第105回 宮城県ご当地グルメ(準備体操編) 宮城の味を「いただいてください」

特別編集委員 野瀬泰申


 東日本大震災から1年半、ついに「宮城県編」がやってまいりました。ところが依然復興作業に追われているのか、現地からの情報がわずかしか届いておりません。そこで今回は「準備体操編」として、デスクによる在京宮城県アンテナショップリポートを中心に、好評でいまだに多くの情報が届き続けている岡山県編への皆さんのメールも合わせてご紹介させていただきます。
 食べBのFacebookページ(http://www.facebook.com/tabebforum)では、食べBの更新情報や裏話などをゆるやかに発信していますのでどうぞご利用ください

(「食べB」へ初めて訪れた方は「食べB入門編」をご覧下さい食についてのメール投稿先はこちら

宮城ふるさとプラザ
<写真を拡大>

宮城ふるさとプラザ

 出かけるまでに余裕があったので、何となく朝のテレビを見ていた。

 女性タレントが料理を作っている。腕に覚えがあるらしい。司会者らが「美味しそう」を連発している。

 やがて料理ができあがった。女性タレントが料理を皿に盛りつけて司会者らの前に運んで言った。

「どうぞ、いただいてください」

 次の瞬間、私は久しぶりに両手をたかく掲げ「あれー」という悲鳴とともに、横倒しになってしまったのだった。

店内には七夕の飾りも
<写真を拡大>

店内には七夕の飾りも

 都内某レストランにおける黒服の「ゆっくりお食べしてください」の次くらいにびっくりしたのである。

「いただいてください」ですか。確かに「いただきます」とは言いますけどね……。

 さて今週から宮城県編である。メールをたくさんいただいてください、じゃなくていただいている。文句なく笑えるメールもある。

 しかしながら現地からのメールがほとんどない。手元のメールでも成立するのだが、やはりここは県内からの声で埋めたいと思う。

 今回は暖機運転の一助として恒例の「デスク、アンテナショップに行く」をご覧いただくことにする。


◇  ◇  ◇

伊達の牛たん本舗
<写真を拡大>

伊達の牛たん本舗

デスク 恒例のアンテナショップ紹介です。今回ご紹介するのは、東京・池袋にある「宮城ふるさとプラザ」です。

 2フロアーのうち1階は食べ物がメイン。宮城県産食品を販売するほか仙台名物の牛たんが食べられるレストラン「伊達の牛たん本舗」を併設しています。

「宮城ふるさとプラザ」での食品販売の特徴は、定番のおみやげを常時販売しないこと。「萩の月」などの人気商品を、あえてある程度の間隔を置いて入荷するようにしているのだとか。県産品を広く発信していくのが「アンテナショップ」なので、いつも同じ商品ばかりを買ってもらうではなく、なるべく多くの商品を手にとってもえるようにしようとの工夫です。

人気トップの笹かまぼこ
<写真を拡大>

人気トップの笹かまぼこ

 人気商品にはリピーターも多いので、ぱったり販売をやめるのではなく、一定の間隔をおいて入荷するようにすれば、リピーターも離れることなく、さらに新しい商品のファンづくりもできるというやり方です。

 さらに、菓子類や笹かまぼこなどは小分けにできる商品については、なるべく箱入りだけでなく単品でも販売するようにしているそうです。

 実際に店頭に立ってみると、菓子類や名物の笹かまぼこなどは箱入り、袋入りもあるものの、1個単位で買えるものが数多く並べられていました。

ずんだ大福も1個単位で
<写真を拡大>

ずんだ大福も1個単位で

 そういえば、銀座の「おいしい山形プラザ」など菓子類を小ロットで販売するアンテナショップは他にも多く見られますよね。

「宮城ふるさとプラザ」は池袋駅からサンシャインシティへの通り道にあり、たまたま前を通りかかったお客さんが入店することも多いとのこと。そうした客層をターゲットに「ちょっとお試し」で食べてもらえるよう1個単位で買えるようにしているのだそうです。

 そしてイベント販売。一定のスペースを県内各地からの出張販売用に確保しています。

南三陸町の海藻類
<写真を拡大>

南三陸町の海藻類

 僕が取材に行った日には南三陸町の海産物の販売でした。関東ではあまり広くは出回らないほやや海藻類を中心に販売していました。

 さて、注目の人気商品ですが、いちばんの売れ筋は笹かまぼこ。数ある笹かまぼこの中でも石巻の「白謙(しらけん)」がいちばん人気だそうです。

 もちろん牛たんの人気も高いのですが、笹かまぼこは前述の通り1個単位での販売が主流なので、販売数量がぐんと跳ね上がるのだそうです。さすがに牛たんは「1枚ずつ」というわけにはいかないですからね。

油麩が人気
<写真を拡大>

油麩が人気

 やはり「1個販売」の効果で、ずんだ大福やなまどら焼などお菓子の人気も高いそうです。

 注目は油麩。「仙台麩」とも呼ばれる油で揚げた麩です。売り上げの伸びが大きく、リピーターが増えているとのことです。当サイトでは「登米の油麩丼」としても有名ですよね。「宮城ふるさとプラザ」でも、多くの種類、大きさの油麩を販売しています。

 朝に入荷する産直野菜も人気。首都圏では珍しい西洋野菜なども扱います。

県内限定品も
<写真を拡大>

県内限定品も

 2階は地酒と工芸品、そして観光・イベント情報のコーナーです。のんべえの僕としてはお酒のコーナーが特に気にかかります。注目の銘柄は「大和伝 特別純米酒」。人気の地酒「一ノ蔵」の蔵元が、宮城県内限定で販売する純米酒で、都内で買えるのは「宮城ふるさとプラザ」だけだそうです。

 食品以外で目立っていたのは楽天イーグルスの応援グッズ。ユニホームのレプリカやメガホンなど多様なグッズがそろっていました。

 個人的なオススメは昔ながらの製法で作る川口納豆。我が家はこれを大人買いして、冷凍保存しています。カラシもタレもついていないし、紙パック入りで小鉢に移さないとかき混ぜられないのですが、腱鞘炎になりそうなほどかき混ぜて無数の「糸」をからませて食べるのが好きです。

白石温麺
<写真を拡大>

白石温麺

 あと白石温麺(うーめん)。素麺が水でシメて冷たくしてから食べることが多いのに対し、温麺は温かいまま食べるのが一般的です。細くてあっさりした麺が、飲んだ後のシメに実にいいんですよね。飲みすぎるとついついこってりしたラーメンに手を出してしまいがちなんですが、カラダのことを考えると、白石温麺や秋田・十文字の中華そばあたりがいいかなぁ、なんて最近思ってます。

 店舗面積の割りに取扱商品数が多い「宮城ふるさとプラザ」。この後続々登場するであろう宮城県のご当地グルメを、もちろんすべて買えるわけではありませんが、実際に食べたくなったら一度のぞいてみてください。


◇  ◇  ◇

ふたつの焼き型に分かれて焼いたものを
<写真を拡大>

ふたつの焼き型に分かれて焼いたものを

 はい、デスク、ありがとさん。さて、手元に届いたメールの中に岡山県編の残響がいくつかある。宮城県編のメールを待ちつつ岡山の話では混乱させてしまうかもしれないが、もったいないので。

 まずMNo.29で「アックン@千葉さん」が書かれていた「風(ふう)まん」について。いわゆる今川焼き、太鼓まんじゅう、回転焼き、関西の一部で御座候と呼ばれているものである。それをなぜ岡山では「ふうまん」と言うのか。

「うらうらら」さんから「私が聞いた話では2つの焼き型で焼いたものを合わせる(合体)ことから『夫婦まんじゅう』と呼ばれていたそうです。そこから夫婦まんじゅう→ふうふまんじゅう→ふうまん、となったそうです」とのメールが届いている。

合体!
<写真を拡大>

合体!

「連島東」さんからも「これは『夫婦まんじゅう』を省略して『ふうまん』と呼ぶところに当てた字だと思います。夫婦まんじゅうとは、焼き型を合わせる流れから夫婦と呼ばれているのではないかと考えられます。

 幼いころは当たり前のように『ふうまん』としか呼ばなかったので、県外に出て他の名称があることを知って驚き、いろいろ調べたりもしました」と同趣旨のメールをいただいている。

 まあ、こういうことなのであろう。

 お名前がなかったのだが、ある方は倉敷名物「ぶっかけうどん」の元祖「ぶっかけ亭本舗ふるいち」でかつてまんじゅうを売っていた。ふるいちのまんじゅうだから、ふまん→ふうまんだと思っていた、との声もあった。

食べたい…
<写真を拡大>

食べたい…

 児島の青うなぎに関しても2通。

 さきほどの「うらうらら」さんは「会社の近く(岡山市北区)に青うなぎを出す店があります。値段は……焼き魚?のお値段とはとても思えません!

 それでも丑の日には店の前に車が4〜5台は待っています。予約した『うなぎさま』を受け取りにいらした方々のようです」と書いて下さった。

 ではその青うなぎのお味は?

津山の「干し肉」ゲット(デスク)
<写真を拡大>

津山の「干し肉」ゲット(デスク)

 岡山県は津山市出身で、某ロックブループのボーカリストとは中学の同級生です。さて、青うなぎの話題が出てましたが、この夏休み、帰省の際に寄ってきました。
 青うなぎはお書きになったように、汽水にいるエビを食べる天然うなぎで、貴重なものです。お店は「うじょう亭」。地元有名デパートの天満屋さんの比較的近くにあります。
 お昼は白焼きとうな重のみで、夜は一品料理も楽しめるそうです。軒先には青うなぎの生けすがどんっと鎮座し、たくさんの青うなぎがうねっています。対照的に店内には大型の水槽があって、色とりどりの熱帯魚が蝶のように乱舞しているのが印象的。
 肝心の料理ですが、白焼きは皮がパリパリで身はジューシー、もうトロトロです。うな重は圧倒的なボリュームと深い味わいで同じうなぎでも次元が異なる味わいを醸し出します。
 ただ大食らいの自分は問題ないですが、そうでない方は単独で行かず、複数で行かれることをお勧めしたいくらい青ウナギは大きい!!です。人によっては大味では?と危惧される声もあるようですが、いえいえどういたしまして、まったく問題ございません(茶通さん)

これくらいの量?(デスク)
<写真を拡大>

これくらいの量?(デスク)

 ということであって、簡単に言うと値段は高いが、それに見合う味と量があるらしい。

 デスク、実食編のとき青うなぎ食べる? 経費は出なさそうだし、自腹か? 

デスク いくら高くても、それに見合う味と量ならば自腹は惜しみません。(腹を叩きながら)自腹には自信があります!

 次のメールは78歳の方からのもの。過去最高齢ではないかな。

「倉敷市藤戸町の出身です。我が家の祭り寿司の種はガザエビ、佐原、鎮台貝、マテ貝、アナゴ、鰆、赤貝、ニンジン、ごぼう、レンコンン、ホウレンソウ。お雑煮はブりの照り焼きでした」(yoshiさん)

昔、久留米でこんな貝を食べました(デスク)
<写真を拡大>

昔、久留米でこんな貝を食べました(デスク)

 鎮台貝って何?

 調べてみたらアゲマキガイのことであった。マテガイとも言う。子どものころ有明海のアゲマキガイがよく食卓に上った。いま有明産は絶滅寸前とか。

 倉敷の祭り寿司にはあれが入るのか。美味いに違いない。

 もうひとつ。岡山県における「凶事の赤飯」について。

「慶事、凶事の赤飯について。会津では慶事・凶事とも赤飯をお客様に出します。ただ、凶事の場合は赤みを抑えた赤飯にします」(三代前から会津人さん)

山形・河北の冷たい肉中華
<写真を拡大>

山形・河北の冷たい肉中華

 会津にも古い形の食の習俗が残っていた。

 長岡の醤油赤飯は中間色。慶事、凶事の両方に使えそうな色合いである。

 今週末の3連休を利用して山形県実食編の旅に出る。ところが新幹線は満席、ホテルは満室で、デスクが必死にスケジュールを調整中である。

 どうも温泉地にしか取れる宿がないらしい。温泉? いいぞいいぞ。

石巻で開かれるイベントの情報もお伝えします
<写真を拡大>

石巻で開かれるイベントの情報もお伝えします

 で次回から宮城県編に突入と考えていたところ、カレンダーを見たら私は社業で東京にいられないではないか。原稿を書く時間も校正の時間もない。

 ということで来週は特別編をお送りする。宮城県の被災地リポートである。

 2週にわたって準備体操をすることになるが、震災から1年半たった宮城の姿をじっくりお伝えしたい。そのためにも現地からの声をたくさん送っていただければと思っている。

 ご関係の皆さん、どうぞよろしく。

(特別編集委員 野瀬泰申)



宮城県編(準備体操編2) 石巻から東北を元気に

宮城県編(その1) 法事が済んだら、朝からモナカ

宮城県編(その2) 夏が来ーれば思い出ずんだ

宮城県編(その3) 青ばた、青豆、ひたし豆

宮城県編(その4) 「ママも喜ぶ パパ好み」(商品名)

宮城実食編 そぼろがのったメロンパン


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2012年9月14日

【PR】

【PR】

【PR】

大人のレストランガイド

大人のレストランガイド

NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

ぐるなびWoman

ぐるなびWOMAN

女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

ぐるなびWedding

貸切パーティコレクション

企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

結納・顔合わせ

特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

このサイトについて

日本経済新聞社について