おかわり サバ寿司、赤てん、世界遺産〜デスク版実食編



日本最大級のトウガラシ「オロチの爪」
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日本最大級のトウガラシ「オロチの爪」

 島根県実食編、石見担当と言いつつ、羽田から降り立ったのは僕も米子空港でした。

 米子から安来・松江を経てまず向かったのは、出雲の南に位置する雲南市でした。

 目指すは「オロチの爪」。本編でも紹介された、雲南市特産の大型トウガラシです。辛いものをこよなく愛する僕としては、日本最大級といわれるトウガラシの産地にぜひ行ってみたかったのです。

 向かった先は、道の駅「おろちの里」。

うんなんオロチの焼きタンタン
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うんなんオロチの焼きタンタン

 まずは「オロチの爪」と対面です。

 でかいっ。鷹の爪の3倍はありそうです。例えていうならサヤエンドウくらいの大きさですね。

 オロチの爪を使った料理も食べてみましょう。

 「うんなんオロチの焼きタンタン」から。スープなしの焼きタンタンメンです。オロチの爪を練り込んだ麺にオロチの爪が入った肉みそ、最後にオロチの爪のフレークとオロチの爪オンパレードです。

オロチの爪ソフトクリーム
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オロチの爪ソフトクリーム

 インパクトのある大きさですが、実はオロチの爪、辛さの方はマイルドなんです。ぺろっと食べちゃいました。続いて「青唐辛子にんにく味の鶏唐揚げ」にもチャレンジ。汗もかかない。最後にはオロチの爪ソフトクリームもいただいてきました。

 おみやげ品もほら、トウガラシづくしです

 トウガラシ三昧の道の駅。僕にはちょっと刺激が足りなかったですが、一般の味覚の持ち主には、それなりのカイカンが得られるかと思います。

関東風と「おとらはん」そして関西風
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関東風と「おとらはん」そして関西風

 そうそう、忘れるとことでしたが、雲南は卵かけご飯のまちでもあります。卵かけご飯専用醤油として有名になった「おたまはん」はここ雲南市吉田が発祥の地です。

「おろちの里」でも関西風・関東風の両「おたまはん」に加え阪神ターガーズファン専用の卵かけご飯醤油「おとらはん」もありました。ちなみに「おとらはん」、中身の醤油は関西風と一緒です。

 さて、赤いやきそばの次は赤い天ぷらを目指します。島根県と言えば、そう「赤てん」です

望遠レンズで撮った断魚渓
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望遠レンズで撮った断魚渓

 山中から北上し、海辺にある「赤てん」のまち・浜田を目指します。

 途中、江の川支流にある断魚渓に立ち寄ったのですが、8月24日の大雨による水害の後遺症で立ち入り禁止になっていました。

 断魚渓は4キロにわたり、切り立った流紋岩の崖と魚の遡上をはばむほどの急流が連なる渓谷の景勝地です。水際まで下りて間近に見てみたかったのですが、大自然の力の前ではそれは叶いませんでした。

やじん商店の店頭
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やじん商店の店頭

 JR三江線に沿って日本海へと至ると、そこは江津のまちです。江津と言えば、同人・椿さんの出身地です。椿さんと椿さんの友人で、東京・赤坂で島根料理店「がっしょ出雲」を経営する野津宏太さんからは、島根県の旅について事前に、いろいろとアドバイスをいただいていました。

 向かったのは、椿さんからサバ寿司の有名店と聞いた「やじん商店」です。江津の駅から通り沿いに何度も往復したのですが、それらしき店がなかなか見当たりません。やっと見つけたのは、橋に上る国道の細い脇道にある小さな食料品店でした。

できたて、新米
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できたて、新米

「こちらはサバ寿司で有名なお店ですよね? まだありますか?」

「じゃ、作りましょう」

 ということで、できたてのサバ寿司をいただけることになりました。

 確かにパッケージには「江津名物やじんのさば寿司」とあります。間違いないですね。しかも「新米」です。

 せっかくなので、海辺に出て、そこでかぶりつくことにしました。

腹の部分が上
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腹の部分が上

 岸壁に腰をかけてパッケージをはがしたところ、何となく違和感が…。ん、ゴマ? う〜ん…。そうだ、開きだ!

 僕がいつも食べているサバ寿司は基本的に「虎目」が上です。三枚におろしてから酢でしめてサバ寿司にする。腹の部分は酢飯に巻き込まれるようになっていて上からは良く見えないのが普通です。

 一方、このサバ寿司は背開きにして中骨とわたを取って酢でしめ、腹の部分を上にして酢飯の上にのっているのです。腹が酢飯でパンパン。なんとなく親近感があります。

 改めて、やじんさんに確認をしてみました。

デスクがいつも食べている鯖寿司
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デスクがいつも食べている鯖寿司

 背からの開きは、周辺地域では一般的な調理法だそうです。もともとは3月ころに獲れたサバを塩漬けして保存、10月の祭りの際に塩抜きをしてから酢でしめてサバ寿司にしたそうです。

 さすがに現在では塩漬けはしていないそうですが、その名残でしょうか、味がややしょっぱい。

 もうひとつの特徴は酢飯の中に生姜が入っていること。添えるのではなく、酢飯の中に刻んで入れてしまっています。

 ちなみに、黒ゴマはやじんのオリジナルだそうです。ご飯の生姜がサバの臭みを消し、ゴマの油、コクがうまみを引き立てるのだとか。

江木蒲鉾店
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江木蒲鉾店

 さすがは「江津名物」と呼ばれるだけのことはありますね。

 江津で時間を使いすぎてしまいました。急いで浜田へ移ります。もちろん目指すのは江木蒲鉾店です。

 地図を頼りに訪ねてみると、やはりとても立派なお店でした。

 赤てんは、東京ならにほんばし島根館で常時買うことができます。そのピリっと辛い手軽な美味しさで、しょっちゅう我が家の食卓にも登場します。

赤てんはなぜ「なうなう」?
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赤てんはなぜ「なうなう」?

 ちょっとオーブントースターで炙って、マヨネーズをつけて食べるとおいしい。あっ、ここでもマヨネーズだ。

 江木蒲鉾店にお邪魔するにあたって、実は椿さんから宿題をもらっていました。なぜ江木の赤天は「なうなう」なのか?

 お店の方に聞いてみました。かつてテレビ朝日系列で放映されていた番組「なうNOWスタジオ」で紹介されたことが由来なのだそうです。お店の中にはその時の写真が飾ってありました。

 そうそう、千両まんじゅうも買いましたよ〜

うずめ飯定食
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うずめ飯定食

 さて、1日目の最後は浜田から津和野へ。津和野で目指すのは本編にも登場した「うずめ飯」です

「どこかうずめ飯のおいしいお店をご存じないですか?」の質問に、宿のご主人が紹介してくれたのは「あおき」。地元のお寿司屋さんです。

 注文したのはうずめ飯定食。うずめ飯の他に4皿付いたセットメニューです。主役のうずめ飯に行く前に、小鉢で一献と言うことになるのですが、この4皿がぞれぞれとてもうまいのです。

うずめ飯
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うずめ飯

 大好きな刺身コンニャク、中にキクラゲが入っていて、これがぷちぷちといい食感なんですつけ合わせのはす芋もとてもいい食感で、酢味噌にもぴったりでした。

 葉わさびも良かったですね。津和野はわさびの特産地でもあります。つんと鼻に抜ける葉わさびの香りが、酒をいっそう誘ってくれます。

 そうめんうり(そうめんカボチャ)はシャキシャキ感の残る茹で具合で、酢の具合もいい。日本酒をあまり飲まない僕ですが、思わず酒を頼んでしまったほどです。

たくさん隠れてました
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たくさん隠れてました

 で、肝心のうずめ飯。小鉢がこれだけ優れてるんですからメインがまずいはずがありません。

 茶碗のふたを開けると、目に入るのはワサビと海苔だけ。ご飯の下には煮たシイタケやニンジンなどの野菜と豆腐が隠れています。これに、昆布やカツオで取った出しがかかっているのです。

 食べる際に初めて埋めてあるおかずをかき回して発掘します。

 ほら、実は具だくさん。

赤天カレー
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赤天カレー

 食感も味もとっても柔らかくて、日ごろの暴飲暴食が洗い流されるかのようなやさしい汁飯でした。これ、ぜひまた食べに行きたい。

 と、すがすがしい気持ちで店を出て、宿へと戻る道すがら、いつもの邪心が現れてきてしまいました。このPOPが目に入ってしまったのです。

 邪道と知りつつ、赤天カレー。

 要するにカツカレーのカツの代わりに浜田の赤てんがのっかっているのです。

津和野駅前のD51
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津和野駅前のD51

 スパイシーなカレールーと赤てんのトウガラシのピリ辛が何とも言えないマリアージュでした。

 いかん、うずめ飯と赤天カレーで、ダブル主食だ…。

 当初、江津の鯖寿司は帰りに寄る予定だったため、2日目は余裕ができました。その分、津和野を観光してきました。

 太皷谷稲成神社を拝み堀庭園を見学し森鴎外の生家を訪ね、津和野駅前に保存されているデゴイチを記念撮影してから、津和野を離れました。

銀の産出量が特に多かった釜屋間歩
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銀の産出量が特に多かった釜屋間歩

 残すターゲットは世界遺産・石見銀山です。

 2007年に世界遺産として登録された石見銀山遺跡の特徴は、鉱山そのものだけでなくそれを取り巻く生産や流通、防衛、さらには人々の生活の遺構が残っていること。そして、周囲の自然と一体となった優れた文化的景観を形成していることです。

 鉱山跡は、鉱毒などで自然破壊が進んでいるケースが多いのだそうです。また、近年まで操業していたケースも多く、歴史的な部分をとどめずに近代化されてしまっている場合も多いのだとか。

険しい山道を登る
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険しい山道を登る

 そんな中で石見銀山は江戸時代や明治時代そのままの部分が多く残され、山全体も緑に囲まれ、豊かな自然を保っているのです。

 しかしそれは一方で、観光化されていないと言うことでもあります。現地までの交通は不便ですし、残された坑道などの施設は危険を伴うため、一般に公開されていない場所も多いのです。

 そんな中、たまたま大久保間歩(まぶ)の限定ツアーに参加できることになりました。大久保間歩は石見銀山でも最大級の間歩(坑道)です。

大久保間歩の入り口 中からは冷気が
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大久保間歩の入り口 中からは冷気が

 まずは未舗装の山道を登ります。世界遺産に登録されたからには、自然の環境を変えることは許されないのです。

 急な坂道を、石の階段を、つえを頼りに登ります。かなりのハードワークです。

 600メートルほど登山をしたら、そこで長靴に履き替えてヘルメットをかぶり、懐中電灯を持たされます。坑道内は季節を問わず10度前後ということで、ウインドブレーカーを渡されました。

 さぁ、いよいよ大久保間歩への入坑です。

坑道のはるか高い岩の裂け目には足場の跡が
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坑道のはるか高い岩の裂け目には足場の跡が

 間歩の入り口は普段は施錠されていて、ガイド同伴のツアー客のみが入坑できます。もちろん明かりはありませんし、ガイドなしでは危険です。

 内部では江戸時代の手彫りの坑道と、明治以降の発破を使った坑道との違いを見ることができました。江戸時代の坑道は、人が這って進むしかないほどの狭さです。

 銀は岩の裂け目に沿ってできるのだそうで、採掘の際には裂け目だけを細く長く、広く掘り進むのだそうです。坑道跡には、そんな採掘跡の空間がいたるところに見受けられます。

アナゴとサバが入った浜田のわさび葉寿し
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アナゴとサバが入った浜田のわさび葉寿し

 かつて使われていた足場用の木材が残されていたり、掘り出した鉱石やしみ出た水を、はるか下の坑道に落とすための穴があったり…。「現代」ではない異空間があちらこちらに広がっていました。

 すみません。世界遺産・石見銀山の話が長くなってしまいました。

 観光気分で行くにはちょっとしんどいかもしれませんが、日本の歴史上とても重要な遺構が、このように旧来の姿に近い形で残されていることには大いに感銘を受けました。

一畑電車が誇る日本最古級のデハニ50形
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一畑電車が誇る日本最古級のデハニ50形

 3時間近くに及ぶ石見銀山大久保間歩の徒歩旅は、足の筋肉と腹の脂肪にはかなり効いた感じです。携帯食にと思っていた、浜田で買ったわさび葉寿しも急斜面を目の当たりにしてロッカーに預けてしまったほどですから。

 ただし、この後向かった出雲市で、消費したカロリーはすっかり取り戻しちゃったんですけどね。

 その後出雲では、早起きして一畑電車なんかもしっかり撮ってきたんですけど、それはまたの機会に。さすがに長くなってしまいましたので…。

(デスク)
2013年10月4日

*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。


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