第7回 鳥取県(その1) 白バラ牛乳とサンライズ

鳥取県のカレールー購入額は全国トップクラス
<写真を拡大>

鳥取県のカレールー購入額は全国トップクラス

 2010年5月10日付の日本経済新聞社会面に「日本で最も男女平等が進んでいるのは鳥取県」という記事が載っていた。吉田浩東北大教授が開発した指標を使って調べたのだという。指標は(1)女性の労働参加率(2)男女の所得比(3)女性地方議員の割合――などだが、そこからどんな地域社会像が浮かんでくるだろうか。

 単純に言えば共働き比率が高くて男女の賃金格差が小さい。つまり女性が家庭に閉じこもることなく、様々な分野で元気に働いているということであろうか。


鳥取カレー研究所がつくった鳥取県の名産、梨、らっきょう、カニの旨味をいかしたカレールー(上段左)とそれを使ったせんべい(同右)。下段はミルフォードさん提供写真、鬼太郎のカレー
<写真を拡大>

鳥取カレー研究所がつくった鳥取県の名産、梨、らっきょう、カニの旨味をいかしたカレールー(上段左)とそれを使ったせんべい(同右)。下段はミルフォードさん提供写真、鬼太郎のカレー

 共働きと家庭の食で思い出すのが福井市である。総菜類の購入額、共働き比率がともに全国トップクラス。調理にあまり手間がかからない厚揚げ購入額もトップを独走している。

 鳥取において、その厚揚げに相当する役割を果たしているのが「カレー」ではないかと思う。鳥取のカレールー購入額の高さはつとに知られているし、カレーをつかったまちおこしも展開されている。

 地元の人にうかがったところでは「家でつくるカレーは甘口が多く、バーモントカレーの人気が根強い。外ではスパイシーなカレーを食べることが多い」のだそうである。

 つまり外で働いているお母さんが、幼い子どもやお年寄りのために甘口のカレーを手早くこしらえている姿が浮かぶのである。

 ならば鳥取のカレーは男女平等のシンボルということになる。ならんか。


鳥取カレーの幟(大阪の原さん提供)
<写真を拡大>

鳥取カレーの幟(大阪の原さん提供)

 さて本題に入ろう。鳥取県の食文化はいかなることになっておるか、である。

 ある方から「人口60万人を切った鳥取からのメール1通は他県の100通に相当します」というメールをいただいているが、私の手元には珠玉とも言うべきメールの数々が届いている。

アミー隊員 貴重なご投稿、本当にありがとうございます。

 それらを拝見していて鳥取の食の豊かさに驚嘆する。県をあげて「食のみやこ」をキャッチフレーズに県産品のPRに努める気持ちがよくわかる。海、山、里の食材、料理がてんこ盛りである。


 ではまずJR鳥取駅から旅を始めよう。


鳥取でちょっと変わったカレーに遭遇(大阪の原さん提供)
<写真を拡大>

鳥取でちょっと変わったカレーに遭遇(大阪の原さん提供)

MNo.(メールナンバー)1

 鳥取砂丘へ行ったときのこと。駅前を食べ物探ししながら歩いていると「鳥取カレー」の文字。見てみると鳥取のカレールー消費は日本1とか。そう言えば付け合せのラッキョウの産地だし、不思議じゃないな。
 と思ってカレーを食しました。写真はちょっと変わったカレーです。他にはどんなカレーがあるのかなあ? 遠征するか(大阪の原さん)


 このように他地域から鳥取に行くと「カレー」の氾濫に驚く事態になる


鳥取駅ホーム「砂丘そば」
<写真を拡大>

鳥取駅ホーム「砂丘そば」

MNo.2

 私の一押しは、何といってもJR鳥取駅構内にある「砂丘そば」であります。分類からすると駅の立ち食いそばなのですが(座って食べられます)、これが至極です。
 かつて私が高校時代、駅のホームから漂う砂丘そばのにおいがとても美味しそうで、当時金に乏しかった学生たちは、そのにおいに腹をすかせて家路についたものでした。
 特徴はトッピングのあご竹輪。これはトビウオの竹輪で、豆腐竹輪と並ぶ鳥取の名産です。1本300円ほどしますが、美味しいですよ。
 鳥取と言えば、駅弁の「かに寿司」が有名ですが、そのかに寿司の元祖「アベ鳥取堂」の経営する駅そばです。以前、麺類にうるさい知人が「鳥取駅で食べたソバがいまいちだった」とつぶやいたことがありました。かちんときた私は「完全な情報収集不足ですね。鳥取といえば砂丘そばでしょう」と、その知人を件の店に連れて行ったのでした。すると「うまい!」「やっぱり地元情報に精通する人に聞かんとあかんね」とのこと。
 アゴ竹輪だけが特徴ではありません。何といってもダシが秀逸です。麺類が大好きな私は、数々の駅そばを食べてきましたが、砂丘そばを凌駕するダシの駅そばはなかなかありません(たんぼりさん)


左が夢中になって撮った写真。右はミルフォードさん提供
<写真を拡大>

左が夢中になって撮った写真。右はミルフォードさん提供

 先日、鳥取に行ってきたアミー隊員が砂丘そばの外観写真を撮っていた。しかし残念ながら「食べる時間がなかった」そうである。

アミー隊員 「砂丘そば」、そんなに美味しいのですか。残念なことをしました。

 私も鳥取取材の折に食べ損なっている。このような写真を撮るのに夢中になっていたからである。

 鳥取は練り物大国。東部のとうふちくわ、中部の白ちくわ、全県のあごちくわである。このほかにも物件多数。

 「くずし」についてのメールと写真などをいただけるとうれしい。

 鳥取砂丘のレストランに入ったら懐かしい「星座占い」手動販売機が現役であった。いまもあるのかなあ。

アミー隊員 「星座占い」手動販売機の写真は下に。


「白バラコーヒー」は絶品(いけずな京女さん提供)
<写真を拡大>

「白バラコーヒー」は絶品(いけずな京女さん提供)

MNo.3

  私が愛してやまないのは、鳥取が誇るジ(地)・牛乳。その名も「白バラ牛乳」でございます。鳥取の酪農家による、鳥取の牛だけから搾った、鳥取の気候風土から生まれた鳥取の牛乳。もちろん鳥取の皆様はこの牛乳を飲んで大きくなったわけですね。
 「白バラ牛乳」がどれほど地元で愛されているかというと、全国チェーンのスーパーが初めて鳥取に出店した際、「白バラ牛乳」は価格が高い、特売できないからと取引せず、大手乳業メーカーの製品だけしか売り場に置かなかったところ、たちまちお客さんから抗議が殺到し、翌日には白バラ製品が大手メーカー製品を押しのけて一番広い売り場を確保することになったそうなんです。
 八戸でおつゆせんべい売らないとか、富士宮で蒸し麺を売り場に置かない、と一緒ですよねそうですよね?
 京都では白バラ牛乳が生協で買えますので、私は会社の冷蔵庫に欠かしたことがございません。また一部製品は全国のコンビニでも扱ってございます。特に写真の「白バラコーヒー」は絶品なんですよん。鳥取に来たら白バラ牛乳!もね。ただし、とうふちくわとはあまり合いません、念のため(いけずな京女さん)


鳥取市役所の自動販売機も白バラ牛乳(旧バージョン)
<写真を拡大>

鳥取市役所の自動販売機も白バラ牛乳(旧バージョン)

 鳥取市役所の自動販売機も白バラ牛乳であった。

このように地元に愛されているメーカーとか商品を知るのは実に楽しい。

 前回写真を掲載した市役所食堂のメニュー看板に「スラーメン」とあったのに気づかれた方も多かろう。素ラーメンのことである。


「素ラーメン」(上段)。気になるメニューの数々(ミルフォードさん提供)
<写真を拡大>

「素ラーメン」(上段)。気になるメニューの数々(ミルフォードさん提供)

MNo.4

 昨年の11月、久しぶりに鳥取に行ってきました。フリーな時間はあまりなかったのですが、市内の「武蔵屋食堂」で念願の「素ラーメン」を何とか食べることができました。
 メニューに「素うどん」「素そば」「素ラーメン」と並ぶ姿は、感激ものですね。
 この店、カツ丼も「トンカツ丼」と「カツ丼(牛肉)」があり、他にも興味深い丼物が目白押し。店の人によると、カツ丼はドミグラスソースがかかっているらしい。このあたりのカツ丼事情、どうなっているのでしょう(ミルフォードさん)


カツ丼(上)、チキン丼
<写真を拡大>

カツ丼(上)、チキン丼

 私が取材に行ったのもこの武蔵屋食堂であった。

 素ラーメンは先代が小遣いの少ない中学生のために考案したもので、うどん出しである。天かす、モヤシ、ネギ、かまぼこというトッピング。「甘けりゃごちそう」という土地柄なので、かなり甘い。

 カツ丼はケチャップをつかったトマトソース味で、しかも牛カツである。中国地方が頑強な牛肉地帯であることを改めて認識させる物件である。

 もうひとつ印象的だったのが「チキン丼」。チキンライスが丼に入って出てきた。箸で食べ、たくあんも随伴していた。


亀井堂のサンドイッチ
<写真を拡大>

亀井堂のサンドイッチ

MNo.5

 90年代半ば、仕事で鳥取におりました。当時は「ジゲ起こし(=地域起こし)」と言って、地元産品のPRをやっていました。
 で、よく耳にしたのが「亀井堂のサンドイッチ」。なんでも「おやつのぜいたく品」「子どものころの忘れられないアイテム」という話でした。どんな味か聞くと、一様に「ま、たいしたもんじゃないけぇ」と、妙に後ろ向きな答え。
 そうなると一層気になり、購入してみました。包装もシンプル、印刷されているロゴの字体も懐かしさ一杯のデザイン。
 中身もイチゴ(ストロベリーという雰囲気ではない)ジャムと、ピーナツバターというシンプルさです。学校給食のパンを思い出させる食感と、素朴な味が印象的でした。
 仕事場の近くにあった五臓円薬局ビルのような、時間の止まったような雰囲気を漂わせていました。
 大都市圏で人気のパンとは一線を画したサンドイッチとして、頑張っている感じでした。鳥取の街並みと同様、妙に時代に迎合して、今のスタイルを変えないように願うばかりです(もりちゃん)


 私も激しい興味を持って買ってみた。地元の友人から「病院の売店にも置いてあって、見舞いの品として買っていく人が多い」という話を聞いた。こういうのっていいなあ。

 このままパンの話を少しだけ。


アンデルセンの「サンライズ」
<写真を拡大>

アンデルセンの「サンライズ」

MNo.6

 その昔、ある移動通信会社のユーザー向け冊子で「好きなパンは?」というアンケートを募ったところ、中国エリアだけ「サンライズ」という答えが多く、スタッフ、通信会社の広報担当者さんと首をひねったことを思い出しました。
 北陸エリアからは「頭脳パン」って答えも多かったです。
 東京でもショッピングセンターなどにテナントとして入っている「アンデルセン」。ここはメロンパンを「サンライズ」という名前で売っています。
 このお店、出身が広島だから…つまり鳥取に限らず、中国地方での呼び名、という気がしますが、いかがでしょう(和田さん)


ラグビーボール形のメロンパン
<写真を拡大>

ラグビーボール形のメロンパン

 「サンライズ」については「食べ物 新日本奇行」のアーカイブに「メロンパンとサンライズ」というタイトルで本文と分布図があるのでご参照を。

 個人的には全国的にメロンパンと呼ばれているものは、もともとサンライズとして誕生したのではないかと思っている。そして本来のメロンパンは関西や中国地方の一部に残っているラグビーボールを半分に切ったような形で、中が白あんまたはカスタードクリームの「メロンパン」であったろう。

 それが全国に伝播する過程でサンライズとの混同が起こったのではないか。

 根拠はラグビーボール形メロンパンとサンライズの方が、全国形メロンパンより発祥が古そうだからである。


ラグビーボール形のメロンパンの中身はカスタードクリーム
<写真を拡大>

ラグビーボール形のメロンパンの中身はカスタードクリーム

MNo.7

 「サンライズ」は関東でも「アンデルセン」でおなじみのタカキベーカリーが製造販売している商品ですね。
 タカキベーカリーの商品は本社が広島市ゆえ鳥取県も含め中国地方では広くコンビニや小売店で販売されています。
 それと「法事パン」。これは鳥取県でも私の出身地である県西部の米子市周辺、それも平野部〜島根県出雲市にかけての地域(中海・宍道湖都市圏)ではごく当たり前です。
 ただし、米子市内でも山間部では法事パンの習慣はほとんどないです。
 幼いころはこれが自宅にあると近所や身内で法事があったんだなと気づいたものでした。そして、時が流れ母方の祖母が亡くなり、今度は自分がパン屋に法事パンを注文することに。中身はあんとクリームの2種類。
 蓮のデザインが描かれた包みに入っていて皮が薄くてあんかクリームがぎっしり詰まっているのが最大の特徴です。
 最近実家の父にいつごろから法事パンが広まったか聞いてみたところ、昭和30年代にはなく、葬式まんじゅうが一般的だったとか。それが昭和40年代前半に誰かが始めてあっという間に浸透したそうです。
 ちなみに昨年父方の祖母が亡くなったときはパンの代わりになぜか美輪明宏のイラスト入りのケーキが出ました(Hikkiさん)


「サンライズ」の中はクリームなし
<写真を拡大>

「サンライズ」の中はクリームなし

 中国地方は日本海側も含めてサンライズ地帯であることを裏付ける内容である。

 法事パンは島根県東部から鳥取県西部にかけての文化。米子や境港は島根県に隣接しているから、共通の文化が多いのではないか。

 それにしても美輪明宏のイラスト入りのケーキが法事に出るのはどうしてじゃろか。あの人はすでにして生き仏ですか。


 先ほど中国地方は頑強な牛肉地帯と書いた。肉がそうならこれもそう。


「ホルそば」のはずでしたが、麺が残り1個で特別にうどんとコラボ(アミー隊員)
<写真を拡大>

「ホルそば」のはずでしたが、麺が残り1個で特別にうどんとコラボ(アミー隊員)

MNo.8

 鳥取市ではホルモンうどんが食べられています。「まつや」というほるそばの店が有名らしいですが私は食べたことがありません。市内の焼肉屋で(米子でもあります)ぜひホルモン、特に「パイプ」という名のホルモンを食べてみてください。パイプを切った形で美味しいです。
 悪いパイプは焼いているうちに小さくなってしまいます。米子の鳥取銀行米子支店の近くにある「千寿」という小さな焼肉屋はお勧めです。私はこういうホルモンは山陰地方でしか見たことがありません(横尾さん)


 当たり前のように「ほるそば」という言葉が出てきたが、これこそホットな話題になりそうな物件である。

鳥取砂丘のレストランで現役だった「星座占い」手動販売機
<写真を拡大>

鳥取砂丘のレストランで現役だった「星座占い」手動販売機

 牛ホルモンと中華そばに味噌だれを絡めた焼きそば「ホルそば」は鳥取市を中心に昭和30年代から食べられている。牛ホルモンを使った岡山県津山市は同じく味噌だれが多いが「うどん」であり、兵庫県佐用町のも「うどん」であって、しかも「つけだれ」方式である。似ているが少し違う。

 ともかく中国地方は牛ホルモン地帯であることは間違いない。

 登場した「パイプ」という部位を食べたことはないけれど、牛の大動脈ではないか。久留米の「センポコ」、津山の「嫁泣かせ」と同じもののような気がする。


 牛ということであれば「牛骨ラーメン」であろう。これに少し触れたメールをいただいているが、本格的に論じる機会を持ちたいので今回は様子を見ることにする。


 個条書きのメールからピックアップしながら……。


倉吉名物「打吹公園だんご」
<写真を拡大>

倉吉名物「打吹公園だんご」

MNo.9

 数10年前までは、鳥取市の方でよもぎとあんこを使ったおやきやに行列ができるほどだったとか。これは80歳の和菓子屋店主に聞いた話。
 で、それを昨年から復活再生させようと商品開発をしたグループがついに今年の4月28日、鳥取県倉吉市にその名も「おやきやおやき」をオープンさせました。
 倉吉市のレトロな町並みの残る「赤瓦・白壁土蔵群地区」は年間50万人超の観光客が訪れる有数の観光スポット。そこの一角に「おやきやおやき」はあります。
 オープンしていきなりのこのGW、連日12〜13時には完売してしまうほどの人気で、中には怒り出す観光客もいたとか。うれしい悲鳴だったようです。
 さらに、店内には七輪があって時間のある人は自分でお好みに焼いて食べるというなんともスロウなスタイル。
 知らない人同士でも、おやきが焼けるまでの時間につい、会話をし始めてしまうとか。一種の体験型観光となっています(麻田さん)


 信州の「おやき」は基本的に小麦粉やそば粉でつくるが、鳥取県中部のそれは餅米やうるち米。具も信州では野沢菜やなど野菜・山菜が主流なのに対し、このメールを読む限り鳥取では「小豆あん」である。

 ともかく鳥取に「おやき」があったとは。


 小豆が出たので。


法事にはクリームパンとあんパン
<写真を拡大>

法事にはクリームパンとあんパン

MNo.10

 私は米子の出身ですが、ぜひ食べていただきたいものは米子の有名甘味処「みらく」の「かいてん焼き」です。地方によって大判焼きとも二重焼きとも言うみたいですが、ここのかいてん焼きは絶品です。
 小さな店なのに、みんなが立ち寄り持って帰ります。高校のころ、みらくを知らない友だちに「モグリか!」とのたまったこともあります、若かったですね。
 あと、我が家の法事もパンを配ります。なんなんでしょう、あの文化…我が家は名和の木村やのあんパンとクリームパンでした。
 ちなみに、米子とかあの辺はお正月はお雑煮ではありません。ぜんざいです。親戚の家へ行って出しに入っているお餅を見て驚愕したのを覚えています。
 それを大学生のとき話したら「正月の朝から胸ヤケするわ!」と言われました。でもやっぱり正月の朝はあんこのお汁なのです…(かえでさん)


鳥取県名物「ふろしきまんじゅう」(ミルフォードさん提供)
<写真を拡大>

鳥取県名物「ふろしきまんじゅう」(ミルフォードさん提供)

 「かいてん焼き」に「法事のあんパン」に「ぜんざい雑煮」と小豆3連発である。

 かいてん焼きは今川焼き、回転焼き、太鼓まんじゅう、大判焼きなど地方によって呼び名が違う。どんな名前であってもいまの私には無縁のものである。

 法事パンはおおむねあんパンとクリームパンであるらしい。

 ぜんざいが雑煮として出るのは島根、鳥取両県。ぜんざいは出雲の「神在もち」をルーツとし、神と共食したのが始まりという。

 小豆と餅を一緒に食べる文化は中国地方の日本海側から川伝いに山間部に入り、分水嶺を越えて瀬戸内海を渡って徳島のあんこ餅雑煮になったという学説を聞いたことがある。民俗学的には多分そういうことなのであろう。


スルメの糀漬け
<写真を拡大>

スルメの糀漬け

MNo.11

 ▽あごちくわ あごというのは飛魚のことで、鳥取では身を刺身に、卵を煮付けで食べます。このあごのすり身で作ったちくわです。色が黒めなので白いちくわに慣れた方は驚きますが、素朴な味わいです。
 ▽スルメの糀漬け 細長い一口サイズにカットしたスルメを糀に漬け込んであります。以前は家庭でも普通に作っていたものです。硬いスルメがやわらかくなった上にイカのうまみと糀の甘みがマッチして美味です。ご飯のおかずにも酒のつまみにももってこいの一品です。
 ▽岩ガキ(夏ガキ) 普通カキは寒い季節の食べ物で”R”の付かない月には食さないことになっているようですが、この岩ガキは夏が旬です。
 文字通り海底の岩に張り付いていた天然の殻つきカキで、大きいものはこぶし大のものもあります。小さいものでもスーパーなどに売っている養殖ものの身の2倍の大きさがあります(鳥取出身のKさん)


とうふちくわ(上)とあごちくわ
<写真を拡大>

とうふちくわ(上)とあごちくわ

 Hikkiさんからのメールに「県西部・米子出身の私は上京して30過ぎまで、とうふちくわの存在を知りませんでした。全国ネットのテレビ番組で紹介されてから米子でもスーパーマーケットで本格的に取り扱われるようになったくらいです。米子を筆頭に鳥取県西部は島根県東部同様『あご野焼き』文化です。

 食とはそれますが米子の人はあまり鳥取市には関心がなく、むしろ島根県松江市との関わり合いが強いです。鉄道でも松江までは30分ほど。鳥取までの所要時間の3分の1程度ですから」とあった。法事パンの分布の背景がわかる。


 では「あごちくわ」と「あご野焼き」はどこがどう違うのであろうか。教えていただきたい。


アベ鳥取堂のカニ寿司
<写真を拡大>

アベ鳥取堂のカニ寿司

 「スルメの糀漬け」はイカの産地鳥取らしい逸品。とうふちくわと一緒に食べたら美味かった。

 昨夜、入った店に岩ガキがあった。1個500円。隠岐諸島産であった。あの辺りは夏のカキが名産。


 ここまでで、かなり鳥取の食の位相が明らかになってきたような気がする。サンライズに法事パン。牛肉文化の上にできたホルモン料理。あるいはラーメン。小豆好きということも判明してきた。

お申込みの受付は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。6月2日、愛Bリーグ主催でフォーラムを開催。場所は東京・大手町の日経ホール。詳細は(http://www.nikkeipr.co.jp/nikkeiB-1/)
<写真を拡大>

お申込みの受付は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。6月2日、愛Bリーグ主催でフォーラムを開催。場所は東京・大手町の日経ホール。詳細は(http://www.nikkeipr.co.jp/nikkeiB-1/)

 「ホルそば」と「牛骨ラーメン」についてはまとまったメールを期待している。

 今回、紹介できなかったメールは次回以降に。

 できれば写真を付けていただけるとありがたい。それとハンドルネームもお忘れなく。

 鳥取は美味そうだぜ。


 おおそうじゃった、あっちも更新された


(特別編集委員 野瀬泰申)




 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2010年5月14日


■鳥取県編
準備体操編 まずは、あのパンについて語ろう
その1 白バラ牛乳とサンライズ
その2 「牛骨ラーメン」参上!
その3 祝発足! ホルソバCC
最終回 中部の「コロッケ」の正体は?
実食編 スタートは山陰チャンポン一芸クンの食べB修行記動画で見る実食

【PR】

【PR】

【PR】

大人のレストランガイド

大人のレストランガイド

NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

ぐるなびWoman

ぐるなびWOMAN

女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

ぐるなびWedding

貸切パーティコレクション

企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

結納・顔合わせ

特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

このサイトについて

日本経済新聞社について