おかわり 焼きサバ、ホルモン、燃えたぎる脂〜デスク版福井県実食編



小浜といえば浜焼きサバ
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小浜といえば浜焼きサバ

 福井県実食編、今回の僕の担当は県の両端です。

 まずは嶺南。敦賀市より西の若狭湾沿岸の地域です。

 実は嶺南地域が大好きで、ここ10年ほど、毎年1度は訪れています。たいがい、小浜市の「OBAMA食のまつり」の時季。今年も出張に先駆けて、名古屋のす〜さんの車に便乗して、日帰りで行ってきました。

 若狭湾一帯は「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、京都の朝廷に食材を供給する役割を担っていました。小浜がもたらしたのは、当然、若狭湾の魚介です。

若狭ガレイ、カッターを駆使すると身がペロリ
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若狭ガレイ、カッターを駆使すると身がペロリ

「OBAMA食のまつり」最大の魅力は七輪焼きです。小浜産の豊かな海産物を、地元価格でずらり並べ、好みのものを選んで、会場内の七輪で焼いて食べます。

 若狭湾沿岸は、生魚はもちろんですが、ひと手間かけた干物がおいしい。名物の若狭ガレイも、一夜干しがいい。

 以前小浜の漁師さんに教わったのですが、焼き網に乗せる前に背骨の上をなぞるようにしてカッターで切り開く、同じように縁側のつなぎ目にも刃を入れる。そうしてから焼くと、身が少なく食べにくいカレイも、ぺろっと身がはがれて食べやすくなるのです。

香ばしくてジューシー
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香ばしくてジューシー

 太陽の光で増したうまみが実にいい。

 小浜といえばサバです。サバの一夜干しをいただきましょう。

 脂たっぷりのサバを網にのせると、したたり落ちた脂が炭の上で盛大な炎を上げます。その煙が、焼きサバをスモークする形になる…。炎と煙が演出する、香ばしくてジューシーなサバ。たまりません。

 へしこも焼いちゃいましょう。へしこ特有の強い塩気、うまみが日本酒に最適です。左手がビールから日本酒に変わります。

あかひもの醤油干し
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あかひもの醤油干し

 そして今回、初めて食べたのが「あかひも」。

 ヒメジです。山口県編では「金太郎」として登場しました。

 醤油干しを丸のまま炭火であぶり、頭から丸かじりにします。

 醤油干しは、小鯛の笹漬けとならぶ、小浜名物です。

 調味料を使う干物はみりん干しが一般的ですが、みりんの甘味に対し、醤油の塩加減で魚のうまみを引き出すのです。

小浜で食べた「大野のとんちゃん」
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小浜で食べた「大野のとんちゃん」

 他にも、小浜ラーメンさばおでんから、スモークサバを使った焼きうどん「サバロンチーノ」や海のビビンバ「サバンバ」などの創作料理までいろいろ食べました。

 会場内で「大野のとんちゃん」を発見。

 大野は、実食編のメーンと考えていたのでそこにいた人に声をかけると、なんと市役所の方でした。しかも、後にわかるのですが、青山の県アンテナショップで出会った、僕を大野の魅力にいざなってくれた方とは、市役所で席を並べていらっしゃるのだそうです。

町家カフェ「Green cafe」
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町家カフェ「Green cafe」

 魅惑の越前大野については、後半で詳しくご紹介しましょう。

 さて、食のまつりでおなかが膨れたら、小浜の中心市街に出かけます。

 かつてショッピングセンター「つばき回廊」があった場所は、現在「まちの駅」建設工事中です。その向かいにある町家カフェ「Green cafe」に立ち寄りました。

 小浜市中心部には昔ながらの町家が数多く残されています。

「さば街道の起点」の石碑
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「さば街道の起点」の石碑

 食とともに、まちあるきは、小浜観光の魅力のひとつです。そんな町家をおしゃれなカフェに衣替えするのが、小浜で今、はやっているのだそうです。

 もともと水場だったいうカウンターはきれいに装飾され、おしゃれな空間になっていました。一方で、土間や柱などは古民家らしく、とてもくつろげる雰囲気を作り出していました。

 カフェのはす向かいは、いづみ町商店街という古い商店街です。商店街の中には「さば街道の起点」の石碑もあります。

つるし売り
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つるし売り

 ここの入り口にある鮮魚店は僕の行きつけです。昨年も、通りを歩いていたら、遠くの店先からおかみさんに名前を呼ばれ、あれこれ魚をすすめられました。

 店を訪ねると、あいにくおかみさんは不在でした。また後で来ますと、駅前に向かって散策をしていると、自転車に乗ったおかみさんが追いかけてきました。人の温もりもまた小浜の魅力です。

 店頭では、魚に金串を通して縄でつるし、扇風機の風を当てて干物を作っています。それが何とも食欲をそそるのです。

毎年、箸を新調
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毎年、箸を新調

 とてもうまそう。事実、うまい。

 今年もまた、カマス若狭ガレイ若狭ぐじ自家製の小鯛の笹漬けなど、盛大に買い込んでしまいました。

 七輪焼きを食べて、干物を買って、そしてもうひとつ「小浜の年中行事」が塗り箸の購入です。小浜といえば若狭塗箸。まちなかにはいくつも工房がありますし、郊外には「箸のふるさと館」もあります。

「箸のふるさと館」でずらり並べられた大量の塗り箸の中から、お気に入りを選んで箸を新調するのです。

梅丈岳からの眺め
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梅丈岳からの眺め

 いまは高速道路が敦賀までつながりましたが、いかんせん、海が見えません。眺めのいい海沿いの道を走ります。その道は、若狭町で三方五湖をめぐる道に突き当たります。若狭町は梅干しの産地です。

 今回は天気に恵まれず遭遇できませんでしたが、ここから梅丈岳までの湖沿いの道には、自家製の梅干しを売る地元のおかあさんたちが、あちこちに腰掛けています。

 昔ながらのすっぱくてしょっぱい梅干しで、それがおいしい。そして安い。これを買い込んでいくのも年中行事です。

「一力」の中華そば
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「一力」の中華そば

 そして梅丈岳へ。

 リフトで山頂にのぼると、若狭湾と三方五湖が一望できます。360度のパノラマで海、そして湖が広がります。そこから、かわらけに願いを込めて投げ放ちます

 最後は敦賀へ。

 本編では屋台をルーツに持つラーメンが登場しました。有名店の「一力」に行ってきました。

 スープは豚骨と鶏ガラをベースに醤油で仕上げたもの。あっさりめです。

九頭竜湖の紅葉
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九頭竜湖の紅葉

 麺は多加水の縮れ麺。具はメンマと、脂をそぎ落としてさっぱりのチャーシュー。そして豚骨だからでしょうか、紅ショウガがのっていました。

 後半戦は、越前の奥にあるため「奥越」と呼ばれる県北山間部、岐阜との県境辺りを中心に回ってきました。

 青山の県アンテナショップ、そして小浜の食のまつりをきっかけに、今回は大野市役所結の故郷(ゆいのくに)推進室の皆さんにお世話になりました。

 大野は、越前・美濃両国を結ぶ交通の要所として、南北朝時代の初めごろから城下町が形成され、一向一揆を平定した後、藩主・金森長近のもとで発展しました。

田んぼの一角に植えられた里芋
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田んぼの一角に植えられた里芋

 周囲の山々の蓄えた水が、九頭竜川をはじめとする川となって大野盆地をうるおし、また豪雪地帯でもあり、水が豊富な土地柄です。地下水も豊富で、まちのいたるところに湧水があり、各所で、地下水位が表示されています。

 豊かな水は、米をはぐくみ、酒や醤油などの醸造も発達しました。

 野瀬も見つけたように、広い田んぼの一角にそばが植わっているのは、福井県ではよく目にする風景です。奥越ではそれに加えて、里芋も目立ちます。

里芋の天ぷら
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里芋の天ぷら

 大野市、特に上庄地区の里芋は、小ぶりで煮崩れしない「上庄里芋」として高値で取引されます。手ごろなサイズはブランド里芋として出荷するのですが、小さすぎるものは自家消費されます。

 大野の人々の里芋好きは特筆もので、この小芋を大鍋で大量に煮ころがしにして、それをさらに山盛りにして食べるのだそうです。

 大野のおじいちゃんおばあちゃんたちが地元の農産物を売るコンビニエンスなお店「のーそん」で、里芋の天ぷらを見つけました。

醤油をかけて食べる
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醤油をかけて食べる

 食べ切れなかった芋の煮ころがしは、串刺しにして焼いて田楽にしたり、ころもをつけて天ぷらにして食べたりするそうです。

 興味深かったのは、ホームセンターで見つけた芋洗い機。水車のようなかたちをしていのは、真ん中に小芋を入れ、それを水流にかけてくるくる洗うためです。水のまち・大野ならではです。

 電動芋洗い機まで売っています。それだけ、家庭で大量に里芋を食べるということです。

大パックが目白押し
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大パックが目白押し

 お昼は大野で誕生した「醤油カツ丼」を食べました。

 福井県はソースカツ丼が有名ですが、それを醤油で知られる大野風にアレンジしたもので、好みでみりんなどと合わせた醤油だれをかけて食べます。

 総務省の家計調査によれば、全国の県庁所在地および政令指定都市の中で、市民1人当たり最もとんカツを買っているのが福井市だとか。コロッケ、天ぷらもトップです。

 福井人は、揚げ物大好きみたいです。

味噌だれのホルモン
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味噌だれのホルモン

 食品スーパーを覗いてみると、総菜コーナー、特に揚げ物のコーナーがすごい。フライが5枚も6枚も入った大容量パックが圧巻です。

 いい水→いい米→いい酒ということで、中心市街地にある酒蔵にも行ってきました。店頭ではこんこんと水が湧き出していました

 夜は大野のとんちゃんです。

 牛、豚の内蔵を味噌・醤油・砂糖・みりん・にんにく・唐辛子などで味付けしたものです。

脂が引火する
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脂が引火する

 大野では昔からホルモンがよく食べられていて、さきほどのスーパーでも大きな袋入りを見かけました

 網焼きにしたり、野菜と一緒にフライパンで炒めたりと、日常的に「とんちゃん」としてホルモンを食べるのだそうです。

 大野では家庭でバーベキューをすることが多く、その際にもとんちゃんは欠かせないとのこと。

 僕が食べたのは味噌ベースのとんちゃんでした。

 脂がたっぷりと付いた白モツを盛大に炎を上げながら焼いて食べると、ビールが進む進む。

里芋で一杯
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里芋で一杯

 勢いがついてもう一軒。そば屋の突き出しは油あげの煮物でした。これもザ・福井県。

 そうそう、昼間のスーパーでは麩の辛子和えも発見しました。大野の食卓の定番だそうです。大豆加工品、よく食べるんですよね。

 日本酒の友はもちろん里芋でした。あっ、そば食べるの忘れてた…。

 すっかり飲みすぎてしまった翌朝は、暗いうちから越前大野城の「天空の城」を見るために登山です。

亀山と越前大野城
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亀山と越前大野城

 盆地のまんなかにぽっこり突き出た標高249メートルの亀山があり、越前大野城はその頂上に建っています盆地のくぼみに水蒸気がたまると、年に数回、まるで城が雲の上に浮かぶかのように見えるのです

 ただし、犬山城址の登山道は最低限の整備しか施されていません。急峻で足元も悪く、僕もトレッキングシューズを履き、杖をついての「アタック」になりました。

 観察ポイントに着くと、1時間ばかり、城を見守ります。夜明けの前後は気温の変化も大きく、城を囲む白いガスも一瞬にして様相が変わります

平泉寺白山神社の境内
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平泉寺白山神社の境内

 さすがに「年に数回」ですから、雲海に浮かぶ天空の城は見ることはできませんでしたが、それでも目の前の絶景は、汗びっしょりになって登山するに値するものでした

 下山したら、トンネルで盆地を囲む山を抜け、勝山に至りました。

 まず、標高2702メートルの白山のふもとにある国の史跡・平泉寺白山神社を訪れました。白山信仰の拠点として広大な境内を擁したといいますが、一向一揆との戦いで失われてしまったそうです。

「勝ち山ぼっかけ」セット
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「勝ち山ぼっかけ」セット

 ちょっと遅めの朝食は勝山のぼっかけです。かまぼこや三つ葉が入った出しを温かいご飯にかけて、海苔やワサビを添えて食べる郷土料理です。もともと結婚式の披露宴や法要の宴などの締めに食べられていた縁起物だそうです。

 わんこそばのように次から次へとつぎ足すことと、単に汁をかけることの二つの意味から「ぼっかけ」と呼ばれるそうです。

 早い時間から営業しているというだけでカラオケスナック兼用の喫茶店に入ったのですが、実はここ、仕出し屋さんが副業でやっているお店でした。

トラディショナルスタイルの「勝ち山ぼっかけ」
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トラディショナルスタイルの「勝ち山ぼっかけ」

 注文してから約30分、実に手の込んだ本格的なぼっかけが出てきました。右側が昔ながらのぼっかけ。かまぼこや刻みのりといったシンプルな具と薄味の出しが二日酔いの胃袋にしみわたります。

 もうひとつは創作系のぼかっかけ。中からは勝山らしく恐竜が出てきました

 2種類のぼっかけに漬物、マイタケとシシトウの天ぷら、デザートの柿まで添えられて550円。3人がかりで時間をかけて作って、最後は店の外まで見送っていただいちゃって…。いくらなんでも安すぎです。

ボルガライス
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ボルガライス

 もちろん恐竜博物館にも行ってきました

 最後は武生でボルガライスを食べてから、敦賀・米原経由で家路につきました。

 嶺南に加え、今回は奥越の魅力に触れ、ますます福井県マニア度が上昇したように思います。また行くぞ。そして、いつの日か絶対に「天空の城」をこの目で確かめるんだ…。

*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。


(デスク)

11月6日

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