おかわり いつでも、どこでも…帯広の人はカレー好き?〜デスク版実食編(下)



旭川スタルヒン球場にも行ってみました
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旭川スタルヒン球場にも行ってみました

 煮込みジンギスカン三昧の翌朝、その日は市内でイベントに出展するという第746なよろ煮込みジンギス艦隊の皆さんと名残を惜しみつつ、名寄駅から旭川へと出発しました。

 旭川は札幌に次ぐ北海道第2の都市です。しかし旭川はあくまで「通過点」。僕は実食編の最終目的地を、初めから帯広に据えていました。帯広には本編に登場しなかった魅惑のご当地グルメがある、と本編の際にお世話になった北海道庁の方から聞いていたからです。

 とはいえ、帯広行くためには旭川での乗り換えが必要です。短い乗り換え待ちの間ながら、旭川も駆け足でめぐることにしました。

旭川しょうゆホルメン
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旭川しょうゆホルメン

 旭川と言えばまず旭川ラーメンですね。それと最近では塩ホルモン。ただし、塩ホルモンはほぼ夜のメニューですから、明るいうちにはなかなかお目にかかれません。そこで奥の手を出しました。

 旭川しょうゆホルメン。

 しょうゆラーメンとホルモン焼きという旭川の2つのご当地グルメを大胆にもくっつけちゃった創作ラーメンです。食べB的にはちょっと無理があるかなと思いつつ、朝メシ代わりなので許して、と心で叫びながらハーフサイズに箸を伸ばしました。

5・7小路ふらりーと 旭川にはこの手の路地が多い
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5・7小路ふらりーと 旭川にはこの手の路地が多い

 あれっ? うまいじゃん! ラーメンのスープはしっかり味わい深く。ホルモン焼きも、硬すぎずちょうどいい歯ごたえで、味つけもいい塩梅でした。次にお邪魔するときには、きちんと旭川ラーメンと塩ホルモンも食べてみたいです。

 時間の関係で、旭川で唯一のターゲットになったのは新子焼きです。新子といっても寿司屋で食べるコハダの初物じゃありませんよ。戦後の旭川で誕生した若鶏の半身焼きのこと。

 室蘭焼き鳥、美唄の焼き鳥、小樽の鶏の半身揚げなどは登場しましたが、本編では登場しませんでしたよね。

新子焼きの「半々」本来は合体して一人前
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新子焼きの「半々」本来は合体して一人前

 国内でブロイラーの生産が広がるのは昭和40年ごろからで、それまで鶏肉はごちそうでした。鶏肉の半身をダイナミックに焼いたこの新子焼きは、ある意味で旭川復興のシンボルだったのかもしれません。

 特に半身丸々というそのボリューム感は、旭川の人たちの目にもアピールしたことでしょう。

 旭川は、小さな飲み屋が軒を連ねる魅力的な路地がとても多い。その中でも特に古い歴史を持つという5・7小路ふらりーとにある「ぎんねこ」というお店を訪ねました。単に昼の1時から店が開いているというだけの理由による選択でしたが、実はかなりの名店でした。

新子焼き 塩味
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新子焼き 塩味

 タレと塩があり「どちらがおすすめですか」と質問すると「では半々にしましょう」ととても親切です。

 待つこと焼く、もとい約30分。新子焼きはやってきました。半身をさらに半分にして、4分の1身ずつ、たれと塩で出てきました。

 元々はかぶりついて食べるものだそうですが、食べにくいので、最近は食べる直前に小さく切って出すようにしているそうです。かぶりつくと、肉汁がしたたり落ちます。手がべたべた。洋服を汚さないように食べるのは至難の業です。

新子焼き たれ
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新子焼き たれ

 肉汁の味を楽しむには、塩の方がいいなかな。

 ちょっと焼くのに時間がかかりますが、待つだけの価値はある味でした。

 さぁ、新子焼きを食べたら、一路帯広を目指します。

 あまりにも遠いので、いったん富良野で途中下車して休息しようかと思ったのですが、その時間すらもったいないと思えるほど、帯広には食べたいもの、行ってみたいところがある。

帯広の平和園
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帯広の平和園

 昼過ぎに旭川を発って、帯広に着いたのは夜も更けてからでした。まず向かったのは焼肉の平和園本店。チェーン店なのですが、十勝一帯ではジンギスカンでは名の知れた名店だそうです。名寄でお世話になった水間さんも「帯広なら平和園」と太鼓判を押してくれました。

 なよろ煮込みジンギスカンとは対照的に、平和園のジンギスカンはロースターで焼きます。札幌などの中央部が盛り上がったジンギスカン鍋でもありません。ごく普通の焼き肉屋にあるあのロースターです。

特上ジンギスカン
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特上ジンギスカン

 野菜も別注文。タンから始まってレバーでしょ、ロースでしょ、カルビでしょ…とごく普通の焼き肉屋のノリで、その選択肢のひとつにジンギスカンがある、というイメージです。一方で、メニューにはジンギスカン定食があり、店の壁には「ジンギスカンのおいしい食べ方」が。看板メニューであることは間違いありません。

 注文を受けてから、ブロック肉を1枚1枚手作業で切り、たれを揉み込むのが同店の流儀だそうです。

 僕は、特上のジンギスカンと牛のサガリ(ハラミ)を頼みました。野菜がないと良くないのでキムチ盛り合わせも。でも、ひとりで焼肉ってあれこれ頼めませんし、ちょっとさびしいですね。

牛のサガリ
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牛のサガリ

 味を確かめるために、1枚1枚ていねいに焼いていきます。やはり臭みは皆無。そして柔らかい。さすがは有名店だけあって、サガリもおいしい。

 ただ、野菜もたっぷりと食べられるなよろ煮込みジンギスカンとこの特上肉を1枚ずつ焼くジンギスカンでは「土俵が違う」なぁ、と思いました。1人前510円と実はそんなに高くはありませんが、平和園のはハレの日のジンギスカン。一方、名寄のは日常のジンギスカン。

 お店で食べるおいしさと家庭で食べるおいしさとは、やはり別ものじゃないかという気がしました。

中華ちらし
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中華ちらし

 ここで、白ご飯、あるいはカルビクッパでごちそうさまという手もあったのですが、せっかくの実食編です。できるだけシメも、帯広でしか食べられないものにしたい。

 そう思い、繁華街の中にあるおしゃれな中華料理店へと移動しました。

 食べたのは、中華ちらし。何だ、野瀬も小樽で食べたじゃない…。

 タマネギやモヤシなどの野菜に海産物、さらには豚肉も入れて炒めて、いり卵を加え、白いご飯にのせたどんぶり飯です。帯広では、ごく当たり前の中華メニューなのだとか。たしかに、見た目も味も、奇をてらうことのないごく当たり前の中華料理です。

ワイン城を見学
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ワイン城を見学

 東京の中華料理屋で定番メニューだったら、ちょくちょく食べる味なんだろうと思います。好きな味です。ただ、前の日に食べたなよろ煮込みジンギスカンのインパクトがあまりにも大きすぎたせいでしょう。比較対象で「普通においしい中華料理」になってしまったのが、ちょっと残念でした。

 翌朝は早起きして池田町に向かいます。池田町はワインのまち。十勝ワインの生産地です。

 池田駅そばにあるワイン城では、ワイン貯蔵庫などの見学ができます。もちろん、その場でご当地産のワインを買うこともできます。試飲もできます。

幸福駅
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幸福駅

 池田町と言えば、ワインと並んでバナナ饅頭も有名ですよね。もちろん買って来ましたよ。

 そうそう、観光もしなくちゃ。

 帯広と言えば「愛の国から幸福へ」。かつて大ブームになった旧国鉄広尾線の幸福駅、愛国駅が観光スポットとして今も残っています。特に幸福駅は、お土産品店が軒を連ねていて、すっかり観光地のおもむきです。

 さびしい50過ぎの独身男ですから、僕もお守り代わりに「幸福→愛国」の切符を買って帰ってきました。

インデアンカレー東3条店
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インデアンカレー東3条店

 愛国駅には蒸気機関車も保存されていたのですが、冬季と言うことでブルーシートがかけられ、トイレも凍結対策でしょうか施錠されていて、幸福駅に比べてちょっと寂しい雰囲気でした

 さて、いよいよ事前取材で帯広最大のターゲットと想定した、インデアンカレーに向かいます。

 カレー一杯399円。まちなかのあちこちに出店するチェーンのカレーショップです。一見ありきたりのファストフードカレー店ですが、実はインデアンカレー、帯広の人々にはなくてはならない店、味なのです。

激辛カツカレー
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激辛カツカレー

「インデアンカレー 帯広」をグーグルで検索してみてください。検索結果には「各種大会、イベント、会合等には鍋ごとお届。カレーショップインデアン」と出てくるはずです。

 そう、このカレーショップ、お店で食べるだけでなく、自宅でも、さらには運動会や学園祭でも食べられている、帯広人になくてはならないカレーなのです。

 教えていただいたのは、東3条店。昼12時ちょっと前の時間帯でしたが、お店の前にはすでに行列ができていました。

インデアンカレーの薬味セット
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インデアンカレーの薬味セット

 ほどなく席に着き、これまたおすすめと聞いていたカツカレーを頼みます。

 辛さはどうされますか?

 そう聞かれたら、「いちばん辛いので」と答えざるをえないじゃないですか。自動的に「激辛」になりました。

 カレーが出てくるまでの間、ざっと店内を見渡したのですが、狭い店内には古い映画スターのポスターがびっしり。その合間に「ルーお持ち帰りの方へのお願い」が張り出されています。いわく「できるだけ容器を持ってきてほしい」。

ラー油発見!
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ラー油発見!

 ふと気づくと隣でカレーを食べている女性のテーブルには青いふたのついた密閉容器がのっているではありませんか。

 テーブルの上の薬味は、まっかな紅ショウガ、緑鮮やかなキュウリのミジン切り、そしてなぜかガリ。これが大きなポットに入ってならんでいます。

 待望のカツカレーの激辛が運ばれてきました。アルミの器がどこか懐かしい。カツも相応な大きな、厚みで、これで630円なら申し分ないです。激辛も思いの外、いい感じ。

 これなら辛みを足す必要がないなと思った瞬間、青い密閉容器の女性がおもむろにカレーに液体をかけまわすのが目に入りました。

 見覚えのある赤い液体。

レッツトライ!
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レッツトライ!

 そうです、ラー油です。ホットスパイスならともかくラー油ですか? カレーから視線を離し、壁のメニューに目をやるも、メニューに「餃子」の文字は見当たりません。カレーショップですからね。あたりまえです。

 ということはこれ、カレー用? カレー専用のラー油ということになります。

 郷に入っては郷に従え。

 僕もカレールーにラー油をかけ回しました。ラー油特有の香りが、ルーの香辛料と…。うーん、不思議な感覚です。

思わず持ち帰ってしまいました
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思わず持ち帰ってしまいました

 ええい、ここまできたらやるしかない! 迷った末に決意しました。

「容器持ってないんですけど、持ち帰り、いいですか?」

「ルーだけですか? 辛さは?」

 なぜか旅先で、容器代52円を支払って、カレーのルーをテイクアウトしてしまいました。飛行機で持って帰って来て、いま、自宅の冷凍庫で眠っています。

 メニューには「各種大会、イベント、会合等には鍋ごとお届けいたします」の文字もあり、大型注文ならば、容器も含めてお店が運んでくれるというわけです。

ばんえい競馬も
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ばんえい競馬も

 僕が食べ終える間にも、ひっきりなしにお客さんが出入りし、その場で食べるだけでなく、ルーやご飯付きのテイクアウトが次から次へと売れて行きます。

 中には「もういい」と行列を待ちきれずに帰っていく人さえいました。あの人、もしかして近くにある別のインデアンに行ったのかなぁ…。

 恐るべし、帯広のインデアンカレー。

 帰り際には、中心市街地にある六花亭本店へ。おみやげのマルセイバターサンドを買うためではありません。

六花亭本店のホットケーキ
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六花亭本店のホットケーキ

 六花亭本店のホットケーキは帯広の人にとっては「ハレの日の思い出のおやつ」なのだそうです。

 11月にリニューアルしたばかりというふわふわのホットケーキをほおばって、やっぱりおみやげはマルセイバターサンドになりました。

 ちなみに、六花亭本店の目と鼻の先が三方六(さんぽうろく)の柳月本店です。マルセイバターサンド三方六も北海道物産展などでは定番のお菓子です。帯広、有名店が目白押しです。

最後は豚丼
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最後は豚丼

 ばんえい競馬にも顔を出し、十勝の子供が愛してやまないという満寿屋の白スパサンドもほおばったのですが、さすがにもう書きすぎですね。読んでて疲れませんか?

 僕は食べてて疲れました。

 でも、飛行機に乗る直前には、空港で豚丼までかっ込んでしまいました。

 名寄も魅力的でしたが、帯広も凄い。北海道、まだまだ奥が深そうな気がします。

(デスク)
2013年12月20日

*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。


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