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コラム

第1回「生物多様性は実は経済の問題だった!」(足立直樹)(12/24)

 生物多様性は経済問題である。

 生物多様性と聞くと、絶滅が危惧される動植物の問題だと思う方が多いだろう。実際そういう面もあるが、こと企業との関係性で言えば、生物の問題というより経済の問題という側面が大きい。日本ではよく「企業と生物多様性」という表現が使われるが、英語でしばしば用いられる“Business and Biodiversity”という表現のほうが、より本質を突いていると言えるだろう。

■経済は生物多様性と表裏一体

 この連載では、「生物多様性によってこれからの経済がどのように変化していくのか」という観点から、企業と生物多様性の関係を考えてみたい。生物多様性が経済活動に対する「足かせ」になるという意味ではない。もちろん生物多様性を保全するために今後企業の出費が増えることもあるだろうが、それはけっしてコストではなく、投資である。生物多様性を保全することによって、企業はより持続可能な経営と経済を手にすることができるのだ。

 そもそも生物多様性条約(CBD)からして、経済を問題にしている。CBDの目的は、

 1.生物多様性の保全
 2.生物多様性の構成要素の持続可能な利用
 3.遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分

となっているが、このうち2と3はまさに生物多様性の経済的側面に関する事柄となっている。生物多様性条約は「経済条約」であると言ってもいいだろう。

■日本企業の取り組みは表層的

 日本では来年、CBDの第10回締約国会議(COP10)が開催されるということで、企業の間で急速に関心が高まりつつある。好ましいことではあるが、その一方、この課題の本質を本当に理解しているのかと首をかしげたくなるような状況もある。

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大盛況のうちに幕を閉じたエコプロダクツ2009。生物多様性の保全をうたった展示ブースも目立った。

 先日(12月10日〜12日)開催されたエコプロダクツ展でも、生物多様性コーナーが設置され、多くの企業が生物多様性に関する展示を行っていた。しかし企業が発表していたのは、「植林をしています」とか、「自然保護活動に協力しています」といった類の内容がほとんどで、生物多様性あるいは生物を経済の問題として真正面からとらえている企業はまだ少数のように思えた。森林認証や水産物認証などの認証制度によって配慮を裏付けられた原料を使っているメーカーも増えてきているが、その使用割合について明示している事例は非常に少ない。

 例えばコーヒーメーカーなどでは、全原料のわずか数%程度しか認証されたものを使用していないのに、認証原材料の使用を前面に強く押し出しているところもあった。ごく一部で始めた試みを全体で行っている活動とも受け取れるように表現しているとしたら、誇大広告のそしりも免れないだろう。

 より本質的な活動を行うこと、事業そのものと関係がある保全活動を行うこと、さらにはそうした活動の範囲や量を徹底的に増やすこと――。これら肝心のポイントが、多くの日本企業に欠けていると言わざるをえない。

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