第158回 広島県ご当地グルメ(その4) 辛ければいいのか? 君たちは

特別編集委員 野瀬泰申


 広島県のみならず、瀬戸内から東北まで広く分布する「天ぷら中華」の注目度が俄然高まった広島県編。あっという間に最終回を迎えました。今回は、第1回でその存在が確認された広島ラーメンの誕生秘話と、もうひとつの広島ラーメン・激辛のまっ赤なつけ麺も登場します。
 最後まで読み逃せない「広島ご当地グルメ」の数々。存分にご堪能ください。
 今週のおかわりは、第1回にデスクに課せられた広島ラーメン研究の中間報告です
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広島県編、いよいよ最終回(ミルフォードさん提供)
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広島県編、いよいよ最終回(ミルフォードさん提供)

 先週、木曜から土曜まで北海道実食の旅に出ていた。デスクはこの回がアップされたのを見届けてから、別コースで回ることになっている。

 週末ごとに出かけているので、いささか疲れ気味である。トシを感じる。

 それでも殊勝なことに、日曜日は朝からパソコンに向かい、実食編の原稿を書いたのである。気がつけば夕方。

 犬と一緒に独り暮らしをしている長女から「一緒に服を選んで」という、お父さんとしては心弾むメールが届いていたので、2階にGAPとかが入っているホームセンターで待ち合わせ。

「何でも買ってあげるよ」

散歩のとき、寒いの
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散歩のとき、寒いの

「いいの。自分で払うから」
「そうか。じゃあ……どこに行くの? 2階じゃないの?」
「こっちよ」

 長女についていくと、そこは犬の服売り場であった。

「散歩のとき、寒くて震えるから」
「犬の服だったのか」

 その後、他の家族構成員2人と合流して、ファミリー居酒屋で晩ご飯。

「牛もつ天ぷら」の文字を発見
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「牛もつ天ぷら」の文字を発見

 メニューを見ていて「牛もつ天ぷら」の文字を発見した。そばやうどんにトッピングしてある。広島市内のホルモン天ぷらが大きな話題になっている矢先にこのメニューである。

 広域展開しているファミリー居酒屋のメニューとしてはチャレンジングではないかという気もするが、ひょっとしてホルモン天ぷらがメジャーになる兆しであろうか。

 ということで広島県編も最終回を迎えた。大きな県だけに話題は豊富、かつディープである。

 広島県というより、広島市に限ってみると、統計的な特徴が顕著である。

カキは全国1位
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カキは全国1位

MNo.31

 いつものように家計調査の都道府県庁所在市ランキング(平成22〜24年平均)から、広島市の特長に迫ってみました。カッコ内は全国平均を100とした指数です。
【購入量が多いもの】
・カキ 金額(393)、重量(310)ともに見事に全国1位。さすがです。広島市民は、全国平均のおよそ3倍のカキを購入していることになります。
・小麦粉 金額(124)で4位、重量(127)だと3位。お好み焼きとの関連で、これも納得。
・ソース 金額(156)は全国1位、容量(150)でも3位。これも納得ですね。
・ハム 金額(123)で3位、重量(118)だと5位。ハム好きのようです。

チョコレート、デスクの島根出張のおみやげ
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チョコレート、デスクの島根出張のおみやげ

・レンコン 金額(167)、重量(198)ともに全国2位。広島の皆様、レンコン、よく食べますか?
 そしてびっくりしたのが、
・バナナ 金額(122)が全国1位、重量(115)でも6位。バナナ王国の香りが漂っています。
【購入量が少ないもの】
・プリン 金額(88)で下から5番目。
・チョコレート菓子 金額(85)で下から7番目。
・アイスクリーム・シャーベット 金額(91)で下から8番目。
 どうもスイーツ系の購入が相対的に少ないようにも思えます。ただ指数としては際立ったものではないのであくまでも仮説ですが。
・ギョウザ 金額(82)が下から6番目。ちなみに山口市も少ない(ミルフォードさん)

オタフクソース
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オタフクソース

 広島市民は甘い物をあまり口にせず、家でもカキやお好み焼きを食べるが、その際オタフクソースをどばどばかけているらしい。

 そしてレンコンをよく食べるから、おおむね見通しが明るい。

イワシの刺身(nozakiさん提供)
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イワシの刺身(nozakiさん提供)

MNo.32

 瀬戸内海はイワシがいっぱいです。今夏に香川県の伊吹島へ行ってきました。
 伊吹島は香川県の西の外れ、観音寺から船で30分ほどのところにある人口千人にも満たない小さな島ですが、別名「イリコの島」と呼ばれるくらい、特産のイリコ(煮干し)で有名な島です。
 伊吹島の周辺はイワシの好漁場で、漁はだいたい6月〜9月。一番小さい「ちりめん」から「大羽」と呼ばれる大きなものまで、大きさや取れる時期で味や用途を細かく峻別するほど、イリコやイワシは愛好され生活の中に浸透しています。
 私が広島を訪れたのは夏、ちょうどイワシの季節。市内の居酒屋で、カタクチイワシの刺し身と丼をいただきました。

夜泣き(nozakiさん提供)
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夜泣き(nozakiさん提供)

 カタクチイワシは足が速い上に、小さいので刺身として提供するのは手間だと思いますが、その甲斐は充分にある味わいでした。瀬戸内海沿岸の町ならではのご馳走だと思います。
 また同じ居酒屋で「夜泣き」という貝を教えてもらいました。調べてみると「ナガニシ」という貝で、広島以外では食べないとありました。
 独特の風味があり、たしかに上級者向けでしたが、広島の方が本当に好んで食べるものなのか、どうやって食べるのか知りたいところです(nozakiさん)

イワシ丼(nozakiさん提供)
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イワシ丼(nozakiさん提供)

 私はイリコ出しで育った。味噌汁にはイリコがそのまま入っていて、これでカルシウムを摂取していた。久留米の家はいまもイリコ出し一辺倒であり、東京からカツオや昆布などの粉末が入ったティーバック式の出しを送ったことがあるが、あまり歓迎されなかった。

 九州でもイリコを生産しているけれど、ひょっとして私の体をつくったイリコは瀬戸内産だったのかもしれない。

 後半部分の「ナガニシ」は手元の文献に出てこない。アカニシならば、夜店でサザエに化けているのを見たことがあるのだが。

 前回の「天ぷらラーメンはどこにある?」とのタイトルに対して、こんなメールが届いた。

イカ天ぷらラーメン
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イカ天ぷらラーメン

MNo.33

 新潟県村上市在住です。天ぷらラーメン、食べています。
 店名は「玉寿司食堂」。ですが、寿司屋ではありません。小学生のころから出入りしていますが、当時も寿司はメニューにありませんでした。
 人気は味噌ラーメンと鍋焼きうどん(当時)。漁師が顧客でしたから、とにかく塩辛い味噌ラーメンでしたが、うどんは普通に美味しかったのです。
 鍋焼きうどんに入るのは(エビ天だろ?という方もいらっしゃるでしょうが)イカ天。おそらく、ラーメンにイカ天を入れろというリクエストがあったのでしょう。現在でもトッピングとして人気です。
 天ぷらの衣を本体から剥がして食べると、背脂入りのラーメンみたいになります(浜焼きアナゴさん)

天ぷらラーメン、相当広い範囲に分布
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天ぷらラーメン、相当広い範囲に分布

 村上市でも天ぷらラーメンは人気。しかもイカ天である。

 これまでのメールで天ぷらラーメンは相当広い範囲に分布していることが判明したが、こういうことを知っておくと、旅の楽しみが増えるものである。

 HNの「浜焼きアナゴ」というので思い出した。新潟でアナゴと呼ばれるものの正体はヤツメウナギって本当ですか?

中華うどん(うどん男@広島さん提供)
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中華うどん(うどん男@広島さん提供)

MNo.34

 天ぷら中華もある尾道の名店「みやち」ですが、ここの「中華うどん」も良いですよ。中華そばの麺をうどんに代えたもので、中華麺に和風だしをかけた姫路の「えきそば」や高知の「中日」などの逆をいったメニューです。
 まるでお好み焼きのそば入りとうどん入りを選択できるように、中華そばの麺も選択できるようになっています。
 この中華うどんなぜか尾道に昔からあり、店舗数は少なくなりましたが、今でも出している店が5,6店舗あるようです。
 私は駅前の「しみず食堂」、商店街にある「みやち」、中華そばでも超有名な「つたふじ」で食べましたが前者2軒は和風に近いスープで、つたふじはコッテリしたラーメンスープです。

うどんとおはぎ(うどん男@広島さん提供)
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うどんとおはぎ(うどん男@広島さん提供)

 また広島市で昔から親しまれているうどん屋に「ちから」という店があります。広島市内や安芸郡・呉市などに多くの店舗を構えるチェーン店です。
 この店の特徴としてうどんと一緒に「和菓子」などの甘味が食べられることです。うどんの汁で食べる甘い和菓子なんとも言えません。
 また、ここのきつねうどんは2種あって通常のきつねうどんは「甘辛きつねうどん」と言い、関西でいう刻みきつねうどんを「あっさりきつねうどん」という名前で売っています。
 これは「ちから」のルーツが主に関西・中国に展開していた「力餅食堂」にあるからかもしれません(うどん男@広島さん)

あっさりきつねうどん(うどん男@広島)
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あっさりきつねうどん(うどん男@広島)

 うどん2題。どちらも視点が鋭い。目のつけ所が良い。ただ私に褒められてもたいしていいことはない。

 どうも、広島県の麺類は定型にとらわれず、融通無碍(ゆうずうむげ)。これも今回新たに認識できたことである。

「力餅食堂」は「食べ物 新日本奇行」で大衆食堂を取り上げた際に登場した。店頭で助六寿司や甘味を売っていることが多い。

 その流れを汲んだ「ちから」ではうどんと一緒に甘い物。これも融通無碍である。

 広島県は楽しい。

激辛広島風つけ麺(ぎずもさん提供)
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激辛広島風つけ麺(ぎずもさん提供)

MNo.35

 野瀬さんったら、広島編第1回から無茶をおっしゃる。デスクに「広島ラーメンについて至急研究せよ」だなんて。
 広島ラーメンを調べると、激辛広島風つけ麺も一緒に浮上するので、またまたデスクが危険な“緋色の研究”に走るじゃありませんか。
 取材拒否、写真撮影不可の元祖の店では「冷麺」とよばれる辛いつけ麺。黄色い中華麺を水でシャッキリとしめ、ゆでたキャベツや千切り野菜、チャーシューと盛り合わせるのが基本形です。
 その最大の特徴は、つけだれが真っかっかに染まっていること。あっさりスープに唐辛子パウダーを多量に溶かし込んでいます。

真っかっか(ぎずもさん提供)
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真っかっか(ぎずもさん提供)

 酢も使ってさっぱり味ですが、麺を浸せば一瞬にして血の池地獄の様相に。こういう食べ物に限って癖になるのです。私も結構好きな派で…。
 辛さ10倍、20倍とカスタマイズできる店もあり、思う存分カプサイシンを摂取することも可能です。そして麺を食べ終わった後、辛いつけだれを飲み干すことが通のお作法とされます。
 発祥は1955(昭和30)年ごろと言われますが、1980年代中期の激辛ブームに後押しされて広島市を中心に増殖した模様です。
 実食編取材の際は、デスクが「50倍」「100倍チャレンジ」などの“緋行”に走らぬことを祈ります(ぎずもさん)

辛さ20倍が基本?
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辛さ20倍が基本?

 このメールによってデスクの緋行は確定的になった。強烈な勧誘である。デスクに何かあったら、ぎずもさんのせいである。

デスク ぎずもさん、ご安心を。僕は野瀬から指令を受けたその直後に、すでに「緋行」に走っていました。その成果は今週のおかわり「広島ラーメン、研究してみました」にまとめました

 私はほぼ10年前、この店かどうか忘れたが、赤いつけ麺に挑戦した。もっとも辛くないおこちゃま仕様にしたのに、2すすりほどで生命の危険を察知した。

ミルフォードさんも食べた(ミルフォードさん提供)
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ミルフォードさんも食べた(ミルフォードさん提供)

 実は「ヤマノフドウ」さんからも、元祖の店の模様を詳しく説明したメールをいただいていた。「取材NGの店なので、記事にすることなく黙って行って」というコメントがあったため、沈黙していたのである。

 その広島県でまた辛いものが誕生したようである。

三次唐麺焼き(のんたにさん提供)
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三次唐麺焼き(のんたにさん提供)

MNo.36

「三次(みよし)唐麺焼き」は、三次市が本社で地域に根付く「毛利醸造」の一般販売されていないお好み焼き用「カープソース辛口」と、三次市の老舗製麺会社、江草製麺の「唐麺」を組み合わせた三次産の素材がメインの広島風お好み焼。
 三次市を元気に!地域を大切に!という想いから、平成24年の夏に地元の商工会議所青年部の広報委員会が発案し、平成24年9月に「三次唐麺焼きプロジェクト」がスタートしました。
 今年、広島お好み焼きのナンバー1を決める「広島てっぱんグランプリ」に初出場し、優勝を目指し奮闘しました。昨年開発されたばかりですが、辛いソースと辛い麺が評判になり、現在は市内約30店舗に広がる人気ぶり。
 今回の大会で優勝することで知名度を上げ,地元に人を呼び込むのを狙っていましたが、結果は準優勝。この取組はNHKのBSプレミアムで特集され、ますます注目が集まる、今最も熱い三次のグルメです(のんたにさん)

ホルモンの天ぷらにも(ミルフォードさん提供)
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ホルモンの天ぷらにも(ミルフォードさん提供)

 いわゆる「そば入り」のお好み焼きであるが、麺には唐辛子が練り込んであるという。加えて市販されていない辛口のソース。

 一体誰が食べるのだろうと、私は思うのだが、すでに30店舗に広がっているというから、広島県人はどこまで辛いものが好きなのであろうか。

 とうてい私が食べられるものではないので、つけ麺と同じく、意識の外に置いておこう。

デスク (そわそわしながら)…。

 デスク、もう浮足立ってるよ。落ち着いて。

キートンのカレー(中林20系さん提供)
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キートンのカレー(中林20系さん提供)

MNo.37

 広島といえば呉に海軍関係の歴史があったりして、海軍といえばカレーと肉じゃがだったりして、その関係なのかどうなのか判りませんが、呉市の中で も広(ひろ)に美味しいカレー店があるんです。
 有名な一軒は「キートン」。ここのそれはカレーソースを鉄の小鍋でグッツグツに沸かしてから、リング状に盛られたライスとともに供されます。
 でもって、そこから独立されたらしい「イーズイート」も面白いんですよ。ここは陶板焼きの如くバリバリに熱した皿にご飯を盛り、そこにカレーソー スを、と。当然のことながらカレーソースはボコボコと沸き立つんです。

イーズイートのカレー(中林20系さん提供)
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イーズイートのカレー(中林20系さん提供)

 なぜ、広にこのような個性的な店が複数?とも思いましたが、そもそも呉市の海軍の歴史から、カレーに関して昔から日常な土地柄なのかな?と思った ところで結末としました。
 どちらもエクストラ辛さはオンデマンドですので、辛いものチャレンジャーのデスクにハシゴをお薦めです。店のかたから「いやちょっとそこまで は…」と言われるところにチャレンジしてもらいたいですね。
 でもって、何故そこまでカレー熱がヒートアップしてる土地なのか?そこが分かれば言うことなしなのですが(中林20系さん)

 どちらもユニーク。熱さと辛さで火傷しませんか? 舌と胃を。

 さて、前回予告したように広島ラーメンのルーツを明かすメールに登場していただこう。

「うぐいす」のラーメン(ミルフォードさん提供)
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「うぐいす」のラーメン(ミルフォードさん提供)

MNo.38

 広島ラーメンの代表として必ず挙げられる店に「陽気」がありますが、この店の名は天理教の教えの根幹をなす「陽気ぐらし」から来ています。
 実はこの名が示すとおり、広島ラーメンはその草創期において、天理教の信者たちの地縁・血縁によって広まったという 意外な歴史があります。
 10年ちょっと前、私が関係者に直接話を聞いて調べたのですが「陽気」でいうと、最初に店を始めたのは鶴田さん。その後、客の一人だった原さんが、同じ天理教の仲間ということで作り方を教わり、ついには店そのものを譲ってもらうことになります。鶴田さんはのちに天理教の幹部として名古屋に移住したとのこと。

店名のルーツ(みんみん(♂)さん提供)
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店名のルーツ(みんみん(♂)さん提供)

 この鶴田さんがラーメンづくりを習った先生が沖さんという方で、いわば広島ラーメンの“開祖”とされています。
 彼の店は「しまい」といいますがこれは沖さんの姪のマサエさん、タツコさんの姉妹が看板娘として切り盛りしていたため。
 マサエさんと鶴田さんが結婚したことで鶴田さんが作り方を教わり「陽気」を開いたのです。
 そして妹のタツコさんは関上さんという男性と結婚して「すずめ」を開店。
 今も広島ラーメンの代表に挙げられる3店は、こういう歴史でつながっていました。
 タツコさんはいいます。

トラックの運転手が愛した久留米ラーメン
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トラックの運転手が愛した久留米ラーメン

「広島のラーメンは天理教関係と血縁で広まっていったんですよ」
 野瀬さんもご存じのとおり、久留米で発祥したとんこつラーメンはトラックの運転手たちの評判に乗るかのようにして国道沿いに広まっていった歴史があります。ですから、とんこつ醤油スープの広島ラーメンはある意味「とんこつ文化圏」の東の端にあり、隣の醤油ベースの尾道ラーメンと対峙してきました。
 しかしその一方で、信仰や血縁を通じて広がっていったという広島ラーメンのもうひとつの側面も、とても興味深いと思います(みんみん(♂)さん)

「うぐいす」(ミルフォードさん提供)
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「うぐいす」(ミルフォードさん提供)

 従業員にのれん分けしてとか、親戚に支店を任せてとか、客に請われて作り方を教えてとかという話はどこにでもある。

 しかしながら特定の宗教に集う人々のネットワークによって広がった広島ラーメンの伝播形態は非常に珍しいし、それこそ興味深い。

 広島市に行った折、「ユニークな名前のラーメン店が多いな」と思ったのだが、これで「陽気」「しまい」「すずめ」の謎が解けた。

 広島はとんこつ文化圏の東の端。これも貴重な指摘である。

「食べB」はどなたでも無料で読み放題だが、こんな貴重な情報がタダでいいのであろうか。いいのである。

 うどん男@広島さんから、例のメロンパンに関するメールと写真をいただいている。

 メールには

オギロパンのメロンパン(うどん男@広島さん提供)
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オギロパンのメロンパン(うどん男@広島さん提供)

 広島県編(その1)で登場した呉のメロンパンですが、他にも広島県内にそのような呼び方をするパン屋があります。広島市内にある河内(こうち)ベーカリーと三原のオギロパンです。
 他にも1926年創業のドーカン(広島市)なども楕円形のメロンパンを作っています。面白いことにこういう呼び方をするパン屋はどこも老舗ばかりでした。
 コッペパンという呼称に関しては山口県の周防大島のパン屋がこういう呼び方をすると山口のテレビ局が取材しHPに掲載していたのを見たことがあります。

オギロパンのコッペパン(うどん男@広島さん提供)
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オギロパンのコッペパン(うどん男@広島さん提供)

とある。

 ラグビーボール型のメロンパンは呉だけではなく、広島市内にもあった。現場に出向いて確認しよう。

 メールの内容もさることながら、添付された画像が極めて貴重である。ラグビーボール型のメロンパンやサンライズに「?」の方も、まあ見てください

 世の中にはこういうこともあるのである。

 これにて広島県編は終了するが、知らなかった食べ物がたくさん登場して実り多い内容になった。皆さんに感謝。

 では、次回は北海道実食編。年末の総集編を経て、佐賀県編は新年からのスタートになる。メールを待つ。

◇ ◇ ◇

カープ色のつけ麺?
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くらもちひろゆきさん

 東日本大震災から1年後、私は「被災地を行く 500キロの旅」を連載したその折、盛岡に寄って「架空の劇団」を主宰する、くらもちひろゆきさんの話を伺った

 同劇団が震災直後に公演した朗読劇「瓦礫と菓子パン〜リストランテ震災篇」は「あのとき」の被災地で人々は何を食べていたのか。手記や記事や記録から拾って1場の演劇空間に再現したものだ。

 私はDVDで見たのだが、悲劇の中にかすかな希望が見えるようで、心を揺さぶられた。その朗読劇が来年1月、相模原市で公演されることになった。

 以下は、くらもちさんからのメッセージである。

 岩手、盛岡の「架空の劇団」からのご案内です。
 このたび架空の劇団では、番外公演といたしまして「瓦礫と菓子パン〜リストランテ震災篇」を相模原メイプルホールで上演することとなりました。
 この作品は、震災の年、横浜相鉄本多劇場で開催された、PAW2011「東北復興week」で上演された朗読劇です。
 震災直後、被災地でどんなものを食べていたのか? 何が一番美味しかったのか? を取材し、新聞記事や現地にいた人の手記、手紙などを折り込んで 構成しました。
 取材を進めるうちに、意外な事実が出てきました。それは、決してマスコミやメディアには載らない、しかしながら「なるほど」と納得が行くもので した。
 また舞台美術には、取材の過程で知り合い、当時岩手県沿岸の山田町在住だった藍染作家、永守勝子さんの作品を飾ります。この藍染作品は、永守 さんが自宅から避難する際「念のために」と2階に上げておいたため、津波で潮をかぶりながらも流出を免れたものです。
 同ビルにある「ギャラリー游」では工房彩苑 永守勝子「藍染創作展」古布リメイク作品展を同時開催しております。是非そちらにもお立ち寄りください。


公演日程


2014年1月18日(土)19時開演/19日(日)13時開演
 *19日は終演後、永守勝子とくらもちひろゆきのアフタートークあり
メイプルホール(神奈川県相模原市中央区千代田2-2-15メイプルビルB1F)
一般 前売 2500円 当日 2800円
学生 1500円(前売・当日とも)
 *チケットは CoRichチケットにてご購入ください


(特別編集委員 野瀬泰申)

★今週のおかわりは「辛ければいいのだ! 僕は〜デスクの広島ラーメン研究」です。ぜひお読みください。

広島県編(その1) 「ウニクレソン」で「がんす」

広島県編(その2) 消えた包丁、ホルモン天

広島県編(その3) 天ぷら中華はどこにある?

広島県実食編 タコ足が「朝日養素」に敬礼す


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2013年12月6日

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