おかわり カップめん発海の幸経由激辛行〜デスク版大阪・京都府実食編



インスタントラーメン発明記念館
<写真を拡大>

インスタントラーメン発明記念館

 今回の実食の旅は、豊下製菓の豊下さんにご同行いただきました。

 豊下さんは、大阪府下で明治5年創業の老舗飴屋を経営され、廃れていた「なにわの伝統野菜」を飴の材料として発掘するなど、関西の食にたいへんお詳しい「達人」です。食べBでも、前身企画の「食べ物 新日本奇行」以来ずっと、貴重な関西の食情報をお寄せいただいてきました。

 そんな豊下さんに、今回は旅のルートまで描いていただきました。あえて事前調査は放棄し、すべて豊下さんの導きのままに旅へ出ることにしました。

インスタントラーメンのタイムトンネル
<写真を拡大>

インスタントラーメンのタイムトンネル

 まず向かったのは、大阪北部・池田市にある「インスタントラーメン発明記念館」です。

 1958(昭和33)年、日清食品の創業者・安藤百福が、この地でインスタントラーメンを発明したことを記念したミュージアムです。

 展示でインスタントラーメンの歴史を学んだら、次は体験学習。小麦粉をこね、のばし、蒸してから味付けして乾燥させる「チキンラーメンファクトリー」もあるのですが、先を急ぐ旅でもあり「マイカップヌードルファクトリー」で、カップヌードルづくりの最終工程を体験しました。

安藤百福とチキンラーメン、カップヌードル
<写真を拡大>

安藤百福とチキンラーメン、カップヌードル

 カップにイラストを描き込み、そこに麺、そして粉末スープと具は好きなものを選んで入れてもらいます。カップに封をしてシュリンクすれば、自分だけのカップヌードルのできあがりです。

 記念館は住宅密集地にあるのですが、そこからちょっと北上しただけで、周囲が一挙に山の風景になることに驚かされました。

 この辺りは豊能(とよの)と呼ばれ、京都府と兵庫県の間に突き出たような地域で、丹波地方に隣接する大豆の産地です。

藁入りの納豆
<写真を拡大>

藁入りの納豆

 次に訪ねたのは山の中の納豆屋さん、山口食品です。以前は大阪都心部で納豆を作っていたのを、豆作りにこだわり、産地であるこの地に移ってきたそうです。

 こだわりは原料だけでなく、昔ながらの藁で包むパッケージやできたてを届ける通販など多方面に及びます。

 一方で、斬新な試みも。最中の皮で納豆を挟み、スナック感覚で食べられるようにした「もなか納豆」を開発。週末には工場の一角を食堂にして、できたての納豆を食べてもらう試みも行っています。

のせのせカレー
<写真を拡大>

のせのせカレー

 たれがジェル状になっていて、気軽に手づかみで納豆が食べられるのはうれしいですね。

 豊能をさらに北上します。「本当に大丈夫?」と戸惑うほどの未舗装道路で山を越え、能勢町観光物産センターへ。栗の産地らしく、看板も栗の形をしています

 黒枝豆や黒納豆、菊炭などをチェックしつつ、ここでお昼にしました。

 食べたのは「のせのせカレー」。能勢産の夏野菜を使ったトマトベースのマイルドなカレーです。まっ「のせでのせを食らう」ってだけのシャレなんですけどね…。

大きなしめじ
<写真を拡大>

大きなしめじ

 さぁ、ひと山越えればもう京都府です。

 亀岡では黒豆味噌も調達。マツタケかと見まごうばかりの巨大な「大黒本しめじ」にビックリしたら、一気に日本海まで北上します。

 初日のメインともくろんでいたのが、宮津市の飯尾醸造。1893(明治26)年創業のお酢屋さんです。豊下家御用達の「富士酢」は、こだわりがたっぷり詰まったお酢でした。

 米と水だけで作る純米酢は、JAS規格における「米酢」の5倍にあたる酢1リットルあたり200グラムの米を原料として使います。「富士酢プレミアム」に至っては同8倍の320グラムも使用します。しかも、地元農家と契約した無農薬のものです。

大きなタンクの中で発酵
<写真を拡大>

大きなタンクの中で発酵

 もろみも、自社の酒蔵で、酒造りをして調達しています。

 発酵にもこだわります。

 多くのメーカーが、機械を使ってほぼ1日で発酵させるのに対し、飯尾醸造では、昔ながらの手法発酵に約100日を費やし、さらに300日じっくりと熟成させます。

 試飲させていただいたのですが、まろやかで実に味わい深い。旅先にもかかわらずお酢を大人買いしてしまったほどです。

アジの「一刻干し」
<写真を拡大>

アジの「一刻干し」

 宮津へ来たからには、魚でしょう。夕食は、地元の人気店「カネマス」で、干物の七厘焼きを食べました。

 冷蔵ケースに魚が並んでいて、好みのモノを選んで七厘で焼いてもらいます。選んだのは白イカ、アジ、地鶏、そしてハタハタ。

 店の自慢は「一刻干し」と呼ぶ、限りなく生に近い干物です。食感は生魚、味わいは干物と言えば分かりやすいでしょうか。イカもアジも歯触りはもっちり柔らかく、それでいて生にはない味わいです。

黒ちくわ
<写真を拡大>

黒ちくわ

 ハタハタは身がぷりっぷり

 ほぐした干物が入ったポテトサラダも美味しかったし、何より、へしこを使ったバーニャカウダーソースが新鮮でした。へしこの塩辛さ、味の豊かさが、生野菜のソースとしてぴったりなのです。

 シメは宮津名物という黒ちくわ。イワシやアジなどを使った黒っぽい練りものを炭火で炙って作るちくわです。表面の焦げ目が、膜のようになっています。

「カネマス」で朝市の情報を仕入れ、翌朝、まちなかの散策ついでに市場まで行って来ました。名物というだけあって、通りにはちくわ屋さん、市場にも黒ちくわがたくさん並んでいました。

サバ缶は入ったばらずし
<写真を拡大>

サバ缶は入ったばらずし

 本編で登場したばらずしも発見。サバ缶のそぼろは確かに甘かった。

 旅館に戻って朝ごはんを食べたら、丹後半島北東部にある伊根まで、舟屋を見に行きました。海岸線を埋め尽くすように、1階が船のガレージ、2階が住宅の舟屋がびっしりと並びます。高いところから眺めると、一段と美しい

 天橋立は、時間短縮のため「股覗き」をあきらめ、高速のモーターボートで端から端まで眺めて来ました。思っていた以上に長いんですね。名物の「知恵の餅」も食べました。

超岩ガキ
<写真を拡大>

超岩ガキ

 海沿いを舞鶴へ。途中「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」に立ち寄ります。

 舞鶴では海軍カレー肉じゃが丼を食べるつもりだったのですが、次から次へ目に飛び込んでくる魚介に目を奪われ、ついには胃袋まで奪われてしまいました。

 干物が美味しそうちりめんも美味しそう…干したホタルイカの試食品などを口に放り込んだりしているうちに、食欲に火が付いてしまいました。

 まずは、岩ガキ。

丹後とり貝 右が通常サイズ
<写真を拡大>

丹後とり貝 右が通常サイズ

超岩ガキ」ってネーミングがそそられるじゃないですか。ひとくちで食べきれません。噛み切ると、じゅわっと広がるカキの甘さ。

「丹後とり貝」というジャンボなとり貝のにぎり寿司も。

 歯ごたえが気持ちいい。通常サイズと食べ比べると、歯ごたえの差が歴然です。

 カレーと肉じゃが丼の量が上品だったのは、不幸だったのか、幸いだったのか…。

かしみん焼き
<写真を拡大>

かしみん焼き

 舞鶴から山深い美山へ。ここは「かやぶきの里」。多くの茅葺き民家が現存しています。山の木々の緑と茶色い茅葺き、そして黄金色の田んぼ…。日本っていいですね。

 さぁ、ここから京都中心部を素通りして一挙に大阪の南部へ。岸和田市のご当地グルメ・かしみん焼きを食べます。

 かしみん焼きは鉄板で焼く「こなもん」です。生地と具を混ぜて焼くお好み焼きとは違い、小麦粉をまず丸く伸ばし、そこに千切りキャベツをのせ、具としてかしわ=鶏肉と牛脂のミンチをトッピングした「重ね焼き」です。

切ったかしわと牛脂のミンチがのる
<写真を拡大>

切ったかしわと牛脂のミンチがのる

 鶏は「おやどり」、卵を産まなくなった「廃鶏」の肉です。

 ミンチといいながら挽肉ではなく、かなり大ぶりに刻まれていました。細かく挽いてしまうとおやどり特有の食感がなくなってしまうためだとか。

 壁のメニューには「玉子から焼き」というのがあって、これは生地と玉子、紅ショウガ、ネギだけ。つまり具の入っていない「空焼き」なのです。

 子どもがお小遣いを握りしめて食べに来るものだとか。

河内の茶粥
<写真を拡大>

河内の茶粥

 細い路地に面し、間口が狭く、正面からは飲食店にはちょっと見えない。でも、奥行きがある店の奥には鉄板があって、地元の人がだんじり祭を話題にわいわい呑んでいる…。

 ぜひまた、ゆっくり呑みに行きたいお店でした。

 この後、スーパーで海に近い岸和田ならではものを探したのですが、さすがに夕方とあって売り切ればかり。あきらめて野瀬の待つ天王寺に向かったのでした。

 その夜の泊りは公共の宿。朝食は、河内ならではの茶粥です。

キムチが並ぶ鶴橋のガード下
<写真を拡大>

キムチが並ぶ鶴橋のガード下

 米1に対して水分10の「水飲み百姓」の由来にもなったという粥です。ただの水ではなくお茶を使うのは、成分のタンニンに粥の劣化を防ぐ働きがあるからなのだとか。

 河内では、朝作った粥を田んぼの日陰で冷やして昼にも食べていたそうです。

 最終日は、電車に乗って、まずは布施駅前の元禄寿司本店へ。今やどこのまちにもある「回転寿司」の機械は、1958(昭和33)年にこの地で考案されたそうです。

 茶粥の直後でもあり、写真だけ撮って鶴橋へ。朝からキムチ全開のコリアンタウンを散策。

「激辛エビチリ」のレベル3
<写真を拡大>

「激辛エビチリ」のレベル3

 JR大阪環状線に乗って大阪駅へ。大阪駅から地下鉄梅田駅へ下りる階段の脇にあった、串かつの松葉は本当になくなっていました

 スナックパーク跡も確認。やはり白い仮設の壁になっていました。

 最後は阪急京都線で向日市へ。

 そうです。「京都向日市激辛商店街」です。

「商店街」というと、野瀬が歩いた天神橋筋商店街のようなアーケード街を思い浮かべがちです。

挑戦権を獲得
<写真を拡大>

挑戦権を獲得

 豊下さんから事前に教えていただいていたのですが「激辛商店街」は、JR向日市駅、阪急東向日駅、同西向日駅に囲まれた広い範囲に、激辛の店が点在しています。散策しながら店を見つけるには不向きです。

 僕は、東向日駅で電車を降りてすぐ、目の前の「aa」に飛び込みました。

 最初から辛そうなモノを注文しようとしたら、レベル3をクリアしてからでないと、その上のレベルは注文できないシステムなのだそうです。

レベル12の「デスチャーハン」
<写真を拡大>

レベル12の「デスチャーハン」

 仕方なく、まず「激辛エビチリ」のレベル3と生ビールを注文しました。

 レベル3でもかなりのものです。トウガラシ味がストレートに口腔に広がり、痛点を刺激します。それでも食べ切って、いよいよ上位グレードに挑戦です。

 最初は最も辛いレベル15の「生殺しチャーハン」を食べるつもりだったのですが、レベル3のハードさにひるみ、辛さナンバー2、レベル12の「デスチャーハン」に止めました。

 キッチンの中では、目と鼻と口をカバーするマスクを被って味付けしています。おいおい…。

激辛名人認定証
<写真を拡大>

激辛名人認定証

 味は「激辛エビチリ」より美味しいです。日向市産生ジョロキアの味そのものがいいのかな。でも、痛い。最初こそ、美味しく食べ進むものの、次第にれんげが止まりがちに…。痛みが徐々に引かなくなってくるんです。

 美味しいんですよ。味はいいんですよ。でも、痛い

 大阪・京都府実食編は、京都向日市激辛商店街のキャラクター「からっキー」の「参りました」が刷り込まれた「激辛名人認定証」を授与されて幕を閉じました。次回は餃子ひと皿サービスしてくれるそうです。

*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。



(デスク)

9月18日

【PR】

【PR】

【PR】

大人のレストランガイド

大人のレストランガイド

NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

ぐるなびWoman

ぐるなびWOMAN

女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

ぐるなびWedding

貸切パーティコレクション

企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

結納・顔合わせ

特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

このサイトについて

日本経済新聞社について