「アジアの未来」
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アジアの未来
2000
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1997
日経アジア賞
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晩さん会あいさつ
鶴田 卓彦 日本経済新聞社社長
 日本経済新聞社の鶴田でございます。

 おかげさまで、第7回国際交流会議「アジアの未来」の初日の日程を無事終えることができました。

 お忙しい日程を割いてこの会議にご参加下さいましたご列席の皆様に、深く感謝申し上げます。

 今年もベトナムのファン・バン・カイ首相、カンボジアのフン・セン首相をはじめ、数々の新しい有力な講師をお迎えすることができ、大変喜んでおります。

 マレーシアのマハティール首相、フィリピンのシアゾン前外務大臣には、この会議に欠かせない常連講師となって頂いており、今年もご参加いただき本当に光栄に存じます。

 また中国政府からも大物講師をお迎えする予定でしたが、来日実現に至りませんでした。最近の日中関係の冷え込みを映したものと思われますが、まことに残念なことです。

 日本経済新聞社は、1995年にこの国際交流会議「アジアの未来」をスタートさせ、翌96年に創刊120周年を記念して「日経アジア賞」を創設致しました。日本人がアジアへの理解を深め、アジアの人々が日本に対する理解を深めることは、アジアの安定と発展につながると考えたからです。

 アジアも日本も、IT(情報技術)革命と経済のグローバル化が進む21世紀の初頭にあって、さまざま問題を抱えながら新たな発展の道を模索しています。経済面では、中国がWTO(世界貿易機関)に加盟することを踏まえて、アジアは競争と協調の枠組みをどう築き直すのかが問われています。きょうから明日にかけ、この地域のリーダーの方々のお話を通じて、21世紀の「アジアの未来」の道筋が浮かび上がればと期待しています。

 最後になりましたが、この席には、第6回日経アジア賞のお2人の受賞者と受賞団体の代表の方にご出席頂いております。いずれも、アジアの発展と安定のために優れた業績をあげられた方々です。この場をお借りして、皆様にぜひご紹介申し上げたいと思います。 まず、経済発展部門で受賞されたインドのインフォシス・テクノロジーズ社のナラヤナ・ムルティー会長兼CEOです。

 今回の「アジアの未来」の講師にもなって頂いておりますが、インドのソフトウエア産業を代表する優良企業を育て上げたばかりでなく、「富の共有」の理念を掲げて社員全員に自社株を持たせる一方、貧困解消のため一企業にとどまらない技術者教育にも熱心に取り組んでおられます。

 次に、技術開発部門の受賞者である大韓民国学術院会長の李鎬汪(イ・ホーワン)さんをご紹介します。

 李さんは腎症候性(じんしょうこうせい)出血熱の原因ウイルスであるハンタウイルスを発見、その血清診断法と不活性ワクチンを開発し、この病気の予防に貢献されました。1996年にはWHO(世界保健機構)のハンタウイルス共同研究センター所長に就任されています。

 文化部門はネパールのネワール語辞書委員会(代表カマル・P・マラ氏)が受賞団体に選ばれました。

 地域の歴史や文化、宗教の研究にとって重要な「古典ネワール語辞書」を20年近い年月をかけて編纂し、2000年に出版にこぎつけたことが高く評価されたためです。言語学的にもしっかりした学術成果であり、ネパールが世界に誇れる学術、文化的業績とされています。この席には同委員会のエグゼキュティブ・エディターであるテジュ・R.カンサカルさんに来て頂いております。

 お二人・一団体の表彰式は、昨日行われました。改めてお祝いを申し上げますとともに、ご列席の皆様に心からのお礼を申し上げ、私のご挨拶とさせて頂きます。どうも有り難うございました。

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