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企業情報システムの導入・維持費用の大幅削減が期待されるASP
ASPは、自社のサーバに応用ソフトを集めて、その機能をユーザ企業に提供する。機能を提供するチャネルには、セキュリティを強化したインターネットなどのネットワークを使う(図1)。
これは、ユーザ企業から見ると、ハードもソフトも安上がりで済むしくみだ。まず、自社に応用ソフトのためのサーバを置かなくて済む。ハードと応用ソフトの導入費用とサーバを維持・管理する管理者がいらなくなる。
また、応用ソフトはふつうクライアントと呼ばれる手元のコンピュータから利用するが、このコストがぐんと安くなる。
現在の応用ソフトは、サーバではなくクライアント上で動かすもの。一人一台体制となると、クライアントの応用ソフトの維持や入れ替えにかかる管理費用もかなりのものだ。
しかし、ASPを利用すると、応用ソフトはサーバ上で動き、手元のクライアントは入力を受け付けたり、応用ソフトの処理結果を表示するだけの役割となる。
クライアントの維持費用が安くなるうえ、どんなクライアントでも同じ処理ができれば、最新型のパソコンを入れなくてもよい。古いパソコンをずっと使いつづければいいのだ。
そのため、今後ASPが普及すると、パソコンはASPサービスの付属品のような扱いになるという予測を立てる識者もいる。
コストをぐんと低減できることから、ASPは企業のIT化を一気に促進する妙薬という期待が広がっている。
◆40億ドル市場の期待がふくらむASP、サービスメニューの拡大が普及の鍵か
一昨年あたりからASPは米国で話題になり、昨年から大手ERPベンダやコンピュータ企業がサービス提供に乗り出し始めた。
最近米国の大手調査会社IDCが発表したところでは、99年のASP世界市場は2億9600万ドル。2003年には約40億ドルの市場に成長するといわれている。
日本でも、昨年末から大手コンピュータ企業がASPビジネスに名乗りをあげた。ERPやSFA(営業支援システム)のASPなどを計画している。国内大手コンピュータ企業では、2000億円以上をASP事業に投資するところもある。期待は大きい。
ASPを名乗る事業が、実際いくつか始まっている。現在のところ、企業間ECのサーバ管理代行やグループウェア、電子メールのサーバ管理代行などインターネット関連の事業が多い。いままでサーバ・ホスティング(サーバ貸し)といわれていた事業の延長として、自然にASPへと多くの企業が参入している。
また、IT企業以外の業種でもユーザ企業の立場にとどまらず、ASPへと参入するチャンスが開けている。というのも、応用ソフトの時間貸しを超えて、さらに複合型のサービスを提供するASPがこの先に見えているからだ。実験的なものでは、社宅の管理を代行するサービスや介護保険情報を管理するサービスが始まっている。今後の市場とサービスの広がりが期待される。(フリーライター・大谷卓史)