第117回 三重県ご当地グルメ(その4) 桑名でカレーを食わないと

特別編集委員 野瀬泰申


 天ぷらを味噌汁につけて食べたり、あられがお茶漬けになったり、牛肉の産地では実は鶏肉の焼き肉が食べられていたり…。様々な知られざる話題で盛り上がった三重県編もいよいよ最終回。最後は全国で、そして東京で名高い「三重の食」が満を持して登場します。お楽しみに。
 今週のおかわりは、一芸クンによるあられ茶漬け研究リポートです。ぜひご覧ください。
 食べBのFacebookページ(http://www.facebook.com/tabebforum)では、食べBの更新情報や裏話などをゆるやかに発信していますのでどうぞご利用ください

(「食べB」へ初めて訪れた方は「食べB入門編」をご覧下さい食についてのメール投稿先はこちら

岡山県北では雪が積もった
<写真を拡大>

岡山県北では雪が積もった

 先週末の岡山は寒かった。山間部のみならず、岡山市内にも粉雪が舞った。そして寒風が吹きやまなかった。

 いかに岡山が温暖な瀬戸内沿岸にあっても冬は冬なのである。何しろ瀬戸内市牛窓町には寒風(さぶかぜ)古窯跡群というものがある。さぶー。

 そんな中で2泊3日の岡山実食編の旅をしてきた。愛Bリーグ加盟団体の皆さんにはひとかたならぬお世話になった。というよりお力添えがなかったら取材は不可能であった。

来週リポートする
<写真を拡大>

来週リポートする

 深甚なる謝意をささげたい。

 旅の模様は来週、リポートする。

 さて三重県編も今回で終了する。手元に届いたメールを一挙公開。

 まずは「七越ぱんじゅう」から。

ぱんじゅう(ミルフォードさん提供)
<写真を拡大>

ぱんじゅう(ミルフォードさん提供)

MNo.25

 えっ! 伊勢にも七越ぱんじゅうがあったんですか?
 富山では古くからの甘味所で「七越」という店が今でもバリバリで営業しています。ここの今川焼との同等品は子どものころに七越ぱんじゅうと呼ばれていました。
 今は単に七越まんじゅうで、あんこ白あん クリームの3種類です。
 鉄板つながりで「どんどん焼き」を紹介します。和風クレープとでも言いましょうか、鉄板で小麦粉の上にとろろ昆布などをのせて焼き、仕上げにソース(ウースターソースにケチャップを入れたレベルだったと記憶)を塗っただけのものですが、ある意味では私の年代のソールフードかもしれません。
 山王さん祭の屋台は名物でした。今でも同じ場所に出ていると聞きました。最近は山王さんはご無沙汰していますが、数年前に魚津の道の駅(海の駅?)で見つけて思わず買って、懐かしくほおばりました。1枚100円だったかな?(煮豆ライスさん)

山形のどんどん焼き
<写真を拡大>

山形のどんどん焼き

 伊勢の七越ぱんじゅうと富山のそれとの関係は不明ながら、のれん分けとか人間関係とかが絡んでいるのかもしれない。

 ぱんじゅう自体は北海道や栃木にもあるらしいが、富山も生息地のひとつであった。

 どんどん焼きは一応、山形県生まれとされる。それが富山に伝わったのであろう。ただし、中にとろろ昆布を入れるのはいかにも富山。

 それと富山のそれは箸で巻きますか? それとも畳みますか?

マンボウの串焼き(あまこさん提供)
<写真を拡大>

マンボウの串焼き(あまこさん提供)

MNo.26

 三重県南部の紀北町、尾鷲市では、漁業が盛んなことから「マンボウ」を食べる文化があります。あの水族館で優雅に泳いでいる「まん丸おめめ」のマンボウです)。
 身の部分は刺身や湯引きして酢味噌あえなどで、腸の部分は「こわた」といわれ、干物として食されています。
 紀北町にあります「紀伊長島道の駅まんぼう」では、マンボウの串焼きを販売しています。この串焼きは、コリコリのなんともいえない食感で、美味!!
 また道の駅では、この時期は「渡利かき(弘法かき)」もあります。渡利かきは海山地域の白石湖で育てられるかきで、少し小ぶりですが、くせがなく、かきが苦手という方にも食べやすいかきです。稚貝から一貫して白石湖で生育している珍しいかきでもあります(あまこさん)

ダントツ一番人気!(あまこさん提供)
<写真を拡大>

ダントツ一番人気!(あまこさん提供)

 前回、マンボウを食べるという話は出ていたが、今回は具体的な場所と姿が判明した。

 昔、神田の居酒屋でマンボウの刺し身を出す店があった。店主がそれを勧めながら「食べた後に、ウーー、マンボ!と叫ぶと楽しいよ」と言ったので、全員が下を向いたのだった。

 そして白石湖の「弘法かき」。岡山実食編の旅でカキをたくさん食べたので、カキはしばらくいいのである。と言いつつ、このメールを紹介する。

弘法かき(あまこさん提供)
<写真を拡大>

弘法かき(あまこさん提供)

MNo.27

 昔、泡の仕事の関係で三重県北牟婁郡紀北町にある白石湖で、カキの養殖の実験を数年にわたってやっていました。
 年1回程度行ってカキがどのくらい育ったのか確認(という名のカキの引き上げ及び収穫)していたのですが、ある年白石湖に行く途中の道の駅でクジラの肉の串焼きなどとともにマンボウの肉の串焼きがありました。
 ちょっと抵抗はあったものの興味本位に食べてみるとなんとなく弾力がある程度の歯ごたえで、味はあっさり目といったところ。マンボウと言われなければ何か魚の白身の串焼きかなと思う程度でした(まっどだいまるさん)

泡は重要?
<写真を拡大>

泡は重要?

 泡の仕事というのは、文字通り水泡のことである。まっどだいまるさんは、泡に関する専業メーカーの方で、岐阜県実食編のとき、詳しいお話しをうかがって興味津々であった。

 流れの少ない湖でカキを養殖するとなると、酸素を送る必要から泡が重要な意味を持つのであろう。

 食べる人と養殖に携わる人のメールが併せて届いた珍しいケース。

尾鷲さんま寿司=背開き(おわせ人さん提供)
<写真を拡大>

尾鷲さんま寿司=背開き(おわせ人さん提供)

MNo.28

 三重県南部の尾鷲市では、リアス式の海岸線の入り江に集落が点在し、天然の良港には様々な漁法で漁獲された魚が水揚げされています。
 11月末から冬にかけて熊野灘に南下してくるサンマは、一般的な秋のサンマとは違い、ほどよく脂が落ちて、この脂の抜けたサンマを酢でしめて作るサンマ寿司は、この地域ならではの逸品です。
 地域ごと、家庭ごとに伝わる郷土食で、作り方も腹開き、背開き、簀巻きでまく方法、押し型で作る方法などさまざまです。また薬味も、からし、わさびなど地域によっても違い、酢にゆずを加えるところもあるなど、食文化を感じる伝統食です。
 尾鷲市の市街地と九鬼・輪内地区あたりを境に、北と南でこの作り方などの文化の違いが見られ、尾鷲市では腹開きも背開きも、わさびもからしも、いろいろなさんま寿司が食べられるのが特徴です。
 ぜひ尾鷲でサンマ寿司の違いを食べ分けてみてはどうでしょうか(おわせ人さん)

尾鷲さんま寿司=腹開き(おわせ人さん提供)
<写真を拡大>

尾鷲さんま寿司=腹開き(おわせ人さん提供)

 紀伊半島の東側はサンマの水揚げが多いことで知られる。光り物を愛する九州人なので サンマは好物である。缶詰からかば焼き、干物と何でも好き。

 サンマも各種寿司も食べてみたいと、ただの食いしん坊みたいになっている。

 ところで尾鷲から少し下った和歌山県新宮市にはサンマのすき焼きがあるという話を聞いた。「じふ」とか「じふ煮」と呼ぶそうである。

 ただ家庭料理なので食べさせる店はないとも聞いた。

尾鷲さかな寿司のパンフレット(おわせ人さん提供)
<写真を拡大>

尾鷲さかな寿司のパンフレット(おわせ人さん提供)

 尾鷲にはサンマのすき焼きはありますか?

 このメールで「尾鷲市の市街地と九鬼・輪内地区あたりを境に、北と南でこの作り方などの文化の違いが見られ」るという部分に注目していただきたい。そして次のメールを読んでいただきたい。

天下分け目の桑名カレー(名古屋のす〜さん提供)
<写真を拡大>

天下分け目の桑名カレー(名古屋のす〜さん提供)

MNo.29

 たまたま仕事で桑名に行き、大山田PAに寄ったところ発見しました。「桑名カレー」と「三重大学カレー」。
 桑名カレーは、ここがカレーに入れる肉の境目ということで、豚肉と牛肉の2種類が入っているようです。家庭によって違うのかもしれませんが、確かに実家の三河は、カレーも肉じゃがも豚肉だったなあ。
 牛肉ってあまり食べなかった。すき焼きも豚でした。
 三重大学カレーは、三重大学大学院生物資源研究科の練習船でアジが好評だったものを大学ブランドで販売した物です。
「宗田鰹の節を使用し」と説明書に書いてあったので、和風なんだろうなと思って食べてみると、想像以上に鰹出しが効いています。こんなに効いているのも初めてです。そば屋のカレーは出しが効いていると言いますが、これはそれ以上と思われます。
 具は普通のニンジン、ジャガイモ。想像以上に美味しかった。こういう味付け、たまにはいいかも。
 両方とも地元桑名の醤油メーカー、ヤマモリさんの商品でした(名古屋のす〜さん)

三重大学カレー(名古屋のす〜さん提供)
<写真を拡大>

三重大学カレー(名古屋のす〜さん提供)

 尾鷲にはサンマ寿司の作り方の境界線が、桑名にはカレーに入れる肉の境界線がそれぞれ走っていることを示唆する重要な情報である。

 食文化の境界線は糸魚川―静岡構造線辺りできっぱりと分かれるものがあり、その西側で分かれるものもある。

 カレーの肉の境界線が三重の東岸にある可能性は高い。その西は牛肉になるのであろう。

 うなぎもこの線の西側は「腹開きで蒸さない」地帯になるのではないかと推察している。

亀八食堂にて(名古屋のす〜さん提供)
<写真を拡大>

亀八食堂にて(名古屋のす〜さん提供)

 名古屋のす〜さんからは、亀山味噌焼きうどんを食べた報告もいただいている。写真を見ていると、いい香りが漂ってきそうである。

お店で頂く赤福(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)
<写真を拡大>

お店で頂く赤福(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)

MNo.30

 私、実家は愛知県にありながら、三重県の食についてはとんと疎いのです。それというのも、私の両親が新婚旅行に出かけた先が伊勢神宮で、そこで激しい夫婦喧嘩をして、
「宇治橋の端と端を歩いて渡ったのよ」
と母に聞かされて以来、三重のことは我が家で口にしてはいけない禁忌のような気がしたのでした……。
 なので申し訳ありませんが、情報は4つだけ。
1.味ご飯 愛知県三河地方でも、五目ご飯は「味ご飯」と呼びます。でも、おじやは「おじや」です。
2.朔日(ついたち)餅 三重県でお餅と言えば、何といっても赤福ですが、毎月1日だけに発売される朔日餅は通常販売される赤福とは違って、春はさくら、夏はたけながしと季節の趣が深く、縁起物として愛知県内のデパートでも赤福売り場の前に行列ができるほどの大混雑になります。皆さん入手出来るかどうかで殺気立っているので、シロートは近寄れません。

赤福氷(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)
<写真を拡大>

赤福氷(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)

3.赤福氷 同じ赤福でも赤福直営店、しかも夏季限定でしかいただけない赤福氷は、我が人生で5つの指に入るほど美味な氷菓子です。抹茶蜜のかき氷の中に密やかに隠れている赤福は、この世の宝。
 氷の中にお餅が入ったら固くなっちゃうのではないかと、戸惑う必要はなし。できたての赤福はほんわか柔らかく、きりっとした抹茶蜜とのハーモニーはくどすぎない穏やかな甘さ。
 みんなで分け合えるようにスプーンを多めに渡してくれる心配りも赤福ならではなのです。
4.マスヤの「おにぎりせんべい」「ピケ8」 数年前、赤福の賞味期限偽造事件で、余ったお餅の行き先として世間を賑わしたマスヤさんですが、子どものころから「おにぎりせんべい」と「ピケ8」はなくてはならない大事なおやつ。
 最近のおにぎりせんべいは1枚ずつ個別包装になっちゃいましたが、昔は大袋にざざっと入っていて、早く食べないとしけっちゃって、袋にくっついちゃうからと急かされつつ食べた記憶があります。それに対して、ピケのバター風味は、昭和40年代の子どもにとってしゃれたハイセンスな食べ物。なんとなく大人に認められた感がある、鼻の穴をふくらませながら食べるおやつでした。どちらもビールに似合うせんべい菓子であります(横浜市の永岡動物園飼育係さん)

赤福発見!(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)
<写真を拡大>

赤福発見!(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)

 新婚旅行で口げんかしても、その後がよければいいのです。

「愛三岐」というくらい共通の文化を持つ地域なので「味ごはん」も共通の言葉。しかし他県では恐らく通じないであろう。愛三岐の方言ではないか。

 伊勢神宮では毎月1日はいつもより早く起きてお参りする「朔日参り」がある。朔日餅はその縁起物。と赤福のHPに書いてある。赤福氷は「食べ物 新日本奇行」にも登場した目もくらむような和風スイーツである。

 一芸クン、食べたい?

お店で見つけた赤福ロゴ入り火鉢(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)
<写真を拡大>

お店で見つけた赤福ロゴ入り火鉢(横浜市の永岡動物園飼育係さん提供)

一芸 三重実食は夏まで延ばすか…。あ、独り言です。

 おにぎりせんべいの話が出たので……。

かたやき(大阪の原さん提供)
<写真を拡大>

かたやき(大阪の原さん提供)

MNo.31

 伊賀のかたやきを紹介していただきましたが、伊賀市に鎌田製菓店というかたやきの専業店があります。かたやきは非常に硬いせんべいですが、ここでは運がよければやわらかいかたやきが食べられます。
 店頭にある大きな鉄板で1枚1枚手焼きしています。経木のような厚さのある長い板を重りにして時間をかけて焼き上げています。このように焼いているときに「やわらかいかたやきをください」と注文すると1枚からでも販売してくれます。
 近所の小学生たちのおやつにもなっているようです。記憶が正しければこの店は「伊賀まちかど博物館」にもなっています(べんちゃんさん)

 付属の木槌で割って食べるという硬いせんべい。私に無縁の食べ物と思っていたが「やわらかいかたやき」という二律背反のものが存在していた。辛くない勝浦タンタンメンはないのかな。

 おや、一芸クンへのメールが届いていた。

へんば餅(ミルフォードさん提供)
<写真を拡大>

へんば餅(ミルフォードさん提供)

MNo.32

 一芸さんに推薦したいものナンバーワンは「へんば餅」です。もともと参宮街道(大昔の国道23号線)の伊勢の少し手前(松阪側の小俣あたり)に茶店がありました。
 その茶店までは一般人も馬に乗って神宮へ道を進めたのですが、その茶店から先は、馬を降りて徒歩で参詣しなければならない決まりだったようです。
 馬がそこでUターンすることから「返馬(へんば)茶屋」と呼ばれていて、その茶屋で出される餅菓子が評判を呼んだことからこのネーミングになっています。すばらしく上品な甘さの餅菓子です(元松阪人さん)

 一芸クン、ここまで書いていただいたら、三重に行くしかないね。

一芸 やっぱり夏までは待てないな…あ、独り言です。

 あられ茶漬けはこのような活用法もあった。

お茶漬け専用あられ(すてごフリークさん提供)
<写真を拡大>

お茶漬け専用あられ(すてごフリークさん提供)

MNo.33

 私の出身は伊勢市の隣の玉城町という町です。お茶漬けに使う「あられ」について追加情報を。
 あの、あられは味噌汁に入れても食べます。味噌汁の実にする豆腐や野菜がないときは、実のない味噌汁を作って、あおさとあられを放り込んで出来上がりということもありました。
 お茶漬けは、かけるお茶も美味しさに多大に影響すると思います。これも三重の名産品だと思うのですが、かぶせ茶というお茶が、お茶漬けには最高に合います。個人的には故郷のとなり町の度会町で作っている度会茶がお勧めです。
 あられのお茶漬け以外にも、生のカツオを刺身で食べずに、あえてお茶漬けにして、たまり醤油をかけて食べるととても美味しいです。
 さらに紹介したいのは「やじろ」という餅米と普通の米を混ぜてついた餅っぽいものです。お正月の雑煮で「餅とやじろと何個ずつ入れる?」と聞かれます。
 どこでもあるものだと思っていたのですが、これも伊勢名産らしく、東京に出てきてから誰も知らないので驚きました。独特の食感があって、私は餅よりやじろの方が好きです(とっきーさん)

味噌汁にもあられ
<写真を拡大>

味噌汁にもあられ

 茶漬けと味噌汁。あられの二段椀もの活用である。あられが入った味噌汁は、意外にいけるかも。ほぼ毎朝、味噌汁をこしらえる担当なので実験しよう。

「やじろ」は北勢で「たがね」と呼ばれているものと同じものではないだろうか。どちらももち米にうるち米を混ぜてつく。

 ともに三重県民にはなじみがあるのに、他県では「?」な食べ物。

 とっきーさんのふるさと、玉城町から。

ミエマン醤油の伊勢うどん関連製品
<写真を拡大>

ミエマン醤油の伊勢うどん関連製品

MNo.34

 町内にある「ミエマン醤油」は醤油・たまりづくり300年の老舗です。中でもみなさんご存知の伊勢うどんの「たれ」が超有名。伊勢地域の多くの家庭で賞味いただいているたれです。伊勢うどんは離乳食代わりにも利用されていますよ。
 野中屋は100年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋。人気のみたらし団子は、この地域ならではの黒蜜をベースに使たった独特な風味のみつ団子です。
 最近、地元で大人気な.「わらしべ」のたい焼きです。外側のぱりぱり付でたべるのが人気とか。「あんなしたい焼き」も好評で連日行列ができています。
 中井精肉店の揚げたての熱々コロッケは手ごろな値段でクラブ活動帰りの買い食いスポット。実は、ギョーザが美味しいと評判です(玉城町役場産業振興課地域振興係の皆さん)

 玉城町は伊勢市の西、松阪市の東にある。県内トップクラスの豚の産地で「玉城豚」を出荷しており、この豚を使ったポークジャーキーや粉ものの「アグリ焼き」などもあるという。

伊勢うどん(名古屋のす〜さん提供)
<写真を拡大>

伊勢うどん(名古屋のす〜さん提供)

 中でも私が気に入ったのは伊勢うどんのたれをつくっている「ミエマン醤油」。そして「伊勢うどんは離乳食代わりにも利用されていますよ」という件である。

 確かに伊勢うどんは柔らかいから赤ちゃんでも食べられそう。

 私が酒の席で「久留米では粉ミルクが普及するまで、とんこつラーメンのスープを哺乳瓶に入れてミルク代わりにしていたんだよ」と言うと「へええ」と信じる人もいるが、伊勢うどん離乳食説はその類のジョークではない。

 ところで志摩の年取り魚は何だと思いますか?

ネコザメ(たけのうちさん提供)
<写真を拡大>

ネコザメ(たけのうちさん提供)

MNo.35

 志摩では正月にネコザメを活きたまま熱湯につけ、皮をはいでさばきます。身はゆでて酢味噌で食べます。正月に欠かせない料理。
 サメは一般的に臭いと思われていますが、新鮮なものは意外にも淡白なで上品な白身で、大変美味しいものです。酢味噌和えにはネコザメ以外にもドチザメ、ホシザメなどが用いられます。
 紀伊長島でイガミと呼んでいるブダイは極彩色のベラの仲間。三重県以外ではほとんど食されない魚ですが、三重県の南部では珍重され、特に冬に高値で取引されます。ブダイは海藻を餌としており、今では貴重になってしまった海の森にそだつ海藻の新芽を食い荒らしてしまう側面を持っているので、三重県以外でも利用するべき魚です。もちろん海藻を食べているブダイなどの魚の存在自体が悪いという意味ではありません。煮付け、刺身の他、鍋に入れたりと白身で淡白な味を楽しみます(三重県水産研究所 たけのうちさん)

ブダイ(たけのうちさん提供)
<写真を拡大>

ブダイ(たけのうちさん提供)

 魚の種類に恵まれている志摩の正月に欠かせない魚はサメであった。意外である。意外であるが、私たちが知らない理由はあろう。

 サメは冷めても美味しいとか。

 ブダイは伊豆で干物になったものを見たことがあるが、スーパーでは皆無。市場に出回っていないのかな?

「モハミ」とか「モハメ」という地方名がある。「藻食み」「藻食め」のことらしい。

 三重県で忘れてはいけないものがある。

ベビースターラーメン各種
<写真を拡大>

ベビースターラーメン各種

MNo.36

 津市、いや三重、いや日本、いや世界に誇る食品メーカーがおやつカンパニー(創業は津市と合併前の旧一志郡)と井村屋(創業は松阪市)です。
 小さいころ駄菓子屋さんでべビースターラーメン(社名が松田食品のころのオレンジ色の袋)や、スチーマーからカレーまん、肉まん、あんまんを食べていました。
 夏には最初は歯が折れるかってほど硬いあずきバーを買って食べましたね。
 ちなみに井村屋が「アンナミラーズ」を経営していることは、あまり知られてないかもです。昔も今も関東しかありませんでしたから、津市民で「アンナミラーズ」という店を知っている人も少ないかと思います(津市<高茶屋>生まれ津市育ちの須川<39歳>さん)

カチカチ
<写真を拡大>

カチカチ

 井村屋の中華まんは「豚まん」ではなく「肉まん」である。先ほど紹介したカレーの肉の境界線論から見ても興味深い。三重県松阪市は牛肉で有名だが市民が普通に食べているのは牛以外の豚、鶏という話と符合する。

 そして左党にはこれ。

下町のチューハイといえばキンミヤ
<写真を拡大>

下町のチューハイといえばキンミヤ

MNo.37

 東京下町の焼酎といえば「キンミヤ」。
「キンミヤ焼酎」の宮崎本店は四日市市民にとって昔からある酒造会社というくらいで、特に強い印象はないようです。
「宮の雪」がモンドセレクションに出品したり、ホッピーブームで「キンミヤ」がブレークしたりと頑張っている会社。
「キンミヤ」はブーム以降、一時東京では手に入りづらいことがあったようですが、地元では普通にスーパーや酒屋で買えたので特別視をしていませんでした。しかし焼酎の本場九州に「キンミヤ」を持って行ったところたいへん喜ばれたこともありました(四日市とんてき協会西村さん)

ストロープワッフル(nozakiさん提供)
<写真を拡大>

ストロープワッフル(nozakiさん提供)

 東京では別格甲類焼酎扱いのキンミヤ。「キンミヤあります」と大書している店も少なくない。なのに地元では「それが何か?」みたいな感じであるところが面白い。

 と言いつつ、私もほかの商品より割高なキンミヤを買ってしまう。それをウーロン茶で割ってしまう。特別に美味いような気がしてしまう。

 nozakiさんから神戸のオランダ人が焼く「ストロープワッフル」の写真が届いた。メールには「これもオランダのルーツに当たるのでは」と書かれている。なるほど表面は根室のオランダせんべいによく似ている

 さてこれで三重県編は終了。いろいろと驚かされた1カ月であった。実食編の旅が楽しみである。

 次回の岡山県実食編の後、新年からは、関東に戻って栃木県編である。語尾が上がるメールを待つ。

 ではまた来週。

(特別編集委員 野瀬泰申)

★今週のおかわりは「お茶をかけてもうまい菓子は?あられ茶漬け代替選抜(一芸)」です。あきれるかもしれませんが、ぜひお読みください。



三重県編(その1) 「味」という名のおにぎり

三重県編(その2) 売るのは牛、食べるのは鶏

三重県編(その3) 志摩じゃアワビを丸かじり


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2012年12月14日

【PR】

【PR】

【PR】

大人のレストランガイド

大人のレストランガイド

NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

ぐるなびWoman

ぐるなびWOMAN

女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

ぐるなびWedding

貸切パーティコレクション

企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

結納・顔合わせ

特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

このサイトについて

日本経済新聞社について