第92回 山形県ご当地グルメ(その2) 麦茶に砂糖、トマトに砂糖

特別編集委員 野瀬泰申


味噌カツいなりも登場
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味噌カツいなりも登場

 6月1日は富士宮の市政施行70周年式典に行って(壇上ではなくて観客席)、翌2日は愛知県豊川市へ。

 豊川では来年秋にB−1グランプリの本大会が開かれるが、これを単なるイベントで終わらせず、東三河全体の地域おこしに広げるためのシンポジウムが開かれた。会場は約250人の男女で満員。みんな真剣な表情で、こちらが圧倒されそうであった。

 私は基調講演の後、パネルディスカッションにも参加した。

 地元メディアの記者がずらりと並んでメモを取っていたので記事になるのかなあと思って翌朝の新聞を見たら、かなり大きな記事になっていた。

天むすならぬ天いなり
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天むすならぬ天いなり

 その後の交流会では各種いなり寿司がずらりと並んだ。いなり寿司好きの私には大変なごちそうであった。3個も食べちゃった。

デスク涙目 おいなりさんは寿司じゃないんだってばあ。

 豊川で泊まったホテルは部屋は広いはきれいだわで申し分なし。おまけに広々露天風呂付きスパが併設されていて宿泊客は無料で入れた。朝ご飯も無料であった。

 前週に泊まったホテルがレジ袋入り朝食前日渡しという荒技だったのに比べると天国であった。

 ○ホテルと×ホテルの値段はほぼ同じ。あっちが高すぎるのか、こっちが安過ぎるのか。

いなりを天ぷらにしてみました
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いなりを天ぷらにしてみました

 豊川の○ホテルにはもう一度泊まりたい。久々の逆チャブ4であった。

 今週は「チャブ復活を求む」というのと「私がバイトをしている店のチャンポンは逆チャブ間違いなし。取材に来て」というメールをいただいている。

 大変うれしいのではあるが、あれは「ぐるなび」の連載で、しかも相当以前に終了している。復活は無理なのである。

 それよりチャブの店を探すというのは苦行なのである。あんな辛い企画はもういやなのである。体力的にも大変。残された短い人生は少しでも美味いものを食べで過ごしたい。

 では山形県編スタート。

 先週、デスクが都内にある山形県のアンテナショップをリポートしたが……。

だだ茶豆ごはんの素(ちりとてちんさん提供)
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だだ茶豆ごはんの素(ちりとてちんさん提供)

MNo.7

 GW前半は、江戸へ遊びに行きました。有楽町あたりって、アンテナショップがぎょうさんあるんですねぇ。
 その中で、山形のアンテナショップに入り「ミルクケーキ」と「だだちゃ豆ご飯の素」を買いました。
 ミルクケーキは「ケーキ」と名がつくので柔らかい物なのかなと思っていたら、想像していたよりも固く、口の中でロレロレしていたら、しっかり牛乳の味がしました。
 カルシウムたっぷりという感じでした。
「だだちゃ豆ご飯の素」を使ってご飯を炊きました。炊きあがってくると炊飯器からポップコーンを作っている時と似たような匂いが漂ってきました。
 盛り付けイメージとは、かなりかけ離れていますが、とても美味しゅうございました。それから近所のスーパーでこのような「麺大会(?)」コーナーが出来ていました。いずれも「○○風」と書かれています。
 けど、これをきっかけに現地に足を運ぶ人が増えると良いですね(ちりとてちんさん)

近所のスーパーの「麺大会」(ちりとてちんさん提供)
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近所のスーパーの「麺大会」(ちりとてちんさん提供)

 大阪府民のちりとてちんさんにとってミルクケーキもだだちゃ豆も珍しかったに違いない。大阪ではグリーンピースの炊き込みご飯「豆ご飯」あるいは「ピースご飯」は当たり前だが、枝豆の炊き込みご飯は初体験?

 スーパーの麺大会に並んでいるのは、いずれもB−1グランプリのロゴが入った愛Bリーグの公認商品。私もいくつか食べてみたが再現性は高い。

 これを買うと加盟団体に活動支援金が入る仕組みになっているので、そこんとこをよろしくお願いしたいのである。

 だだちゃ豆でもう1本。

毎年お取り寄せ(いけずな今日女さん提供)
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毎年お取り寄せ(いけずな今日女さん提供)

MNo.8

 毎年、必ず山形は鶴岡からお取り寄せする枝豆。
 丹波黒豆の枝豆が「枝豆の女王様」なら、こちらは「枝豆の王様」。それが「だだちゃ豆」です、と言い切ってしまう。
 だだちゃ豆は鶴岡周辺の限られた地域で江戸時代から農家が大切に守り生産されてきた枝豆の在来種。
 この豆をよそで栽培しても不思議と同じように育たず、だだちゃ豆の特性が消えてしまうそうです。
 時節柄、冷凍ものしか入手できず、普通の枝豆とあまり変わらないように見えますが、さやに生えているうぶ毛が茶色で、くびれが深いのが特徴です。
 ちなみに「だだちゃ」とは庄内地方のことばで「おやじ」「お父さん」の意味。その昔、庄内藩のお殿様が大変な枝豆好きで、毎日枝豆を持ち寄らせては「今日はどこのだだちゃの枝豆か?」と聞いていた事から、いつからか だだちゃ豆と呼ばれるようになったと言われています。

冷凍もあります(いけずな京女さん提供)
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冷凍もあります(いけずな京女さん提供)

 で、なんで私がだだちゃ豆を気に入ってるかといいますと、とにかく香ばしくて甘くてコクがあって美味しい!んですよいやホンマに。
 本音は人に教えたくないくらいなのですが、どうせほかの人が投稿するかもしれないので、だったら先に言っちゃおうと。
 え〜と皆さん、だだちゃ豆のことはこの場限りで忘れてください、私の注文する分がなくなると困るので(いけずな京女さん)

 新潟県編で見た枝豆文化。まだこの連載では取り上げていないがすでに有名な宮城の「ずんだ」文化。そして山形県のだだちゃ豆文化。東北は枝豆一色ではないか。

左がミズの漬物、手前はチョロギ(横手にて)
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左がミズの漬物、手前はチョロギ(横手にて)

MNo.9

 以前の勤務先が虎ノ門にあり、近所に山形プラザがあったので昼休みにちょくちょく行ってました。今は銀座に移転しちゃったし、俺も転勤したせいか、しばらくアンテナショップにはいっていない。
 さて、虎ノ門時代によく買っていたのが、「ミズの実の醤油漬け」です。
 独特の食感とネバネバがなぜか気にいってました。でもこの実、この草、東北地方では普通に食べられてるみたいです(後藤さん)

ミズの茎の塩ゆで
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ミズの茎の塩ゆで

 ミズ秋田県の横手で食べた。直売所で売っていた。

「食材図典III 地産食材篇」によると標準和名は「ウワバミソウ」。渓流沿いの湿地に群生する。若い茎は塩ゆでして、おひたしや和え物に。太い茎は皮をむいて用いる。根などはたたいてとろろにする。

 西日本の人間からするとどのように食べたらいいかわからないが、このように醤油漬けという手もある。

 私は漬物でいただいた。

つんたいにぐそば(POCO焼きまんじゅうさん提供)
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つんたいにぐそば(POCO焼きまんじゅうさん提供)

MNo.10

 亡くなった祖母が山形(最上町)出身でした。何度か訪れましたが、その際感動したのが「つんたいにぐそば(冷たい肉そば)」。
 なるほど内陸でかつお節が手に入りにくければ、地場の鶏だしに流れるのは不思議ではありません。でも、それを冷たくして食すのは画期的でもあります。
 もひとつ山形と言えば「くじらもち」。同名で青森にもあるらしいのですが、私にとっては山形ですね。数日たって固くなったのを、あぶって焦げ目が着いたほうがいい味かな。
 新庄駅前の「急行食堂」で食べた「とりもつラーメン」。昭和の醤油ラーメンに鶏もつの煮付けたものがトッピングされたものでしたが、あっさり&チョッとこってりで美味かったですよ!
「愛をとりもつ」で一時期キャンペーンしてたとか……どっかで聞いたな(Poco@焼きまんじゅうさん)

「くじらもち」。

「久慈良」「久持良」などの表記がある。

くじらもち(POCO焼きまんじゅうさん提供)
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くじらもち(POCO焼きまんじゅうさん提供)

 私は青森県の浅虫温泉で食べたが「久慈良」表記だった記憶がある。

 歴史は古いのだが、古すぎて名前の由来がはっきりしないらしい。少なくとも鯨の肉を使ったものではない。

 うるち米、もち米を蒸して様々な味つけをしたお菓子である。餅と書いてあっても煮てはいけない。

 新庄の「とりもつラーメン」は取材しようとして失敗した、私にとって因縁の食べ物。なぜ失敗したかについては書けない。

氷の入ったラーメン(大阪の原さん提供)
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氷の入ったラーメン(大阪の原さん提供)

MNo.11

 山形というと暑い…私が旅行した夏もとてつもなく暑かった。
 だから氷の入ったラーメンが有名ですが、この氷ラーメンというやつもいろいろありまして、思いっきり冷やそうとして氷を使ったものだから麺がくっついて「氷の表面に麺が生えた毛玉状態」になる難儀な店もあります。
 こんな店だと麺をつまむと氷がぶら下がってきます。
 麺を切ると最終的にはボルボックスみたいなのが残ります。
 写真のお店は快適に食べられました。単に冷やせば良い訳ではない。意外と奥が深いと感じております。

そんぴん、まんぎり…(原さん提供)
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そんぴん、まんぎり…(原さん提供)

 駅前のラーメン屋を見ると中国ラーメン、そんぴんラーメン、まんぎりラーメン……と謎の味が各種ある様子。全部は一度に食べきれず、次の機会にと思っていたら「山形特集」が先に来てしまいました。ラーメンフリークとしては制覇しなければならないターゲットと感じております。地元の方の情報求む!
 山間の県ということでソバも色々ある様子。
1)板そば
 板そばは入れ物がざるではなく「板の上」で、まるで生ウニみたいな扱いです。
2)色付きのソバ
 写真は紅花入りのピンク色のソバ。

紅花入りそば(大阪の原さん提供)
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紅花入りそば(大阪の原さん提供)

 何だかソーメンの色付きを見つけたような楽しさがあります。他にも緑色のソバが2種類あって一般的な茶ソバのほかウコギソバというのがありました。緑の方の写真は茶かウコギか忘れてしまいました〜〜。見分け方の情報求む〜!
 いずれも、多くの店がデフォルトで「漬物付き」というところがちょっと嬉しい。地域性でしょうか?
 添付率も知りたいです。漬物が付き物……失礼しました〜!
 町を歩くと風情のある建物が。味噌醤油のお店の様子。
 以上、米沢・山形パクパクの旅の一部でした(大阪の原さん)

東京の冷たい肉中華にも氷
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東京の冷たい肉中華にも氷

 山形の氷入り冷やしラーメン。河北町の冷たい肉そばもそうであるが、夏が暑い山形には冷たい麺類が似合っているのか。

 原さんの「失敗した冷やしラーメン」の描写は秀逸。 「氷の表面に麺が生えた毛玉状態」という表現が特に良い。

 最上地方を訪ねたとき、地元の人に連れていってもらったそばの店では、各種漬物が添付されていて、それだけで満腹になりそうであった。山形全県ではないだろうが、そばと漬物の中は相当にいい。

 山形県内陸部からの肉声。

MNo.12

スルメの天ぷら
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スルメの天ぷら

  スルメの皮を天ぷらや煮物のダシに使ったりして食べます。特に天ぷらはふわふわで僕の大好物。山形のスーパーには必ず置いてあります。会津若松の乾物屋で見かけましたが、会津と共通食?
 山形名物の「玉こんにゃく」はスルメのダシで煮付けます(企業秘密)。
 スルメ(の身)を少し戻して天ぷらにします。これも僕の好物。会津のようにミガキニシンの天ぷらもありますがスルメのほうが多い(山形中央部住人のカラハシさん)

大阪では居酒屋メニュー
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大阪では居酒屋メニュー

 スルメの天ぷらは福島県編に登場した。山間部ではスルメという保存性の高い海の幸は貴重であったろう。様々な利用法が確立されてきた。

 スルメの天ぷらは大阪の居酒屋でよく見かける「アテ」。初めてみたときは冗談かと思ったが、冗談ではなかった。

MNo.13

麦茶に砂糖
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麦茶に砂糖

 麦茶には砂糖を入れます。夏場の水分補給には自家製の麦茶なのですが、砂糖入りで甘い。家によって甘さが異なるという「カルピス」のような状態が存在するのです。カルピスは「カルピスウォーター」の発売によって、これが標準的な濃度なのかという結論が得られたわけですが、砂糖入り麦茶は販売されることはないと思われます。
 トマトにも砂糖をかけます。「冷やしトマト」を注文すると、なにかついてきますよね。塩ですか、マヨネーズですか。このあたりでは砂糖です。残念ながら、スイカには塩です(とくめえきぼんぬさん)

 出ました。砂糖入り麦茶。

トマトにも砂糖
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トマトにも砂糖

「食べ物 新日本奇行」の03年の地図の中に「麦茶に砂糖を入れますか」地図が収録されている。山形県は東北でも入れる割合は高く、上のメールを裏付けている。

 しかし冷やしトマトに砂糖というのはありそでなさそでウッフンではないだろうか。

 いまのようにトマトの糖度が高くなかった時代の名残とも考えられる。最近、スーパーで売っているトマトの中には果物売り場に置いた方がふさわしいような甘さのものがある。

 以上、スルメ関連、砂糖関連について記憶にとどめておくと、飲み会で話題に困ったときの助けになる。

 九州出身の私にとって東北は限りなく魅力的な存在である。樹が違う。山の形が違う。食べ物が違う。山形はこの先どんな姿を見せてくれるのだろうか。

 ではまた来週。山形県メールを待つ。


(特別編集委員 野瀬泰申)


★番外編は北の大地で躍動するSLと網走ちゃんぽん(デスク) です。ぜひお読みください。

実食編(上) 「すだまり氷」に青くなる

実食編(下) 何はなくとも皿にはサラミ

山形県編(その1) 「冷やし中華」「冷たい中華」の違いを述べよ

山形県編(その3) じんだん? 仁丹とちゃうの?

山形県編(その4) 酒田のワンタンに「くりびってんぎょう」


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2012年6月8日

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