おかわり 伊勢に着いたら「朔日(ついたち)餅」



3月の朔日餅は「よもぎ餅」。毎月、異なる伊勢千代紙で包装されている
<写真を拡大>

3月の朔日餅は「よもぎ餅」。毎月、異なる伊勢千代紙で包装されている

 三重県編第4回で「横浜市の永岡動物園飼育係」さんから投稿いただいた「朔日(ついたち)餅」の情報。月のはじめに伊勢神宮にお参りする「朔日参り」の参拝客をもてなすもので、伊勢神宮(内宮)へとつながるおはらい町通りにある赤福本店で買い求めることができます。

 早朝からの販売にもかかわらず、毎月多くの人が列をなして買い求める朔日餅。毎月異なる、季節感あるお餅になっているのも人気の理由でしょう。4月ならさくら餅、5月ならかしわ餅、といった具合です。

 しかし曜日に関係なく1日の販売ですから、買う機会は非常に限られています。三重実食編の日程が3月1日からと決まったときは思わず「チャーンス!」と心の中で叫びました。

人通りの少ない夕刻のおはらい町
<写真を拡大>

人通りの少ない夕刻のおはらい町

 このおめでたいお餅、ぜひ三重実食編で野瀬特別編集委員に食べてもらおうではありませんか。食べBも半分近くの県が残っています。まだまだ元気にがんばってもらわなくてはいけません。自分で言うのもなんですが、見上げた忠誠心です。こう見えても長幼の序を重んじる真面目なサラリーマンなのであります。

 調べてみると朔日餅を求める人の列は相当なものになるとか。しかしそこはネット通販もファストパスもない時代に育ったバブル入社世代の強み、並ぶことは私の特技のひとつです。学生時代にはドラゴンクエスト発売の列に並んでいる様子をニュース番組で映し出され、田舎の両親からこっぴどく怒られた経験もあります。

 前日の閉店後、17時から「列整理券の事前受付」を始めると聞いたので、2月28日夕方に伊勢に入りました。その日の仕事はどうしたんだという質問はなしでお願いします。

整理券の整理券
<写真を拡大>

整理券の整理券

 赤福本店前に到着したのは18時近く。係の方が待機していて「朔日餅ですか?」と声をかけてくれました。そうですと言うと写真のような券が発行されます。これは言ってみれば整理券の整理券。番号は172番でした。

 1日の朝3時半からこれを整理券に引き換えるとのことなので、この日は撤収。ホテルにチェックインして、近鉄宇治山田駅近くの喫茶店「モリ」へ。

 お目当ては三重県編第3回で投稿いただいたこの店のスパゲッティ、通称「モリスパ」です。

モリスパ
<写真を拡大>

モリスパ

 席に座ると、お水とおしぼり、そしてフォークが出てきました。なんとッ!この店の方はエスパーなのか?座っただけで何を注文するか見抜くとは。まあ、ほとんどのお客さんがスパゲッティを注文していましたが。

 店内は仕事帰りとおぼしきサラリーマン、高校生のグループ、そして家族連れでほぼ満席。店のつくりはしゃれた喫茶店ですが、にぎやかな雰囲気は大衆食堂のような温かみがありました。

 スパゲッティが出てきました。真っ赤というほどのナポリタンではなく、薄焼き卵の色あいと溶け合っています。熱々の鉄板からすくいあげ、フウフウと冷ましながらいただくと甘めの味付け。これは確かに一度食べたら忘れられそうにありません。投稿に「ソウルフード」とあったのもうなずけます。

晩酌(コーラ)のお供に
<写真を拡大>

晩酌(コーラ)のお供に

 モリスパを食べ終え近くのスーパーをのぞいてみると、さすがは餅街道のお国柄。惣菜コーナーには「つぶあん」「こしあん」も並んでいます。それを買ってホテルでむさぼり食べてもよかったのですが、そこは大人ですから思いとどまり、あんの入った菓子をいくつか買うだけにしました。

 部屋に戻って「あん入り揚げもち」「ぱんじゅう」「あんサンド」を楽しんでいるうちに眠くなってきたので、まだ9時前ですが寝てしまいました。のび太並にすぐ眠れるのも、私の特技です。

 翌日は朝2時に起床。朝と呼ぶにはきつい時刻です。身支度をととのえてホテルを出発、3時には再び赤福本店前へ。

整理券確保
<写真を拡大>

整理券確保

 店の近くにはすでに多くの人が集まっています。そして3時30分になり、昨日入手した番号の書かれた紙を整理券に引き換える呼び出しが始まりました。

 首尾よく整理券を入手。念願の朔日餅に、着実に近づいているのを感じます。販売開始は4時45分で、整理券には4時30分までに列に並ぶように、とありました。

 それまでの約1時間、どう過ごしたものかと思案していると、赤福本店向かいにある「おかげ横丁」の朝市が始まりました。朔日参りに合わせ、毎月行われているようです。

おかげ横丁の朝市
<写真を拡大>

おかげ横丁の朝市

 しかし、だんだん体が冷えてきました。3月の早朝ですから当然ですが、前日がとても暖かく、寒さへの警戒心がすっかり薄れていたのです。ヒートテックのタイツなど防寒装備を用意していたものの、これは要らないだろうとホテルに置いてきてしまったのは失敗でした。

 するといち早く店を開けた伊勢うどんの店が目に入ります。これ幸いと、店内で特別メニューの「朔日うどん」をいただきました。伊勢うどんといえば真っ黒のつゆを少量かけたスタイルが定番ですが、この朔日うどんは温かいかけうどん。これはありがたい。

朔日うどん
<写真を拡大>

朔日うどん

 温まったところでぼちぼちでき始めた列に加わり、販売開始をじっと待ちます。

 自分はちょうど五十鈴川の上にかかる橋の上におりました。川の流れに運ばれてくる風は冷たいものの、その清浄さを感じ、きれいな月を眺めていると、おだやかな気持ちで満たされます。

 思わず隣に並んでいた女性に「月がきれいですね」と声をかけたくなりましたが、逮捕されると野瀬さんにお餅を届けられないので断念しました。

熱気に包まれる赤福本店前
<写真を拡大>

熱気に包まれる赤福本店前

 4時45分、販売開始。少しずつ列が動き始めます。店に近づくと、みな5箱、10箱と買い求めている様子。ご近所や得意先に配るのでしょうか。

 自分が購入できたのは30分ほど経ってから。無事、ミッションコンプリートであります。

 さて朔日参り、と思いましたが、店内でも朔日餅を食べられると聞いたので、さっそく実食といきましょう。箱で持ち帰るのではなく、店内で食べるほうは列もなく、すぐにいただくことができました。

あられ茶とともに
<写真を拡大>

あられ茶とともに

 出てきた今月の朔日餅、よもぎ餅。つまり草餅ですね。中にはうまいつぶあんが包まれています。この甘いお餅と香ばしい「あられ茶」のコンビネーションは絶妙で、早朝並びの疲れも吹き飛びます。

 元気になったところで内宮へ。まだ6時前なので広い敷地内は真っ暗です。宿で借りたのか、懐中電灯を持ってお参りする人たちもいます。

 しかし深い自然に囲まれた静謐(せいひつ)な空気は何にも代えがたいもの。お参りして五十鈴川にかかる宇治橋に戻ったころに、ようよう白うなりゆく山際が見えてきました。

夜明け前の五十鈴川
<写真を拡大>

夜明け前の五十鈴川

 ハードスケジュールでしたが、そのかいもあって貴重な体験ができました。このおめでたいお餅を食べれば、野瀬さんの健康も、食べBの将来も安泰です。

 どうでしたか、私が2時に起きて購入した朔日餅は!

野瀬 モチろん、食べてない。

一芸 あ。野瀬さんに渡すの忘れてた。

(一芸)

2013年3月22日

【PR】

【PR】

【PR】

大人のレストランガイド

大人のレストランガイド

NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

ぐるなびWoman

ぐるなびWOMAN

女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

ぐるなびWedding

貸切パーティコレクション

企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

結納・顔合わせ

特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

このサイトについて

日本経済新聞社について