子)」に何となく似ているのはきっと偶然に違いありません。私はこの名前だけでゴールドグランプリをあげたくなりました。

 各団体とも、待っている間に少しでも楽しんでもらおうと観光案内をしたり、生演奏をしたりと工夫を凝らしています。しかし汁゛研は、来場者にとって最も切実な「トイレに行くときどうするか」という心配事を解決することにしたのです。

キャベツマン、大盛り!
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キャベツマン、大盛り!

 そもそも殿堂入り(箸による投票の対象外となる過去のゴールドグランプリ受賞団体)していないのがおかしいくらいの汁゛研ですが、常に仲間たちの先頭に立って新しい取り組みを見せてくれるところが汁゛研らしさなのかもしれません。

デスク  「汁゛研チルドレン」といわれるいわてまち焼きうどん連合歓隊(岩手県岩手郡岩手町)のキャベツマン軍団は、初出場にもかかわらず、自分たちのブースそっちのけで他団体の盛り上げに走り回ってましたね。

八戸、十和田、今治の高校生たち
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八戸、十和田、今治の高校生たち

 汁゛研も出展した第1会場では初日終了後、十和田バラ焼きゼミナール(バラゼミ、青森県十和田市)と今治焼豚玉子飯世界普及委員会(愛媛県今治市)に参加した十和田西高校と今治精華高校の学生たちが、同じまちづくりへの思いを交歓するために、互いのご当地B級グルメを贈り合いました。

 ここに汁゛研「みがわりシスターズ」の高校生も駆けつけ、十和田バラ焼きと今治玉子飯をほおばりながらしばし歓談。高校生らしく、あっという間に打ち解けて仲良く語り合っていました。

今治の田中代表(左)とバラゼミの畑中舌校長。濃い!
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今治の田中代表(左)とバラゼミの畑中舌校長。濃い!

 次世代を支える若者たちに参加してもらい、意識を高めてもらうことは、まちづくりを「一過性のブーム」に終わらせないための大切な要素なのです。バラゼミ、今治に限らず、多くの団体で若者、子どもたちが活躍する姿を見ることができました。

 まちづくりには「同じ志を持った仲間」がいることを、高校生たちは笑顔のおしゃべりの中で自然と感じたに違いありません。

 箸による投票の結果は、すでに報道されている通り、ひるぜん焼そば好いとん会(岡山県真庭市)がゴールドグランプリに輝きました。

受賞の瞬間、ひるぜん石賀会長の涙を見つめる津山の鈴木康正代表
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受賞の瞬間、ひるぜん石賀会長の涙を見つめる津山の鈴木康正代表

 ひるぜんの石賀幹浩会長は、受賞後のインタビューで「(岡山県から初めてB−1グランプリに出展し、初出場の第4回横手大会でブロンズグランプリを獲得した)津山ホルモンうどん研究会を夢見て、追いつけ追い越せで頑張ってきた。いろいろなことを勉強させてもらい、今回最高のまちづくりをすることができた」と仲間への敬意を改めて強調しました。最後の最後まで仲間への思い、それが作り出す「人の輪」が印象に残った今年のB−1グランプリでした。

 東京に帰ってきて、こうして原稿を書いて、写真を整理していてちょっと困ってしまいました。よく考えると今回、料理の写真をほとんど撮っていないのです。映っているのは人ばかり。出展料理もほとんど食べていませんでした。「B級ご当地グルメの祭典」なのに――。

 でも、おなかいっぱいだったんです。とても。


映像で見る「B−1グランプリin姫路」


(1)大会前夜のパレードと開会式の模様

愛Bリーグ渡辺会長インタビューも収録しています。


(2)会場の様子

まちづくりにかける出展者の声を中心にまとめました。


(3)閉会式パート1(10位〜4位)

石巻、そして浪江からの心の叫びをお聞きください。


(4)閉会式パート2(3位〜1位)

栄冠を勝ち取ったひるぜん焼そば好いとん会の歓喜、そして全参加団体のノーサイドの笑顔をご覧ください。



写真で見る「B−1グランプリin姫路」


(1)入賞団体、喜びの顔

(2)にぎわう会場


●PDF版ご案内はこちらから

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 来週からはいつもの食べBに戻ります。何度も申し上げますが、次回は山口県がテーマです。山口県のおいしい情報、楽しい情報のメールを心よりお待ちしています(詳細はこちらから・PDF)。



 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

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