番外編 ありがとうふちくわ、鳥取〜近畿・中国・四国B−1グランプリ(デスク)


今治焼豚玉子飯、黄身をつぶすカイカン
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今治焼豚玉子飯、黄身をつぶすカイカン

「ひさしぶりにまちがにぎわいました。こんなに大勢の人が集まることはまずないですからね。」

 帰り際に乗ったタクシーの運転手さんの言葉です。

 6月9・10日の2日間にわたり、鳥取市で「2012近畿・中国・四国B−1グランプリin鳥取」が開催されました。日本でいちばん人口が少ない鳥取県の県庁所在地に集まったのは2日間で11万7000人(主催者発表)。初日は雨、2日目も開幕時に小雨が降るなど決して天候に恵まれたとは言いがたい状況でしたが、それでも最後はおひさまが顔を見せ、10万人を超える来場者でにぎわいました。

カキがたっぷり入った日生カキオコ
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カキがたっぷり入った日生カキオコ

 会場となったのは鳥取城跡にある久松(きゅうしょう)公園とその周辺です。鳥取県立鳥取西高校と鳥取市立久松小学校の校庭も会場として使われました。こうしたイベントに公立校の施設が使われるのはあまり聞いたことがありません。

 大会期間中は、竹内功鳥取市長はじめ実行委員会関係者がご当地グルメ・とうふちくわでまちおこしに取り組む市民団体・鳥取とうふちくわ総研の決めぜりふ「こんにちくわ!」「ありがとうふちくわ!」を連呼。市民と行政が一体となったまちおこしの取り組みであることをうかがわせました。

鳥取のまちはオレンジ一色に
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鳥取のまちはオレンジ一色に

 駅前から鳥取城跡に向かってまっすぐにメインストリートが延びるまちのつくりは、古い城下町によく見られるものです。そのまっすぐな道にすらりと並ぶオレンジ色の大会の幟。その幟は会場を通り過ぎ、山城らしく後方にそびえる山の中腹にまで延びていました。

 地元商店街にもその意気込みは感じられました。

 メインスリートである若桜街道の商店街には「100円商店街」の幟も立てられました。商店街のお店がそれぞれ100円で買える商品を用意、店頭のワゴンなどに並べて、会場に向かう、そして駅へと帰る来場者にアピールするのです。

100円でも写ります
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100円でも写ります

 チェーン店やコンビニが少ない昔ながらの商店街は、おそらく個人商店がほとんどでしょう。専用商品を用意するのではなく、普段の取扱商品をいくつか組み合わせて「100円セット」を作るなど工夫の跡が見られました。採算が厳しいのか「おひとりさま1セット限定」という張り紙もいくつか見られました。

 カメラ店では古いフィルムカメラを店先の箱にいっぱい詰め込んで「どれでも100円」で売っていました。何を100円で売ろうか、いろいろ考えたんでしょうね。手作り感満載の、でもとても気持ちのこもった「100円商店街」でした。

 そんな手作り感こそが大型ショッピングセンターにはない「らしさ」のようにも感じられました。木造の古い金物屋で思わずレトロな弁当箱を買ってしまった僕です。

とうふるーと奏者・イワミノフ・アナミール・アゾースキーさんが奏でるのはほるー(も)ん=牛の大動脈のホルン
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とうふるーと奏者・イワミノフ・アナミール・アゾースキーさんが奏でるのはほるー(も)ん=牛の大動脈のホルン

 飛行機に乗って鳥取まで来て、なんでアルミの弁当箱を買って帰るんだろう…。そんなことにさえ考えが至らなかったほど、購買の衝動に駆られました。

 他の地方都市同様、郊外の大型ショッピングセンターに押され、鳥取の商店街はかつてのにぎわいを失いつつあるそうです。そんな商店街に買い物客があふれ、まち全体に活気を呼び戻すことこそが「2012近畿・中国・四国B−1グランプリin鳥取」の目的なのです。

 そんなまちおこしへの想いは、鳥取だけでなく今回出展した全16団体のまち共通の想いです。

出展料理全16品
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出展料理全16品

 出展したのは(団体名をクリックすると料理の写真が見られます)、投票対象外の地元・鳥取とうふちくわ総研、過去のゴールドグランプリ受賞でB−1グランプリ殿堂入りの富士宮やきそば学会(静岡県富士宮市)ひるぜん焼そば好いとん会(岡山県真庭市)特別ゲストの浪江焼麺太国(福島県浪江町)、そして投票対象となる近畿・中国・四国からの伏見稲荷寿司ひろめ隊(京都市)姫路おでん普及委員会(兵庫県姫路市)高砂にくてん喰わん会(兵庫県高砂市)あかし玉子焼ひろめ隊(兵庫県明石市)うまいでぇ!加古川かつめしの会(兵庫県加古川市)津山ホルモンうどん研究会(岡山県津山市)日生カキオコまちづくりの会(岡山県備前市)備後府中焼きを広める会(広島県府中市)呉細うどんカレーじゃ研(広島県呉市)出雲ぜんざい学会(島根県出雲市)今治焼豚玉子飯世界普及員会(愛媛県今治市)須崎名物「鍋焼きラーメン」プロジェクトX(高知県須崎市)

うどんより太い? なみえ焼そば
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うどんより太い? なみえ焼そば

 ひとつのまちではできない規模のイベントも、多くのまちが集まれば開催できる。そこに人が集まり、まちの魅力に触れ、ファンになってもらい、また来たいと思う気持ちを抱いてもらえる。同じまちづくりへの想いを持つ同士だからこそ、手を携えて協力しあえる…。

 おこすべきまちに帰れない現状でまちおこしを続けている浪江焼麺太国のブースにそれは現れていました。

 遠く東北の、しかもそれぞれの避難先からの出展は、どうしても人手が限られてしまう。それを、近畿・中国・四国の地元各団体がメンバーを派遣して手伝っているのです。

ぱんぱんに膨らんだ牛の丸腸
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ぱんぱんに膨らんだ牛の丸腸

「2012近畿・中国・四国B−1グランプリin鳥取」の隣では「とっとりご当地グルメフェスタ」も開催されました。鳥取県内各地のご当地グルメ20品(クリックすると料理の写真が見られます)が一堂に会し、その美味しさをアピールするものです。

 その中でもっとも気になったのが「ホルソバ」。ホルモン入りやきそばです。

 いま鳥取で注目度急上昇中のご当地グルメです。「とっとりご当地グルメフェスタ」でも2団体がホルソバを出展していました。

たれの焦げる香りが食欲をそそる
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たれの焦げる香りが食欲をそそる

 B−1グランプリでは津山のホルモンうどんが人気ですが、津山の焼きうどんに対し鳥取はやきそば。また津山が牛のミックスホルモンを使うのに対し、鳥取は牛の丸腸、小腸を割かずにブツ切りにしたものです。

 鉄板で丸腸を炒めると、ぱんぱんに膨らんできます。中には脂がぎっしり。これにモヤシやキャベツなど野菜を入れ中華麺と一緒に焼いていきます。

 写真は太麺ですが店によってバリエーションがあり、味もソース、味噌などやはり店によってそれぞれ特徴があるとのこと。

カレーホルモンソバ
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カレーホルモンソバ

 食べ歩きにはぴったりじゃないですか!

 タレが鉄板で焼かれて立つ香りがたまりません。食欲のバロメーターが一気に急上昇します。

 今回は会場の2品の他に、夜、さらにお店でもう1軒、都合3軒、4品のホルソバを食べてきました。それぞれに特徴があり、それぞれの美味しさがあって、また食べに行きたいです。他のお店も食べてみたい。

 B−1でも人気の高いやきそばとホルモンの組み合わせですから、B−1が好きな人ならきっと好きになる味です。

あご刺し、トビウオのひれが目印
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あご刺し、トビウオのひれが目印

 そして魚介のおいしさ。鳥取とうふちくわ総研の植田英樹所長に連れて行ってもらったお寿司屋さんの刺身盛り合わせがでかいのなんのって。切り身ひときれひときれが異常なほどでかい。そして美味い。

 あご(トビウオ)を刺身で食べたのは初めてかもしれません。またそのあごがでかいんですよ。確かにこの大きさなら刺身で食べたくなるはずです。

 でかいといえば岩がき。食料品店に行くと、魚用の白い横長の食品トレーに1個でもういっぱい。値段は1パック1000円ほど。

鼻血モノ
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鼻血モノ

 ひと口では食べきれないか思うほどのゲンコツのようなカキが甘いのなんのって。食べながら思わす笑っちゃいました。しかも皿いっぱいに出てくるんです。鼻血が出そうなくらいカキを食べました。

 今回は食べ逃しましたが、サバも美味しそうでした。毎年、福井県小浜市まで浜焼きサバとへしこを食べに行くのですが、同じ調理法のサバが鳥取でも食べられることを知りました。

 東京・羽田空港から飛行機で1時間15分。空港から鳥取駅まではバスで20分。意外なほど近かったです。また行きたいと強く思わせる鳥取でした。

今治焼豚玉子飯世界普及員会、喜びの雄叫び
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今治焼豚玉子飯世界普及員会、喜びの雄叫び

 さて、箸による投票の結果です。

 もっとも多くの箸を集め、ゴールドグランプリを獲得したのは今治焼豚玉子飯世界普及員会でした。

 今治の焼豚玉子飯は地元中華料理店のまかない飯として誕生した、焼豚の上に半熟の目玉焼きをのせてたれをかけたとてもシンプルな丼飯です。そのシンプルさで多くの人に好まれる味、そして、強烈な個性と大地に響き渡るような大きな声で来場者をひきつける田中雅仁代表のキャラクターなど、団体のパフォーマンスも評価されたようです。

来年は岡山県津山市で
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来年は岡山県津山市で

 シルバーグランプリ(2位)は日生カキオコまちづくりの会、カキにこだわり「いちばん美味しいカキオコを食べてほしい」とオフシーズンには提供を控えるほどのこだわりが美味しさと人気につながったのでしょう。ブロンズグランプリ(3位)はあかし玉子焼ひろめ隊、4位は津山ホルモンうどん研究会、5位は出雲ぜんざい学会でした。

 そして来年の「近畿・中国・四国B−1グランプリ」は岡山県津山市で開催されることが発表されました。同じ想いを持つまち同士だからこそ手を携えて協力し合おう、そしてまちに活気を取り戻そうという取り組みは、来年、津山へと引き継がれます。

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