第44回 兵庫ご当地グルメ(その1) 丼たこ焼きにコウベを垂れる

SNSで発掘、B−1へ 世界を目指す姫路おでん(一芸)


生姜醤油で食べる姫路おでん
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生姜醤油で食べる姫路おでん

 今年11月、第6回B−1グランプリの舞台となるのは兵庫県姫路市。2月23日にはB−1グランプリin姫路実行委員会が具体的な実施計画を発表し、地元でも次第にムードが高まりつつあるようです。


 姫路は「姫路おでん」でまちおこしを進めており、過去のB−1にも第3回から連続出場し人気を博しています。今年はホスト役ということでグランプリ投票には参加しませんが、関係者はこの機会に姫路おでん、そして姫路の魅力を知ってもらおうと意気込んでいます。姫路おでん普及委員会の前川裕司会長に話を聞いてきました。


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 姫路おでんは、生姜醤油(しょうがじょうゆ)で食べるのが最大の特徴。生姜のやわらかな刺激が、おでんのうまみを引き出して食欲をそそります。この地域では、おおむね昭和の初めごろからこの食べ方が一般的だったと言われています。


姫路おでんをPRする看板やのぼり
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姫路おでんをPRする看板やのぼり

 ですが、実は「姫路おでん」という言葉ができたのはごく最近の話。きっかけは2006年5月、姫路で数々の食によるまちおこしを手がけてきた前川さんのもとに届いた一通のメールでした。「おでんを生姜醤油で食べるのは姫路だけではないか」。そうメールは指摘していました。


 前川さんは最初「まさか、そんなことはないだろう」と思ったそうです。「おでんに生姜醤油」は当たり前過ぎて、全国にあるものだと確信していたのでした。とはいえ、このメールが気になった前川さんは、まずSNS(交流サイト)の「ミクシィ」内にメッセージを書き込みました。



「おでんについて情報協力お願いします」


姫路おでん発掘の場となったミクシィ内のコミュニティー(上)と今も活発なやりとりが続くひょこむのコミュニティー
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姫路おでん発掘の場となったミクシィ内のコミュニティー(上)と今も活発なやりとりが続くひょこむのコミュニティー

 続々と寄せられた返信で、姫路独自の食べ方であることがすぐに判明。これは新しい姫路名物になる、という話で盛り上がり「姫路おでん」と呼称することも決定しました。「播磨おでん」という選択肢もあったのだとか。そして、このコミュニティーで出会った仲間は、今も前川さんと一緒にまちおこしに奔走しています。そのやりとりは、ミクシィの「播磨うまいもん」コミュニティーで閲覧することができ、まちおこしがスタートする様子が克明に記録された珍しいケースとなっています。


 同年6月には、地元の人たちを中心に「姫路おでん探検隊」が発足。姫路おでんに関する情報収集が始まりました。ここでも活躍したのがやはりSNSで、兵庫に住む人、ゆかりのある人たちが集う地域SNS「ひょこむ」のメンバーが積極的に参加したそうです。7月には姫路おでん普及委員会を設立し、本格的なまちおこしがスタート。年末には姫路おでんの話題を複数のメディアが取り上げるようになりました。


                           

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姫路おでん普及委員会の前川裕司さん
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姫路おでん普及委員会の前川裕司さん

 「個人的には、生姜醤油で食べるのがおでんを一番おいしくする方法だと思います」と前川さん。「おでんは素材こそ多様なものの、同じダシで煮るので食べているうちにどうしても飽きがくる。そこで薬味の出番ですが、生姜は変化をつけつつも、カラシほど刺激は強くないので、素材そのもののうまみを十分に味わうことができるのです。全国の皆さん、今まで教えてあげられなくてごめんなさい(笑)」。


 龍野の醤油や赤穂の塩などの産地に近く、交通の要所としてカツオブシやコンブといった海産物も比較的入手しやすかった姫路では、豊かな調味料によってその食文化を育んできました。「薬味が主役」とも言える姫路おでんは、この地を象徴するご当地グルメと言えるかもしれません。


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会場の1つ、大手前公園(上)に臨む複合施設「イーグレひめじ」にはB−1グランプリのPRコーナーも
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会場の1つ、大手前公園(上)に臨む複合施設「イーグレひめじ」にはB−1グランプリのPRコーナーも

 今年5月には、B−1グランプリ本大会と同じ会場で「近畿・中国・四国B−1グランプリ in 姫路」を開催します。実行委員会としては、まずこのイベントを成功させ11月の本大会へ向けはずみをつけたいところ。食事チケットの発行額や、ボランティアスタッフとの連携といった運営面のポイントをチェックする機会にもなります。


 「姫路市民が力を合わせて『さすがは姫路や』『また姫路に来よう』と言ってもらえるようなイベントにできたらいいですね。食イベントのモデルを作るぐらいの気持ちで、運営のアイデアも出していきますよ」と話す前川さんですが、すでにその目はB−1後を見据えています。


 「できれば、昨年島根県松江市で行われた『全国おでんサミット』を姫路に招致できないかと考えています。そして姫路城の修理工事が終わり、囲いが取れるころには、日本だけでなく世界のおでんとおでんに似た料理を集めた『ワールドおでんフェア』のようなイベントを開催したい。世界遺産である姫路城の前に、おでんに導かれて世界の地域が集まるのです」と前川さんは長期ビジョンを語ります。


 もちろん、そうしたイベントも日々のまちおこし活動の積み重ねがあってこそ。まずは英語や中国語、韓国語などに対応したおでんマップやメニューによる外国人観光客へのPRを検討しているそうです。

B−1グランプリin姫路実行委員会の事務局
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B−1グランプリin姫路実行委員会の事務局



食べB修行記、今週のリポート一覧


■兵庫B級グルメ
・その1 丼たこ焼きにコウベを垂れるSNSで発掘、B-1へ 世界を目指す姫路おでん
・その2 そばめしのめしぬきめしあがれ高砂にくてんが結ぶ人の縁(一芸)
・その3 チワー、宅釘煮便です!佐用、水害からの復興とホルモン焼きうどん(一芸)
・その4 佃煮への認識をアラ!ためたい静岡県VOTE結果
・最終回 神戸ではパンを頻パンに食べる食べBなもの探検隊・姫路タウン編(一芸)

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