おかわり ニラ豚、キャベツが美味さのカギ握る〜デスク版大分県実食編



レストラン東洋軒の看板
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レストラン東洋軒の看板

 今回の大分県実食編。僕の担当は「県の北部から中部」。広い大分県です。大分県温泉観光の人気ツートップとも言える別府と湯布院を核に、限られた時間で回れる限りのスポットを見て、食べて歩きました。

 大分空港からまず向かったのは別府。古くから温泉地として栄えた別府には、注目すべきご当地グルメ、お店が多々あるからです。

 朝ご飯を抜いて、11時の開店時間を目指して向かったのが冷麺の「胡月」。ところが、別府駅を降りて日豊本線沿いに「胡月」へ向かうと、そこに「レストラン東洋軒」の看板が目に飛び込んできました。

「とり天発祥の店」を標榜する人気店です。当然「実食候補」に入っていたので、急遽予定を変え、とり天から大分県実食編をスタートさせることになりました。

「レストラン東洋軒」のとり天定食
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「レストラン東洋軒」のとり天定食

「レストラン東洋軒」は、中華料理のお店。とり天も中華料理にヒントを得て編み出されたメニューだそうです。硬い地鶏を平らにそぎ切りにすることで歯ざわりを和らげ、唐揚げではなく早く揚がる天ぷらにすることで、さくさくで柔らかい食感になるのだとか。

 カボスをざっとかけ回してから、酢醤油をつけて食べるのが一般的だそうです。好みによってカラシもつけます

 飛行機に乗るため早朝に起きたこともあり、動画を撮るのも忘れて一気に食べてしまいました。美味い、美味い。

「胡月」の別府冷麺
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「胡月」の別府冷麺

 猛烈な勢いで食べ終えたので、満腹感がまだ満腹中枢にまで到達していない感じです。せっかく近所なので「胡月」の冷麺も続けて食べてしまうことにしましょう。

「胡月」も老舗、店頭には「別府冷麺発祥の店」と誇らしげに掲げられています。

 キッチンには大きな製麺機が鎮座していて、注文を受けるたび、沸いた湯の中に直接麺が押し出されていきます。この麺の、歯を押し返すような力強い食感は、一種カイカンです。

白くて太い麺
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白くて太い麺

 これまで食べてきた冷麺は、麺がちょっと透明、あるいは少し黒っぽいイメージなのですが「胡月」の麺はまるでうどんのように真っ白。しかもちょっと太め。見た目とのギャップ、そして太めの分さらに強く感じられる歯ごたえがとても新鮮でした。

 チャーシューは牛肉。あっさり味のスープも実にいい。

 美味い、美味い。

 さすがに食べ終わってからは満腹感に苛まれましたが、食べている間は、美味しさに我を忘れて猛然とかき込んでしまいました。

金鱗湖の紅葉
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金鱗湖の紅葉

 満腹を抱えて次に向かったのは湯布院です。まずは金鱗湖を散策して腹をこなします。

 3連休の人気観光スポットは、ものすごい人出です。中国語や韓国語が頻繁に飛び交っています。

 ちょうど紅葉も見ごろで、多くの人たちが色づいた木々をバックに記念撮影をしていました。

 駅前に出てみると、さらに多くの観光客でごった返しています。「ザ・観光地」は足早に通り過ぎて、山を分け入った塚原高原の「クックヒルファーム」に向かいます。

クックヒルファーム
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クックヒルファーム

「クックヒルファーム」は、昔ながらの家畜の飼い方を踏襲する通年放牧の牧場です。乳牛をストレスができるだけ少ない環境に置くことで、健康が保たれ「おいしい、安全な生乳」が生まれる、という考え方です。

 湯布院中心部では「クックヒルファーム」の製品は手に入れることはできません。直接牧場に出向くしかないのです。

 やっと見つけた牧場の入り口は、大勢の人で混み合っていた湯布院中心部とは対照的に、出迎えてくれたのは2匹の猫だけ。母屋の戸をたたいて声をかけます。

(左上から時計回りに)トム・ド・ゆふ、フェタチーズ、フロマージュブラン、モンテキャトル、クリームチーズ
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(左上から時計回りに)トム・ド・ゆふ、フェタチーズ、フロマージュブラン、モンテキャトル、クリームチーズ

「チーズ、いただけますか?」

「いいですよ」

 チーズを切り分ける間、ひとっこ一人いない玄関先で猫と戯れて時を過ごしました。

 同牧場の看板チーズが「トム・ド・ゆふ」。約2年にわたって、湯布院の自然とともにゆっくり熟成されます。セミハードタイプで、チーズ臭は最小限に、一方で味わいは最大限に引き出されているイメージ。

 フェタチーズは、ギリシャ生まれのチーズ。食塩水の中で熟成させるため独特の強い塩気があります。

九重”夢”大吊橋の紅葉
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九重”夢”大吊橋の紅葉

 フロマージュブランは、生乳に酵素を入れて固めただけの、ヨーロッパ風のどろっとしたチーズ。

 クリームチーズ。クリーミーな味わい、食感とともに、後からやってくる酸味がさわやかです。

 モンテキャトルは、本来山羊の乳で作るところを牛の乳で作っています。表面のハーブソルトが独特の味わいを作り出しています。

 ちょうど紅葉のシーズンです。さらに山を分け入って紅葉のポイントへと向かうことにします。

震動の滝(左=雌滝、右=雄滝)
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震動の滝(左=雌滝、右=雄滝)

 行き着いたのは九酔渓、九重”夢”大吊橋です。

 九酔渓は、玖珠川流域の両岸約2キロにわたって断崖絶壁がそそり立つ景勝地です。

 九酔渓を抜けて、山頂近くに至ると、標高777メートルに架かる高さ173メートル、長さ390メートルの、日本一の人道専用吊橋「九重“夢”大吊橋」が現れます。橋の上からは九酔渓、日本の滝百選の震動の滝、さらには九重連山の景観を眺めることができます。ここが絶好の紅葉鑑賞ポイントというわけです。

「チョロ松」のカモ吸
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「チョロ松」のカモ吸

 駐車場も満パイ、橋の上も押すな押すな状態でしたが、眺望が開けているだけに実に「画」になります。ただし、結構揺れるので、高所恐怖症の人は腰が引けるかもしれません。

 夜の部は再び別府に舞い戻ります。3連休だけに人気店はどこも大混雑、大混乱。それでも人気の老舗居酒屋「チョロ松」に、ちょうど先客が席を立ったタイミングで入ることができました。

 まずは、ナス田楽でビールを一杯。カウンターの「豚天」のメニューが目にとまり発作的に注文しました。とり天の豚肉バージョンです。やはり酢醤油、からしで食べます

岳切渓谷、水辺の遊歩道を歩く
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岳切渓谷、水辺の遊歩道を歩く

「チョロ松」は1955年の創業です。看板メニューの「カモ吸」は、先代が、狩猟で獲った鴨の肉や内臓をゴボウやコンニャク、ネギ、豆腐などと一緒に鍋で炊いたのが始まりだとか。

 ぶつ切りにした骨付きの鴨肉がゴロゴロ入っている豪快な鍋です。鴨のだしと胡椒の刺激が渾然一体になったスープは、一滴たりとも残せません。

 翌朝も紅葉のポイントを目指します。耶馬溪に向かう途中で見つけたのが、宇佐市の岳切渓谷でした。

耶馬溪一目八景の紅葉
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耶馬溪一目八景の紅葉

 すぐ足下でせせらぐ清流、誰もいない静かな山の空気。3連休の喧噪に少し旅の風情をそがれていただけに、この静寂はとてもいい気分転換になりました。

 そして「超観光スポット」の耶馬溪一目八景展望台。

 耶馬溪は、中津市にある山国川の流域およびその支流域にある渓谷です。その中心にあるのが一目八景。群猿山、鳶ノ巣山、嘯猿山、夫婦岩、雄鹿長尾の峰、烏帽子岩、仙人岩、海望嶺などの岩峰を、一目で八景見られることからその名が付きました。

青の洞門
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青の洞門

 紅く色づいた木々とその上にそびえ立つ岩峰は、互いに重なり合うことなく、それぞれ棲み分けるように自然のキャンバスに描かれています。まさしく絶景です。

 ただ、それが故に真正面の展望台は、前の人の頭と頭の間からのぞき見るしかないような混雑ぶりです。人が写り込まない撮影ポイントを探すのに苦労しました。

 そして青の洞門。菊池寛の短編小説「恩讐の彼方に」で有名になった、禅海和尚が掘ったトンネル群です。多くの人々が滑落して命を落とすのを知り、30余年をかけて作った手掘りのトンネルです。

ここで空揚げが揚がるのを待つ
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ここで空揚げが揚がるのを待つ

 大改修で車も通れるようになった半面、往時の姿を失ってしまっていますが、今でも一部手掘りのトンネルが残されています。

 さぁ、食べ物の巡礼に戻りましょう。目指すのは空揚げです。

 まずは中津の空揚げから。

 訪れたのは「からあげ屋チキンハウス」です。地元の人気店だそうです。店舗の左半分が飲食スペース、右半分がテイクアウトの待合室。テイクアウト待ちスペースの広大さから中津の空揚げの食べられ方が推察できます。

「からあげ大吉」の空揚げ 揚げたて
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「からあげ大吉」の空揚げ 揚げたて

 定番の骨なしは、下味がしっかり効いた空揚げでした

 続いては、関西や愛知、沖縄などに店舗展開している「からあげ大吉」。こちらも醤油ベースの下味が付いていて、特に店先で食べる揚げたてが美味しい。「チキンハウス」も「からあげ大吉」も注文を受けてから揚げるため、熱々が出てきます。

 次は宇佐。空揚げ合衆国USAに入国です。

 まずは「とりあん」。人気チェーンだそうですが、各店舗とも基本は夕方からの営業です。やはり持ち帰って自宅で食べるのが主流なんですね。

「とりあん宇佐長洲店」の空揚げ定食
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「とりあん宇佐長洲店」の空揚げ定食

 取材の時間が限られていたので、唯一ランチタイムに、しかも定食で食べられる宇佐長洲店に行ってきました。

 空揚げのテイクアウト店と喫茶店とが中でつながっている構造で、持ち帰り用の空揚げを喫茶店の定食として食べられるのです。

「とりあん」のものはスパイシー。ご飯に合いますね。

 そして「太閤」。通信販売も手広く行う店なので立派な店構えを想像していたのですが、民家の軒先の小屋でした。

手羽先、砂ずり、骨なし
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手羽先、砂ずり、骨なし

 こちらもテイクアウトのみ。あらかじめ電話で注文を入れて、揚がるころを見計らって店を訪れるのが常連の作法なのだとか。

 いきなりお店を訪れた僕は、約40分待ちでした。

 待っている間には、肉だけを買っていく人も何人かいました。

 中津や宇佐の空揚げの魅力は「下味」なのかな。肉屋ではなく空揚げ専門店で肉を買うということは、家庭ではできない味付けこそが重要、という印象です。

したたり落ちる肉汁
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したたり落ちる肉汁

 太閤の店頭に張ってるポスターで「カラアゲカーニバル&音楽フェスタ2014」がすぐそばのお寺の境内で開催されていることを知りました。せっかくなので、ちょっとだけ覗いていきましょう。

「とりあん」「太閤」はじめ、市内の人気空揚げ店が一堂に会していました。なんだ、最初からここに来れば良かったのか…。

 空揚げを食べすぎたので、少し歩きましょう。向かった先は宇佐神宮です。

宇佐神宮上宮
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宇佐神宮上宮

 全国に約11万ある神社のうち、約4万600社が「八幡さま」だそうで、その「八幡さま」の総本宮が宇佐神宮です。

 鳥居から本殿に至るまで、きちんと順路通りにお参りしてきました

 左の一之御殿、中央の二之御殿、右の三之御殿と宇佐神宮のお宮には3カ所の参拝所があり、これを順繰りにお参りしていくのが作法です。

 そして、2礼4拍手1礼。一般的な神社より拍手の数が多いのです。

血の池地獄
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血の池地獄

 また、上宮と外宮とがあり、ともに参拝するのも作法です。

「ぱんぱんぱんぱん」またしても「ぱんぱんぱんぱん」…。

 御利益、あるかな?

 宇佐から再び別府に戻ります。別府は、別府温泉、鉄輪(かんなわ)温泉など「別府八湯」と呼ばれる8つの温泉が、南北7キロの広い扇状地に広がっています。

 そんな広い別府を象徴する人気スポットが「地獄めぐり」です。

龍巻地獄の間欠泉 温泉ブシャー!
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龍巻地獄の間欠泉 温泉ブシャー!

 温泉が噴出する場所を地獄になぞらえ、海、鬼石坊主、山、かまど、鬼山、白池、血の池、龍巻の8つの地獄を巡ります。

 噴出する場所によって、湯が青かったり赤かったり白かったり、非常にバリエーションに富んでいます。地獄の熱湯でゆでたり蒸したりした温泉たまごも有名です。

 僕も一つ食べてみたのですが、殻が熱々で、剥くのに指をやけどしてしまいました

 8つの地獄の中で、個人的に興味深かったのは龍巻地獄の間欠泉です。一定の時間を隔てて、周期的に熱湯を噴出します。

湯けむりとネオンの競演
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湯けむりとネオンの競演

 地中の空間に熱水が集まり、圧力の高まりととともにに6〜10分間噴出します。びっくりするくらいの勢いで吹き出てきます。

 空間の熱水が噴出しきってしまうと、その後空間に熱水が溜まるまで30〜40分は、お休みタイムです。

 そして広い別府を実感するもうひとつの方法が夜景です。鉄輪温泉のそばの山の上に「湯けむり展望台」があり、ここから広い別府を一望することができます。昼はまちのあちこちから上がる湯けむり、夜は温泉旅館の明かりが美しい。

「王府」のニラ豚
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「王府」のニラ豚

 夕食は、大分市内にある中華料理店「王府(わんふ)」です。「王府」のまさに看板メニューがニラ豚とニラチャンです

 ご当地グルメ関係者でニラ豚を強く推す声が高く、今回の実食編のターゲットとしました。

「王府」は夕飯ピーク時の少し前にもかかわらず、店内は空き席を待つ人々で大行列でした。しかし、意外に回転が速い。料理が出るのも早いし、食べる方も長っ尻しないで、食べ終えるとさっさと席を立っていきます。

ニラチャン
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ニラチャン

 さっそくまずニラ豚を食べてみましょう。キャベツと豚肉を細く切って、醤油ベースの中華だれでニラとともに炒めたシンプルな料理です。

 キャベツをニラと同じ幅くらいに細く切るのがミソで、それがしゃきしゃきと絶妙の食感をもたらします。ご飯にもビールにも合う。

 ニラちゃんはニラ豚を具にした麺料理だと思っていたのですが、さにあらず。キャベツは入っていません。「チャン」は「チャンポン」のことかなと思っていたのですが、麺は普通の中華麺でした

毛繕いするサルたち
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毛繕いするサルたち

 さて最終日。ゴールは、この旅の最南端となる佐賀関です。その前に高崎山自然動物園に立ち寄ります。

 大きな「動物園のサル山」をイメージする人も多いと思うのですが、高崎山自然公園は、人間が作ったサル山ではなく、野生のサルを餌付けしている施設です

 思い思いに時を過ごすサルの姿を見ているとなんだか気持ちが和んできます

 ほんわかした気持ちになって高崎山を後にして、さぁ、残るは佐賀関です。ここで、高級魚の関サバと関アジをいただきます。

関サバの刺身
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関サバの刺身

 事前に狙いをつけておいたのは、漁港内にある食堂「関の漁場」です。高級魚の関サバ、関アジですが、小分けの定食にすれば僕でも払える値段で食べられます。食べたのは2900円のセットメニューです

 サバの刺身はコリっコリ。鮮度抜群。後でお店の1階をのぞいたら、生け簀になっていました。

 小鉢はアジのりゅうきゅう。たまごの黄身のコクとゴマの香りが食欲をそそります。思わず白いご飯にのせてかき込んでしまいました。

関アジのりゅうきゅう
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関アジのりゅうきゅう

 味噌汁の中に入っているつみれも、実は関サバ関アジです。鮮度を重視するため、時間が経ってしまった切り身は、翌日たたいてつみれにするのだそうです。

 大分県実食編のフィナーレにふさわしい豪華な食事になりました。大満足です。

 今度はぜひ臼杵や佐伯にも行ってみたいな…。ただし、できれば余り混まない時期に。

 大分空港便がとれずに、特急で小倉まで出て、北九州空港から帰京した、3連休大分県実食編の旅でした。

*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。


(デスク)

12月5日

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