インターネットアワード2001
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■審査委員長講評
「新たな挑戦に注目・意欲的な取り組み光る」

審査委員長 国領二郎氏
 難しい審査だった。完成度の高い取引サイトや自治体・教育サイトが数多く並びはじめた一方で、ネット経済全体には一巡感があって、世の中には情報技術(IT)に対する不信の雰囲気さえ漂っている。そんな中でどのような候補を選ぶか、審査委員会としての哲学が求められる。議論の末、初心に帰って、価値創造に向けて新たな挑戦をしている組織に注目しようということとなった。

 結果として将来性は大きい半面で失敗する可能性もあると指摘された受賞サイトも入っているが、革新性を重視して採択させていただいた。

 ビジネス部門で上場を果たし基盤を確立しながらも挑戦者としてのメッセージを送り続けているのが松井証券である。株式のネット売買は日本の将来にとって決定的に重要な直接金融のインフラを提供してくれるもので、他にも有力候補がいる中で代表になっていただいた。

 手がける領域の重要性でブロードバンド(高速大容量)通信の代表も欲しかった。普及には困難な壁もありそうで明らかな勝者もまだ見えないが、挑戦という意味で象徴的な有線ブロードネットワークスを選ばせていただいた。

 企業間電子商取引(BtoB)の市場形成も大きなテーマだ。インターネットと移動体通信を駆使して荷物と空きトラックをマッチングするトラボックスには物流の効率性を高める期待がかかる。

 物作りにおける可能性を探るという意味でマツダの注文生産(BTO)サイトの意欲も評価し今後の展開を期待したい。復刊ドットコムも需要サイドから供給をコントロールする参加型のデマンドチェーンのモデルとして楽しみだ。

 自治体分野では、質的、量的向上がめざましく希望が持てた。応援したかったのが、小規模な自治体の真剣な取り組みであり、健闘された多くの中から深みのある情報発信をされている篠山市を選ばせていただいた。また、市民の視線から着実に深みのある情報化を進めている市川市は他の自治体が目指す目標たりうるサイトだと思われる。県レベルではバーチャル国際見本市を開催し、地方の独自性とグローバルな市場形成を組み合わせた意欲的な挑戦をしている大分県を選ばせていただいた。

 教育分野では新境地を拓(ひら)こうという動きが多かった。入学試験をネット上で実施した北陸先端科学技術大学院大学はその例だ。非営利組織(NPO)によるユニークな取り組みとして富山インターネット市民塾も注目に値する。

 選ばせていただいたもの以外にもすばらしいサイトが多くあり、完成度の高さという意味では受賞作を上回るものも多かったように思う。何よりひとつひとつが日本に新しい風を送るすばらしい取り組みだった。ご応募に心からお礼を申し上げるとともに、大いなる飛躍をお祈りしたい。

審査委員
<委員長>
国領 二郎慶応大学ビジネススクール教授
<委員>
高橋  徹インターネット協会副会長
長谷川文雄東北芸術工科大学副学長
三石 玲子M&M研究所代表
村上 輝康野村総合研究所専務
柳原  瑛地域活性化センター常務理事
坪田 知己日経デジタルコア設立事務局代表幹事
=50音順、敬称略


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