おかわり 特製「支倉焼」と宮城のおやつ大航海日誌



1日目

特製支倉焼を納めた立派な箱

特製支倉焼を納めた立派な箱

 1613年、伊達政宗の家臣である支倉(はせくら)常長は、欧州との通商交渉の命を受け日本を出発。実に7年もの歳月を費やして、イスパニア、ローマの地をめぐり日本に帰国しました。

 その偉業をモチーフに、和洋折衷の味わいで作り出された仙台銘菓が「支倉焼」です。宮城編第1回では団塊ジュニアさんから巨大な「特製支倉焼き」の情報が寄せられました福島のジャンボシュークリームにトライしたのであれば、これも食べてはどうか、という提案も一緒にです。はい、かしこまりました!

 特製は事前予約が必要とのことでしたので、出張に行く前に電話で依頼。仙台駅ビルのエスパル内で首尾よく「特製支倉焼」を入手しました。やはり投稿のあった「白松がモナカ」も購入。さらに、宮城県編で多数の情報を投稿いただいたapple-aさんからの追加情報に「季節限定の手作り飴『霜ばしら』がおすすめ」とありましたのでその入手も試みたのですが、これは売り切れ。そして市内の老舗の和菓子店にも足を運んだものの、月に2回しかない定休日だったりと、宮城のお菓子と出合う旅はいきなり波乱万丈の船出となったのであります。

ひょうたん揚げ
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ひょうたん揚げ

 買い物をしているうちに小腹がすいたので、アーケード街でかまぼこを使ったアメリカンドッグ「ひょうたん揚げ」をいただきます。宮城編で野瀬が「これを食べながら歩いている女子高生の一団を見た」と書いていましたが、この日も地元の高校生とおぼしきグループが買い求める場面に遭遇。なるほどこういう光景か、とニヤニヤしつつ眺めていたら、若者たちは逃げるように立ち去っていきました。

直径は約19cm

直径は約19cm

 夜、ホテルの部屋で「特製支倉焼」の箱をおもむろに開封。箱を開けると、クッキーのいい香りが広くはないビジネスホテルの部屋にたちこめました。表面には「支倉焼」の3文字が刻印されていますが、用途に応じて「寿」「祝」などもできるそうです。

 まず大きさを測ってみましょう。メジャーとナイフは実食編のマストアイテムです。直径はおおむね19cmといったところでしょうか。何かと比較してみよう、と標準サイズの支倉焼を上にのせてみます。

アンパンマンのような顔に

アンパンマンのような顔に

 大きさの違いも一目瞭然ですが、何となくアンパンマンの顔のようになりました。「支」と「倉」の字が目、「焼」が口。SKE48の松井玲奈はブログのタイトルに漢字やひらがなを入れた顔文字を使うことで知られていますが、その顔文字風に表現するなら「(支・ω・倉)」です。……食べ物で遊んではいけませんね。この標準サイズからおいしくいただきました。

 そもそも標準的な支倉焼が小さいのではないか、と疑念をお持ちの方のために、「白松がモナカ」(中型)と並べて撮影してみました。ご覧のとおり、ほぼ同じサイズ。もちろんこの白松がモナカもおいしくいただきました。

白松がモナカ中型(左)と普通の支倉焼

白松がモナカ中型(左)と普通の支倉焼

 支倉焼の外側はクッキー生地で洋菓子風、中にはクルミの風味をきかせた白あんが入っており和菓子風。甘すぎることもなく、これなら巨大な大きさでもいけそうです。

 とはいえ福島のジャンボシュークリームであえなくギブアップした甘い、いや苦い経験があります。今回はきちんと、計画的に食べ進めようではありませんか。

 最初に「支」「倉」「焼」の文字がきれいに分かれるようにナイフで3等分し、「倉」から食べ始めます。

中には白あんがたっぷり
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中には白あんがたっぷり

 ほどなく3分の1を食べ終えましたが、ここで相当な満腹感が。夕食もきちんといただき、白松がモナカ、支倉焼(標準サイズ)も食べてますので当然です。残りは明日にしましょう。

 そうだ行く先々で食べられるように、より細かく切っておこう。1ピースが角度にして120度あったものを半分に、さらにその半分の30度になるよう切り分け、フタをして就寝。

 

2日目

散らかさないよう、タオルの上で

散らかさないよう、タオルの上で

 翌日、仙台から石巻へと向かうバスの中で箱を開けると、まだ3分の2、240度残ってますから満員のバスの中においしそうな香りが……。

 野瀬と別行動になり、本編でご紹介したように石ノ森萬画館を訪れた自分は、その後駅前に移動してうろうろしていました。するとアバンギャルドな作風で知られる「風月堂のアイス」を発見。迷わず「茶色い焼きそばアイス」と「牛たんアイス」を購入します。

茶色い焼きそばアイス
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茶色い焼きそばアイス

 おそるおそる口に運んでみると、どちらもインパクトだけをねらったものではなく、ぎりぎりの線でスイーツの範疇に収まっているのが分かりました。

 「茶色い焼きそばアイス」はソース風味のシロップがかかっているのですが、焼きそばという単語を出さずに、中近東あたりで食べられている伝統的な菓子、とでも偽って食べさせれば「なんだかソースみたいな味だな」と思いながらもなんとか食べてくれそうなレベル。

牛たんアイス
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牛たんアイス

 牛たんアイスには、つぶつぶ状の牛たんが入っています。口に入れたときは、今まで味わったことのない不思議な食感だな、とのんきに構えていましたが、やがて口の中で牛肉の風味が暴れ出すのです。エンブレムに牛をあしらったイタリアのスーパーカー、ランボルギーニの豪快な走りを想像しました。

 このアイス実食、適当な場所がなかったので駅前広場のベンチで遂行しました。この日は比較的暖かかったとはいえ、2月ですからアイスを食べるには必ずしも適した気候とは言えません。脳内にアニメ版「サイボーグ009」のテーマソングが流れました。♪吹きすさぶ風が〜 よく……似合わないよ!葛藤しながら食べていると、駅前に据え付けられた003(フランソワーズ・アルヌール)の像がテレパシーを送ってきました。

フランソワーズ、君もどうだい?

フランソワーズ、君もどうだい?

 そうだ。支倉焼。ここで003との脳内デートを楽しみながら、おいしく1ピースいただきます。残り180度。

 野瀬と合流していったんホテルに入り、夕食前の軽い食事とばかりにもう1ピース。

 そして私も石巻茶色い焼きそばアカデミーの皆さんとの実りあるミーティングに参加させていただきました。

なんかいろいろ増えてる
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なんかいろいろ増えてる

 夕食後に部屋に戻ってさア食べよう、と箱を開けましたが、なんだか食べるべきものが増えている。萬楽堂のメロンパンと「ほやマドレーヌ」、やはりふれあい商店街で購入した、八橋のような食感の「ちゃきん」。そして野瀬がいただいてきた「醤油まころん」。これらをチェイサーのようにつまみながら、支倉焼を食べるのです。残り120度まで進んだところでこの日は終了。あとは明日のお楽しみです。

3日目

 朝、荷物をまとめてホテルをチェックアウト。支倉焼の残りは4ピース。これを新幹線の中で食べることに。そうだ、新幹線の停車駅で1ピースずつ食べよう。仙台、福島、郡山、大宮の4駅で食べれば、降りるときには空箱だけが残る計算です。何と計画性あふれる行動でしょう。ジャンボシュークリームにうなされていたころの自分とは一味違う。明日から二芸と改名しようかな。

牛たん弁当と支倉焼のフルコース

牛たん弁当と支倉焼のフルコース

 新幹線に乗車し、仙台駅で買ったお弁当と一緒に1ピース食べ、あとは停まるのを待つだけと悠然と構えます。

 しかし、なかなか福島に到着しません。

 あれっ。仙台と福島ってこんなに距離あったっけ。

 すると車内の電光掲示板に「現在 宇都宮駅を通過」と表示されています。

 

大宮駅に停車中

大宮駅に停車中

 そう、自分が乗ったのは「はやて」でした。仙台を出たら、次に停まるのは大宮駅。しまった計画が狂った、とあわてているうちに大宮に到着。

 とりあえず1ピース口に押し込んだものの、東京へ着くまでに残り全部を食べるのはいささか無理があります。

 やむを得ません。ここはいったん自宅まで持ち帰ることにしましょう。

口の中でほろりとくずれる手作り飴「霜ばしら」(と支倉焼)
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口の中でほろりとくずれる手作り飴「霜ばしら」(と支倉焼)

 帰宅してゆっくり風呂に入り、大河ドラマ「八重の桜」を見ながら1ピース。

 実は帰りにリベンジして、運よく入手できた「霜ばしら」を早く食べたかったのですが、支倉焼を食べきるまでは体内に余分な糖分を吸収させるわけにはいきません。ならぬことはならぬものです。

4日目

旅は終わった

旅は終わった

 そして翌朝、ニューヨーカーのおしゃれな朝食のように支倉焼をいただき、ようやく完食。長い年月をかけ、艱難辛苦を乗り越えて外交交渉に臨んだ支倉常長の偉業をほんの少し感じ取れた気がします。怒られそうですけど。

 この後、「霜ばしら」をじっくりと賞味したのですが、その話はまた次の機会に……。

野瀬 これって「大後悔日誌」?

(一芸)

2013年2月8日

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